カテゴリー記事一覧

【過去の活動報告】


【活動カテゴリー】


【過去の議会報告】


【議会報告履歴】



代表質問の内容④ 「放置自転車対策について」

 長く間があいてしまいましたが、テーマごとに分けてご紹介している先日の代表質問の内容の続きをご報告いたします。
 今回のテーマは、放置自転車対策です。

 自転車問題としては、大きく「駅構内や公園などの禁止区域での通行問題」と「放置自転車問題(自転車盗難)」があります。
 今回の代表質問では、「放置自転車問題」について、質問を行いました。


 足立区の犯罪認知件数が多い原因に、自転車盗難の多さがあります。
 放置自転車の多さは、その自転車盗難の増加の要因の一つになっていると考えられます。

 区内の交通手段、特に東西の交通手段が十分でない足立区にとって、自転車は区民の皆さんの重要な移動手段です。
 これはアンケート調査のデータ等から、客観的にも数字となって表れています。
 私自身、区内の移動にはよく自転車を使う一人として、この問題は今後も引き続き取り組んでいきたいと思います。


 今回の質問の主な内容は以下の通りです。
(1)放置自転車監視・回収にかかっている費用を、(例えば綾瀬地区などでの)
   立体駐輪場の建設にあてられないか?
   ・・・毎年、消えていく経費より、最終的に区の財産になるものへの投資を

(2)綾瀬駅、亀有駅など複雑な地形で隣接する葛飾区と、協力した駐輪場整備の要請
   ・・・生活圏が重なり、両区の区民がともに利用する駅周辺を一緒に整備

(3)民間の業者と協力した取り組み
   ・・・インセンティブをつけ、民間事業者が積極的に協働しやすい工夫を

(4)回収され引き取り手のない自転車の有効活用
   ・・・引き取り手のない自転車は「区の資源」という発想での活用を


 自転車自体は、もちろん危険もありますが、お子さんからお年寄りまで比較的扱いやすい乗り物と言えます。
 私自身もそうですし、区民の皆さんにとっても大切な「足」です。
 自転車の問題に関しては、今後も根気よく、継続して取り組んでいかなければならないテーマだと考えています。

 また交通マナーや放置自転車などの問題を解決することも当然ですが、自転車の移動(もしくは徒歩)圏内に、生活で必要な施設がすべてそろうような、コンパクトな街づくりというものも、検討していきたいと思います。



*****以下、本会議での発言の要旨です。*****

 足立区における深刻な問題の一つである「自転車問題」について質問いたします。
 つくばエクスプレス、日暮里・舎人ライナーが相次いで開業したものの、足立区における公共交通機関網は、十分とは言えません。
 足立区においては、区民の移動手段として、自転車が日常生活に欠かせないものになっています。
 その状況は、自転車の防犯登録台数が東京23区で最も多いなど、数字にも表れています。

 同時に放置自転車の数、自転車盗難の件数なども、23区の中で比べても、残念ながら常に上位にランクされています。

 足立区の犯罪認知件数が多いのも、この自転車盗難の多さが原因のひとつです。また、放置自転車の多さが、自転車盗難の多さに起因すると考えられます。

 放置自転車が増えれば、自転車盗難が増えるだけでなく、街の美観を損ね、そして何より、歩行者の皆さんの歩道の確保に支障をきたし、安全な生活も脅かされてしまいます。


 自転車は区民の生活の足として、重要なものであり、またその対策は、区民の安全を守り、犯罪を減らし、美しい街を作るためにも、重要な課題と言えます。
 近藤区長におかれましても、同じような問題意識からワンチャリツーロックやビューティフルウィンドウズなどを展開されており、一定の成果は上がっていると認識しています。

 しかし、例えば私が住む綾瀬駅周辺を見ても、まだまだ放置自転車が多く、その上、綾瀬二丁目の古隅田川環境整備に伴う駐輪場の段階的な廃止計画にともない、2600台の駐輪スペースを計画的に確保する必要があります。
 さらには、小菅に約1200世帯の方が入られる国家公務員宿舎が出来上がり、綾瀬駅利用者数も増えることも予想され、将来に渡っての計画的な駐輪場の整備が求められています。

 以前に提案させていただき、今年の夏には、都立東綾瀬公園の一角に暫定的にラック式の駐輪場ができる予定でした。しかし、都との交渉も難航しているのが現状です。


 現在、緊急雇用対策事業の一環でもある自転車監視員を配置して放置自転車対策を行っていますが、足立区が放置自転車対策に使う経費は年間2億円にものぼります。
 しかも、これらの経費は人件費などで消えていくため、将来の足立区にほとんど何も残しません。


【問】そこで年間2億円の経費を出し続けるよりも、初期投資額が必要なものの、年間の経費が大きく減少すると考えられる大規模な立体駐輪施設を、例えば東綾瀬公園の地下などに建設することを検討しては如何でしょうか?

