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予算特別委員会 3月10日 Part3 「防犯対策」

予算特別委員会での質問の内容をご紹介してきましたが、本日が最終日です。
 本日は、3月10日 Part3といたしまして「防犯対策」について行った質問をご紹介します。


 今回の予算の重点項目のひとつである「防犯対策」。これは、私が以前から訴えている「みんなが安心して暮らせる街づくり」の実現のためにも、重要な課題 のひとつです。

 先日もこのホームページでご紹介しましたが、足立区ではすでに、「ワンチャリ・ツーロック作戦」として、ひとつの自転車に2つの鍵をつけ、自転車の盗難 を減らそうという運動を行っています。
 やはり犯罪の発生件数を減らすということが、目に見える形での防犯対策の成果です。

 そこで今回、「防犯対策」のひとつとして、イギリスのグラスゴーで始まり、日本でも奈良県などを始め多くの自治体で導入が進んでいる「青色防犯灯」につ いて、区の見解を確認いたしました。

 足立区でも昨年、六町の町会が中心となり、青色防犯灯が設置されています。
 先日、六町に行き実際に見学させていただき、また直接ご説明も頂きました。
 また、そのほかにも既に導入している地域の事例や、色彩学、犯罪心理学の専門家などによる論文等も取り寄せ、調査・勉強を行ってきました。

 青色防犯灯の効果については、賛否両論あり、科学的な検証がされていないということも事実です。
 しかし、同時に青色防犯灯を設置したことにより、犯罪数の減少が見られた地域もあります。(これは、実際に青色防犯灯だけの効果ではなく、そもそも設置 するということは、その地域の防犯意識を高くすることにつながるので、その結果との見方もあります。)

 いずれにしても、犯罪認知件数が都内でトップレベルという不名誉な結果の出ている足立区としては、少しでも防犯対策につながることは、実験的な導入も視 野に入れた調査・研究していくことも必要です。


 防犯に対しての自治会や町会などをはじめ、地域の皆さんの自発的な対策には、本当に頭が下がります。
 区としても、地域の皆さんの努力だけに頼るのではなく、積極的な対応をしていかなければならないと考え、今回の質問、提案をいたしました。




−−−−−以下、議事録要旨(抜粋)−−−−−

【長谷川】
 区長も重点政策としていらっしやいます防犯政策について質問いたします。
 六町で、町会の人たちの努力の結果、青色LEDを用いた街灯が設置されました。また、先日の足立ブランドの中にも、青色LEDが認定されています。
 イギリスのグラスゴーで注目を浴び、国内でも奈良県など多くの自治体で導入が進められていますが、同時に、青色街灯の導入と犯罪数の減少の科学的なつな がりが実証されていないのも現状です。

 犯罪件数を減らそうと取り組んでいる足立区としては、興味のあるところだと思いますが、その効果、ほかの自治体の例、専門家への意見聴取など、区として 調査研究はしておりますでしょうか。また、区として今後さらに導入していく予定はございますか。

<危機管理室長>
 ただいまご質問にございましたとおり、奈良県で、日本で初めて青色防犯灯を導入いたしました。
 区といたしましては、その翌年の平成18年に職員を奈良県に派遣しておりまして、調査研究しております。
 さらに、昨年の11月には、私が、安全安心市民学会というのがございまして、大阪であったのですが、そこへ行きまして、青色防犯灯の効果と課題といいま すか、そういった分科会に出てまいりました。
 その中で出てきた意見等のいわば結論的なところなんですけれども、奈良県では、効果の検証は引き続き検証していくというふうなことを言っております。

 また、昨年10月に出されました奈良女子大学の井上さんという教授の方ですが、その方の研究の中でも、前後1年間だけの研究なんですけれども、減ってい る県とふえている県が混在しているということで、現状では、青色防犯灯をつけたことによって減ったのは、それは青色防犯灯が目新しいから減ったのではない か、あるいは青色防犯灯以外に他の防犯対策をやったから減ったのではないか、その辺のところいろいろ検証していかなければならないということを言っており ます。
 私といたしましては、六町三丁目に導入していただいたことにつきましては、大変注目をしておりまして、奈良県ですとかそういった遠くの検証結果を待たな いでも、近くで、綾瀬警察と一緒に犯罪発生件数推移等を見ることができると思っていますので、当面の間は、こういった奈良県、あるいは六町の犯罪発生件数 の推移を見ていきたいと思っております。

