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決算特別委員会の質問内容 第5弾:「魅力ある図書館作り」

先日から、お送りしています決算特別委員会の内容の第5弾です。
 今日は、「足立区の図書館を魅力ある図書館」にするために委員会で行いました、私の提案・質問についてご紹介いたします。


 現在、足立区には16か所の区立図書館があります。
 しかし、どの図書館に行っても、似たような本が同じように並ぶ図書館になっていないでしょうか。

 インターネット等の情報ツールが発達した現在においては、一つの図書館で全てをまかなおうとするのではなく、足立区全体で一つの情報基地ととらえる考え 方が必要だと思います。
 つまり図書館においては、一つの図書館に全ての分野の本を、広く薄く置くのではなく、図書の情報の分散と集中を行うことにより、深い情報を持った図書館 をつなげることにより、結果的により広く、より深い情報の蓄積が可能です。

 具体的には、区内にいくつかある図書館にある程度の専門性を持たせることを提案しました。
 もちろん、地域の図書館として、子ども向けの本や話題の本などは、どの図書館にも配置する必要はあるかと思いますが、それ以外の普段なかなか読まれない 専門図書などを、分野別に集めることにより、そのような図書の重複を避けられるだけでなく、その分野に強い図書館が誕生することになります。

 たとえば、外国文学が豊富な図書館、歴史関係の本や資料が多い図書館、芸術関係に強い図書館、医学や理工学の専門書などが多い図書館など、特色のある図 書館ができます。
 「文学好き、歴史好き、芸術好きには、とてもうれしい図書館」というのも、面白いだけでなく、地域のPRにもなると思います。


 また、区内のもう一つの図書館(情報蓄積基地)ともいえる、小中学校の図書室も、それぞれの図書をデータベース化し、区内の小中学校だけでなく、区立の 図書館とも情報を共有することも提案しました。
 これにより、区の財産である情報を有効に活用できるだけでなく、子どもたちに便利な環境を作ることができます。


 現在、情報を得られるメディアとしては、インターネットやテレビやラジオなど、さまざまありますが、やはり洗練された情報がまとまっている本に触れるこ とは、子どもたちの心の教育にも必ずプラスになると思います。

 現在ある図書館の運営などを工夫することにより、経費を削減していけば、区内でも図書館空白地帯と呼ばれている綾瀬などにも新しい図書館をつくることも でき、また、多くの本に出会える機会も増えると思います。



−−−−−以下、議事録要旨(抜粋)−−−−−

【長谷川】
 足立区の図書館施設の充実という観点から質問させていただきます。

 子どもたちの豊かな心をはぐくむ、また豊かな感性を待った人となるには、やはり1冊でも多くのよい本に出会うことです。
 テレビやラジオ、インターネットなど情報ツールとしては有効な面もありますが、いままでの人類の英知が詰まっていると言っても過言ではない多くの本を読 むことは、知識の面でも、心の面でも大変重要です。

 足立区には現在16ヵ所の図書館がありますが、どこに行っても同じような本が並ぶ図書館になっていないでしょうか。

 人気のある図書、定番の本、絵本などはどこの図書館でも利用できるようにすべきですが、それ以外の部分において図書館ごとに専門を決め、特色を出し差別 化を図ってもいいと思います。
 例えばここの図書館は外国文学が充実している、ここの図書館は歴史関係が充実している、ここは理工系の本が充実しているとか、芸術関係の本が充実してい る、ここは足立区出身の作家の本が多い、または郷土の歴史に関する資料が充実しているなどです。

 限りあるスペースを有効に使うためにも、足立区全体を一つの大きな図書館、情報の蓄積基地ととらえて図書館に専門性、得意分野を持たせることにより、図 書館同士の同じような本の重複を避け、結果的に多くの種類の本や資料を足立区全体として所有することになると思います。
 これにより、区民の皆さんがそれぞれ興味のある分野、専門分野について、より深く、広く情報を手にすることにつながると思います。

 足立区の図書館にそれぞれある程度の専門性、特色を持たせることにより、本の蔵書数だけでなく、その種類をふやし、小さな子ども向けの本からある程度専 門性を持った本まで、足立区には幅広い多くの本があるというPR、目玉にもできると思いますが、いかがでしょうか。


【中央図書館長】
 いま委員ご指摘のとおり、現在の中央図書館ができた平成12年の段階で、ある程度地域間に特色を持たせようということで取りみをしたことがございます。
 ただ、その後、いまの図書館のシステムそのものが170万冊の資料がございますけれども、実際にはオンラインですべてつながっておりまして一体で動いて いるという状況でございます。
 また、この間、交通網なども整備されまして、足立区の状況も大分変わってまいりました。

 したがって、今回の社会教育委員会の方からも答申を受けまして、いま新しい図書館計画というものを考えている段階でございますが、その中でまた図書館の 資料のあり方についてもあわせて今後検討していきたいと考えております。


【長谷川】
 図書館をまた新たにつくるとなるとかなりのコストがかかると思いますけれども、いかがですか。

【中央図書館長】
 図書館の新設につきましては、限られた子算の中で新しい箱物をつくる、またそれにあわせて資料を整備するということは、既に16館ある図書館をさらに細 分化することにもなってまいりますので、費用対効果の関係では大変厳しい状況にかえってなってしまうのではないかと考えております。
 ですから、いまある図書館を充実していくこと、また利便性向上のために新しい図書館をつくるということではなく、いろいろなネットのサービスの向上です とか、そういうようなことで努めていきたいと考えております。