 これは、江戸川区で実際に行われており、年間の経費が大幅に減少したほか、放置自転車もほぼ0に近くなるなど、街の景観もよくなり、全国各地から成功事例として多くの視察も受け入れています。

 もちろん初期経費を考えると、大きな金額になることは間違いありませんが、人件費などとは違い、将来的に施設として残るものへの投資という面も考慮に入れ、是非ご検討をいただければと思います。


<都市建設部長>
 放置自転車対策についてお答えいたします。
 自転車監視員は、自転車利用者の街頭指導及び放置自転車の警告札付けなどを行っており、さらに、緊急雇用により年170日の活動から300日へ強化した結果、放置自転車は約15%減少しており、効果のある対策と考えております。

 地下式立体駐輪施設は、一台当たり70万円の初期費用に加え、機械の維持管理費用として、200台収容施設の場合、年間約250万円必要となります。
 また、規格外自転車の出し入れによる機械などの故障や事故も少なくないと聞いており、区としては、地下式立体駐輪施設の設置は考えておりません。
 したがいまして、現在、区が東綾瀬公園内に計画している暫定駐輪場につきましても、地下方式ではなく、地上方式での早期整備に向けて、引き続き、公園管理者である東京都と協議を行ってまいります。


【問】また、綾瀬と葛飾区側に入り組んでいる古隅田川の駐輪場の緑地化計画に伴い、葛飾区側にも駐輪場計画の協力を積極的に、区として要請できないものでしょうか。

<都市建設部部長>
 次に、葛飾区の協力についてですが、足立区では、駅周辺300m以内の民間自転車駐車場事業者へ対する補助制度を導入して、公設と民設を合わせて自転車駐車場の整備を行っております。
 綾瀬駅の自転車駐車場利用者は、葛飾区民が大半を占めていることから、葛飾区の役割分担として、一日も早い民間駐輪場の補助制度の導入について、引き続き、強く要望してまいります。


【長谷川】
 また、区だけでは整備できる駐輪場に限りがあるため、綾瀬駅周辺では今年の4月より、民間業者と協力しながら2時間無料サービスを始めました。これは放置自転車の要因の一つになっている一時利用者に、駐輪場の利用を促すためには有効な手段です。

【問】今後、民間業者とも協力をしながら、区の主要駅を対象とした2時間無料サービスを行っていくのは如何でしょうか。

<都市建設部長>
 次に綾瀬地区における自転車駐車場の2時間無料サービスについては、本年4月から実施しており、買い物時間帯における放置自転車の撤去台数は、実施前の3月以前と比較して、約2割減少しております。
 この結果から判断いたしまして、今後は北千住、西新井、竹の塚などの区の主要駅周辺につきましても拡大していきたいと考えております。


【問】区として、この取り組みを後押しするためにも、自転車放置禁止区域内において2時間無料の駐輪場を含めた、駅周辺の駐輪場マップを区の主導で作成してはいかがでしょうか。
 これを行うことにより、民間の取組のインセンティブになるのではないかと考えます。

<都市建設部長>
 区は、現在、2時間無料サービスを行っている綾瀬地区で、このサービスをPRする駐輪場マップを作成し配布しております。
 今後取組む地区につきましても、同様の駐輪場マップを作成し積極的にPRして行きたいと考えております。


【問】また、そのマップを区民事務所や住区センターなどに置いたり、指導員に配布していただくなど、普及啓発に努められては如何でしょうか。
 区の見解をお伺いします。

<都市建設部長>
 次に駐輪場マップは、現在、綾瀬地区の区営駐輪場と東綾瀬区民事務所で配布しております。
 今後は、住区センターなどへの配置や街頭指導員からの配布など、さらなる普及啓発の拡大を図ってまいります。


【長谷川】
 次に、現在、足立区では年間約2万数千台の違法駐輪された自転車を回収しています。
 これは、例えばH21年度に放置自転車撤去にかかった人件費などから計算すると、1台あたり約8800円もの経費をかけていることになります。
 一方、多額の経費をかけて回収された放置自転車ですが、H21年度の実績でおよそ4割にあたる9117台について、違反者が引き取りに来ていません。

 現在、そのような自転車は、ある団体に無償で引き渡し、その団体がクリーニングを委託し修理をして販売をしています。そのうちの一部は、区の公用自転車として区が買い取り、利用しています。
 また、リサイクルに適さないものは、足立区が鉄くずや廃棄物として売却はするものの、リサイクルできない自転車の処分費用もあり、区の財源が結果としてはマイナスになっています。

 ここで逆転の発想で、引き取り手のない自転車は、区の貴重な資源との考え方はできないでしょうか。


【問】引き取り手のない自転車を無償で譲り渡すのではなく、入札により業者に販売したり、格安で区民向けに販売したり、一部をNPOや公益活動をしている団体に譲り渡す、また、恵まれない発展途上国への寄付など、区のPR活動の素材や区の財政に少しでも寄与するような利用の仕方は出来ないでしょうか? 区の見解をお伺いします。

<都市建設部長>
 次に、放置自転車のリサイクルについてお答えいたします。
 現在、東京都自転車商協同組合足立支部と区との協定により、年間約2000台のリサイクル自転車を提供しています。協定では、自転車商協同組合が区内の障がい者団体に自転車の清掃を1台1500円で委託しており、障がい者の自立支援に寄与していることから、この事業を引き続き実施してまいります。
 その上で、さらに余剰の自転車について、少しでも収入を確保するため、来年度から入札による販売の実施に向け、すでに準備を進めております。

 次に、発展途上国への寄付についてですが、一定の負担を伴うことと、区内でのリサイクル自転車の需要が多いことから、区内での活用を優先させていただきたいと考えております。