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東京都CUD視察 都営地下鉄新宿線 「新宿3丁目駅」

 午前中の「COLOR SESSION 2008」を見学した後、新宿に移動し、CUD(カラーユニバーサルデザイン)が導入されているという都営地下鉄新宿線「新宿3丁目駅」の視察に行ってき ました。

 現地では、東京都交通局の皆さんが、駅入口やホームなどを歩きながら、CUDを導入している案内板、料金表、サインなどをご説明くださいました。
 また、一通り見学が終わった後では、事前に提出しておいた質問項目について、その回答と説明を頂きました。
 (質問の内容と、その回答については、この記事の最後に掲載してあります。)

 都営地下鉄では、今回視察した新宿線の「新宿3丁目駅」と三田線の「大手町駅」で、モデルケースとして、駅構内の案内板やサインなどにCUDを導入して います。
 利用者の皆さんからの反応も、良好で、今後も、駅の改修工事などを行うときに、順次、他の駅にも導入を予定しているとのことでした。


 足立区でも、私の代表質問を受け、区の担当部署で早速、先日開業した日暮里・舎人ライナーの区内にある駅で、CUDを導入していただきました。
 やはり、全ての案内やサインを一度に変えるというのは、現実的に無理だと思いますので、新しく設置するものや改修工事の際に、順次導入していくという方 法で、少しずつでも前進していってもらいたいと思います。


 今回のお話しで東京都では、都営地下鉄を所管している交通局の方が、問題意識をもたれ、部署単位で取り組みを行っているということでした。
 区民(都民)の皆さんの生活の中で、CUDの導入が必要と思われる箇所は、生活全般に及びます。
 それに対応するためには、役所内の一部署だけでなく、やはり全庁横断的な取り組みが必要です。
 足立区では、総務部が取りまとめになり、全庁的な取り組みをするとの質問の答弁でも頂いていますので、私も職員の皆さんと一緒になって、今後もCUDの 導入に取り組んでいきたいと思います。

 最後になりましたが、お忙しい中、丁寧なご説明をいただきました東京都交通局の皆さん、まことにありがとうございました。



***** 私が事前に用意した質問と東京都交通局電車部からの回答*****

【1】 いつからCUDを意識した取り組みを行っているか?
 →平成19年度に実施した「案内サインのあり方検討」の中で、「色彩・照明・ピクトグラムなどのバリアフリーヘの対応」をコンセプトの1つとして掲げて 改良を進めていったことが最初である。

【2】 CUDを導入したきっかけは何か?
 →「あり方検討」の中で、受注業者が色盲や色弱の方でも見やすいサインの設置を目指すべく、実地調査を行った上でCUDに基づいたサインデザインの提案 を受けたことがきっかけである。

【3】 新宿三丁目以外で、CUDになっている駅はあるか?
 →新宿三丁目と同時にモデル駅として改修した大手町駅。その後エレベーターエ事等のサイン改修でこのサインシステムを導入した岩木町駅・篠崎駅・東新宿 駅。

【4】 今後の、CUD導入予定はあるか?(駅に限らず、全般的に)
 →サインにおいては、今後エレベーターエ事および防災改良工事にともなうサイン改修が発生した箇所から順次CUDを導入していく予定である。

【5】 CUD対策の年間予算(内訳)はどうなっているか?
 →特にCUD対策としての予算取りは行っていない。今後も防災改良工事等に含める形でサイン改修を行う予定である。

【6】 1つの駅(例えば新宿三丁目)でCUDにかかっている経費(内訳)はどうなっているか?
 →あり方検討という大枠の中での契約のため、駅単位での経費は算出していない。

【7】 CUDのアドバイス、検証などを専門家にお願いしているか?
 →色彩については、受注業者が色彩研究専門業者に委託している

【8】 実際のサイン製作業者(印刷業者)との打合せは、どこが行っているか?その打合せはスムーズに進んでいるか?(製作側の理解度は?)
 →あり方検討にともなうモデル駅改修については、受注業者が製作業者と直に打ち合わせている。なお、この検討においてサインマニュアルの作成も行ってお り、今後は使用材等を規定したため、施工管理が容易になると予想している。

【9】 CUDを導入したことによる利用者の反応はあったか?(見やすくなった、反対に見づらくなった等)
 →今の所特に見づらいといった声は聞かれない。文字を大きくした、掲示を明るくした 箇所に関してはおおむね良好な意見があがってきている。

【10】 職員の中でCUDを理解し、携わっている人数は何人くらいか?また、他の部署での取り組みはどうか?
 →当部署ではサイン担当が4名おり、知識を共存することによってCUDについて意識を高めつつある。また、紙ベースの路線図を製作する部署についても、 CUDに基づいたラインカラーの使用を行っているなどの例もある。

【11】 ガイドラインや指針など、基準になるものはあるか?(何を基準にしているか?)
 →昨年度、あり方検討に基づく調査および試験設置結果をもとに作成した「都営地下鉄案内標識設置基準」を元に、今後はサインを設置していくことになる。

【12】 現在までのCUDの主な実績はあるか?(他の部署も含む)
 →サインに関しては、このモデル駅改修が初めての試みである。

【13】 いままで、職員や請負業者などを対象としたCUDの勉強会を開催したことはあるか?
 →CUDは「あり方検討」での初めての試みであるため、行っていない。
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地下鉄入り口の看板。従来のものから色合いを変更し、また文字も大きく見やすくしているとのことです。

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禁止マークの赤色も、少し朱赤になっていて、色覚障害のある方でも見やすくなっています。また、マークの重なる部分に白で縁取りもしてあります。

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料金表。従来のものと比べ、文字を大きくし見やすくなっています。また、白い縁取りも使ってあり、大変見やすかったです。

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トイレの案内。従来のピンクと水色の組み合わせでなく、色覚障害の方でも混同しない、赤と青の組み合わせになっています。

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非常停止ボタン。古くから設置されているもののようですが、色覚障害の方が見ると赤色が目立たなく、また全体的に表示も小さかったです。まだまだ、改善点はありそうです。