【長谷川】
 私が考えている図書館ごとに専門性、特色を持った図書館が実現すれば、現在の図書館が抱えている重複図書とか、読まれない専門書などの整理ができると思 います。
 例えば、購入する図書も全図書館一律で、一つの本を16冊買うとかではなくて、その図書館の特色を出すことにつながるのですが、これによって足立区の図 書館の運営コストを減らすことにもつながると思います。
 そうすれば、運営コストが下がる、それによって、例えば綾瀬のような図書館空白地帯と呼ばれている地域にも、図書館をまたさらにつくることが可能になる と思うのですが、いかがでしょうか。

【中央図書館長】
 現在も指定管理館に移行したところの選書などは中央図書館の方で一括して行うなど、資料の重複を避けるような取り組みを進めております。
 今後、指定管理がまたさらに進んでまいります中で、そういう資料の重複を避けるような取り組みを再度進めてまいりますので、そういう意味でのむだな部分 といいますか、それがなくなってくると。
 逆にそういうところで浮いたお金を足立区にふさわしい文化に役立つような、ある程度高額なものなどもそろえるような形で進めていきたいと思っておりま す。


【長谷川】
 運営コストをいろいろ工夫して、図書の幅を広げるということと、それから、空白地域の区民の皆さんは早く図書館が欲しいというニーズが高いものですか ら、ぜひつなげていっていただきたいと思います。

 次に、情報ネットワークを構築するという観点からもう一つお話しますと、いま足立区内の図書館はネットワークでつながっていて、別の地域の図書館の蔵書 が確認できるようになっていると思います。
 ただ、各小中学校の図書室というのは、このネットワークに入っていません。
 まず既存のシステムを利用して区内の図書館の蔵書情報を各小中学校の図書館の端末からでも検索、予約を可能にしてはどうかと思いますけれども、いかがで しょうか。

【中央図書館長】
 私どもの図書館のシステムに関しましては、いまインターネットをご利用いただける環境であれば、図書館の蔵書の検索については可能でございます。
 したがいまして、現在学校にあるインターネットに接続したパソコンからの校続ということで情報提供ができると考えております。


【長谷川】
 いま各小中学校の図書の検索は、どうなっていますか。

【中央図書館長】
 いまの私ども図書館のシステムに関しましては、いわゆるインターネットを接続できる環境であれば、当然、足立区の図書館システムということで検索してい ただいて入っていただくことは可能ですので、学校の方にインクーネットのパソコンの設置があれば、それは情報提供としては可能であると考えます。

【長谷川】
 その予約をするということまで、出来るようにしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

【中央図書館長】
 その環境を通じて登録をしていただければ予約ということは可能です。

 ただ、学校に関しましては、いま現在団体貸し出しとかということで学校配送の仕組みがございまして、定期的にご要望がある学校につきましては、調べ学習 の図書ですとか、さまざまな読み物などのメール化での配送も行っておりますので、そちらのご利用もしていただけると考えております。


【長谷川】
 そういう学校の団体というよりも各生徒が自由に検索して、そこから自分の地域のいろいろな図書館に貸し出しがかけられるようなシステムをつくっていただ ければと思うのですけれども、可能でしょうか。

【教育政策課長】
 現在学校のICT化でございますけれども、今年度、教育委員会で校長先生方に端末を配備することができたという状況でございまして、また、児童生徒のコ ンピュータールームの端末の台数についても、まだ子どもさん方全員に行き渡る数量を配置できていないという状況もございます。
 そういった観点から現在では、まずはそういった方面のコンピューター端末の導入を第一と考えているところでございます。

【教育長】
 インターネット環境、全児童あるいは生徒に対して整備されているわけではございませんけれども、パソコンルームはインターネットでつながっておりますの で、そこへ行けば児童も生徒も検索がいまの段階でもできます。
 ただ、先ほど中央図書館長が申し上げましたように、メール化で資料団体貸し出しという形の中で、授業で使うのはそちらの方が効率的だろうと思いますの で、両方現段階でもできるということになっております。

 ただ、委員が多分お話というか、ご質問になりたい部分は、学校に置かれている図書がインターネット環境の中に入っていないのではないかということかなと 思っていますが、これにつきましては、まだできていないということでございます。


【長谷川】
 各学校間の図書室の蔵書の検索利用という部分で、いま教育長がおっしゃられていた内容が、私は言いたかったことです。

 そういう部分で16ヵ所の図書館と各小中学校の図書室の蔵書も含めた検索を利用できるような、足立区内にある図書館、図書室が一つの大きな図書館となる ようなシステムをこれから構築していけば、これから運営コストという部分でも、かなりむだな本を購入しなくて済むという観点からも、コストが減ります。
 その部分を図書館空白地域と呼ばれているところに図書をまたつくるということも可能になると思うので、ぜひそういうシステムをつくっていただきたいと思 います。

【学校教育部長】
 学校の図書室のネットワークでございますが、私ども再三図書の充実には意を用いているところでございますが、なかなか財源的な問題があって難しいと考え ています。
 ですから、基本的には中央図書館長が申し上げたとおり、中央図書館と地域館、こことの連携、いわゆるインターネットの環境があれば十分対応できるという ことでございますので、私どもとしては、そういった形で子どもたちに、積極的に中央図書館ほか地域図書館に親しむような形で指導してまいりたいと考えてい るところでございます。


【長谷川】
 いろいろと課題も多いかと思いますけれども、区民の皆さん、それから、各児童生徒の皆さんが便利に利用できるような方向にしてもらいたいと思います。