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東京都中国帰国者自立研修センター 視察

 今日は、飯田橋にある「東京都中国帰国者自立研修センター(以下、自立研修センター)」へ行ってきました。
 現在、中国残留帰国者の支援政策の勉強のために、国、東京都、各自治体の取り組みについて調査をしています。

 自立研修センターは、中国残留帰国者定着促進センター(所沢)で6ヶ月の研修を終えた後、利用する施設であり、現在、東京、千葉、神奈川、大阪の4か所 にあります。
 国の施策では入所期間は8か月とありますが、定着地では学びの場がないという理由等で、自立研修センターへ通所希望が多く、東京都では、1年から1年半 程度の研修期間としています。

 自立研修センターでは、相談事業の他、日本語指導事業等を行っており、「生きがい」を持ってもらうことを目的に、ゆっくりとした進度で生活の場に即した 日本語教室が展開されています。
 さらに、日本語などを学べる再研修教室もあり、帰国後5年以内であれば、原則1年、この教室に通うことができます。
 日本語習得が難しい高齢の方々のサポートを目的としていますが、引きこもり防止や生きがいとしての日本語学習という意図もあり、現在、通所されている方 は30名以上いるそうです(定員をはるかに超えた受講者数とのこと)。


 帰国者数の減少や高齢化などの事情から、全国の自立研修センターは縮小の方向にあり、替わって、支援交流センターが、地域での生活の支援等の中心になり つつあります。
(来年度からは、神奈川、千葉の自立研修センターは閉所され、東京、大阪のみになる予定です。)

 しかし、中国帰国者支援・交流センターは、全国的にブロックで分かれているので、身体が不自由で通えない方や通うのに不便との理由で、通所できない方が 多く出ることは想定されます。
 遠隔授業として通信教育もありますが、自宅の机の上で勉強するだけになってしまい、1世の高齢化が進んでいる中で、引きこもってしまう方も多くなる懸念 もあります。

 今後、身近な地域に帰国者が積極的に関われるコミュニティづくりを進め、地元の方々の理解と協力により、帰国者の地域への定着と、帰国者同士が身近な地 域で支えあえる体制を作ることが必要です。
 人と触れ合うことで、引きこもりや認知症防止にもつながり、健康面や心の面での色々な効果が期待できます。

 また、今後、市区町村で2世3世の方々への就労支援にも力を入れ、1世の方々が安心して余生を過ごすことができる体制を進めていくことも重要です。
 今後も、23区の他の自治体の取り組み状況なども、調査していきたいと考えています。


 本日は、長時間にわたり、丁寧なご説明・ご案内をいただきました自立研修センターの職員の皆様、まことにありがとうございました。
20081201

資料を見ながらの丁寧なご説明の後、日本語教室の様子も見学させていただきました。