<計面調整課長>
 昨年11月に、六町二丁目で25本、未有防犯灯でございますので、ちょっと答弁させていただきます。
 設置後すぐ、私どもの電気技術職員が現場へ調査させていただきました。確かに、青色防犯灯自体は非常に遠くからよく目立つ、それから環境に優しいという ことを十分認識しております。
 ただ、明るさがちょっと問題があるということでございまして、一般的な蛍光灯の防犯灯の下でございますけれども、大体明るさが10ルクスございます。そ れに対しまして、青色防犯灯の直下の照度でございますけれども、1ルクスということで非常に暗いと、そういう結果も出ていますので、土木部としまして、未 有防犯灯の青色防犯灯の設置につきましては、今後の調査研究課題とさせていただきたいと思っております。


【長谷川】
 明るさの点で、やや落ちるということですが、青色は感情を落ちつかせる心理効果があり、光が遠くまで届き、犯罪者の心理に抑止効果をもたらすということ があるそうです。
 私としては、白色蛍光灯と交互に設置するなど、検討すべきではないかと考えるのですが、いかがですか。

<計面調整課長>
 そういう内容も含めまして、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。


【長谷川】
 私もいろいろと文献資料などを読みましたが、科学的な検証がされているものは一つも見当たりませんでした。
 一部疑問に思われるデータもありまして、犯罪件数の減少を伝えるという記事でしたけれども、効果が認められなかったというよりも、外部にまだ情報が出せ ないという可能性もあって、まだまだこの分野については実験段階なのかなという印象を受けております。

 青色街灯は人の気持ちを落ちつける効果がある、そして遠くまで光が届くなど、防犯面のメリットだけでなく、デメリットとして人の肌の色が気持ち悪く見え る、食欲が減退するなどの影響もあるようです。
 飲食店など並ぶ商店街には、余り向いていないような可能性があり、設置場所に配慮が必要だと思います。
 そのために、例えば区長が進めている自転車盗減少のワンチヤリ・ツーロック作戦と並んで、自転車置き場のライトを青色に変え、防犯盗難防止を図ってみて はいかがでしょうか。

<交通安全対策課長>
 駐輪場の照明を防犯の視点で青色に変えてはどうかというご質問でございますけれども、青色街灯につきましては、防犯に効果があると言われる反面、委員 おっしやったようにマイナス面もございます。
 また、先ほど計画調整課長が答えたとおり、明るさの面にも問題がございます。そういう中では、暗くなることによって利用者への不安とか、防犯カメラ設置 してありますけれども、それの暗さの問題とか、その辺の問題を行う中で、いま現在、先ほどお話がありましたとおり、六町でいま使用している青色防犯灯の防 災効果について検証を行う中で、駐輪場での青色防犯灯の検討も行っていきたいと思っております。


【長谷川】
 住宅街の近くでは、青色街灯の悪影響の部分がトラブルを引き起こす可能性がありますので、例えば先日、同じ会派の鈴木あきら委員が防犯上の問題を指摘い たしました、現在、建設が進んでいる補助258号線の東京メトロ車両基地付近の地下道など、犯罪の起きやすいとされている地下道のようなトンネル状になっ ている道路で導入してみては、いかがでしょうか。

<街路課長>
 ただいまの258の地下のアンダーの件でございますが、実は我々の方で、アンダーにつきましてはやはり明るくしようということで、照度200ルクスの平 均照度を確保しています。
 もしそれが青色防犯灯ということになりますと、10ルクス、1ルク スということで、10分の1ということはないと思い ますけれども、4分の1とか5 分の1、そうしますといまのランプを4倍、5倍つけなくちやいけないというような現実問題が出てきます。
 そういう中では、いまの地下道の中での200ルクスを確保する中では、私は非常に困難であると考えております。