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明星大学 発達障がい傾向の学生に対する支援・視察

今日は明星大学に視察に行ってきました。
ここの大学では全国的にもいち早く、発達障がい傾向にある学生に対しての支援を行っています。

現場職員の個人の力では限界があるとのことで、職員スタッフが明星大学准教授の小貫先生に相談をし、このSTARTプログラムが作られることになりました。

現在、「STARTプログラム」というスキルトレーニングを実施しています。このプログラムは、発達障がい傾向のある学生が大学で人間関係を築きながら、学生生活が送れるように支援する仕組みです。大学のルールの適応や対人関係の維持や就労に向けたスキルの獲得の活動を通して、卒業後の自立への一助となることを目標にしています。

STARTプログラムは
Survival skill Traiining for Adaptation , Relationship , Transition の頭文字をとっています。

以下、プログラムの中身です。

Adaptation =大学適応
キャンパススキル:授業ルールの理解や事務手続きの理解
スタディスキル:勉強の仕方や専門科目の取り組み方
生活管理スキル:時間管理や整理の仕方や健康管理など

Relationship=対人関係
学内での関係スキル:友人関係、サークル活動など
学外での関係スキル;学外での人間関係、マナーなど
社会システム活用スキル:交通や役所・銀行システム理解など

Transition=就労準備・社会自律
自己理解スキル:自分の特徴や向き・不向きの理解など
支援要請スキル:自分の特性理解や相談の仕方など
自己マネージメントスキル:家事・危機管理・金銭管理など
職場適応スキル:アルバイト・作業管理・余暇活用など

この3つの領域を中心に、様々なエクササイズ、グループワーク、学外活動、スポーツ大会、大学祭への参加などの活動を行っているそうです。

活動内容としては、
Adaptation =大学適応領域・生活管理スキル
テーマ:ストレスマネージメント
ストレッチやリラクゼーション体操を実際に体験し、リラックス法やストレス解消法のレパートリーを増やすように試みる。

Relationship=対人関係・学外での関係スキル
テーマ:身だしなみに気を付ける
クイズ形式で、身だしなみに関するタブーを確認する。また、実際に就職面接を想定した場面を設定して、適切な服装を考え、実際に着用して服装をチェックする。

Transition=就労準備・社会自律
テーマ:自分自身について知る
時分自身の性格や特性を振り返る。
アルバイトや就職活動などの面接場面を想定して、自分のことを相手に伝える訓練をする。

他大学でも東京大学をはじめ、富山大学、信州大学、京都大学などでも、発達障がい傾向にある学生に対するサポートが始まっているそうです。

阿部内閣が、4月19日に障害者雇用促進法の改正案を閣議決定しました。現在、企業は一定の割合で障害者の雇用を義務付けられていますが、これまでは身体障害者と知的障害者だけが対象でしたが、今回、障害の範囲にうつ病や統合失調症等の精神障害を加えるそうです。
今国会での成立をめざし2018年4月の施行を目途にするそうです。
今回、企業が達成しなければならない法定雇用率は(従業員に占める障害者の割合)急には引き上げないそうです。企業の負担に配慮して5年間は制度を弾力的に運用するための激変緩和措置を導入するとのことです。

企業の雇用の枠を広げたことは歓迎すべきことであり、それにより、もっと我々が精神障害者の皆様に対しての理解を深めていくことも重要となります。
そのような方々を雇用することで、企業側もスキルトレーニングなどの訓練を行う場を提供する必要性に迫られるかもしれません。また、何よりも国がこのような取り組みを進める中で、まだまだ整備が進んでいない領域に気が付き、国としての支援を構築していくことも考えられます。

全国的にも小中学校だけでも61万人以上いる(全体でいえば、さらに倍以上膨らむ数です)と想定される発達障がいを抱えた人がいることを踏まえ、国・自治体・教育関係者・医療・専門機関がしっかりと連携をし、強固な支援策を構築すべき課題です。これは、遺伝的な要因もある為、今、社会的な整備を行わなければ、未来永劫続いていく問題です。

私は自分が得たこの気付きを自分の政策として、足立区から実現して行き、悩み苦しんでいる多くの人たちを少しでも救っていきたいという思いでいます。

今後も、専門的に携わっている方々などからヒアリングをし、この政策を全力で推し進めていきたいと思います。

本日はお忙しい中、丁寧にご説明を頂きました学生サポートセンター長の村山課長に御礼申し上げます。ありがとうございました。



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講義するクラスの入り口に貼ってあります。視覚効果です。

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その日のプログラムの流れを示すことが必要です。

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プロジェクタを使用してわかりやすい講義をしています。