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文教委員会 行政視察②:熊本県熊本市

 2日目は熊本市の不登校児童・生徒への相談相手をする「ユア・フレンド事業」について視察をしてきました。
 今回は、その内容をご紹介いたします。


 平成13年に全国で不登校児童の生徒の人数が約13万人を超え深刻な状況になったのを受け、平成14年2月に熊本市教育委員会と熊本大学教育学部が協定を結び、学部の学生が各小中学校を通じて、熊本市内の不登校児らの家庭などを訪問しています。

 先生でもなく、家族でもない熊本大学教育学部の学生をお姉さんお兄さんとして派遣し、心の居場所、よりどころとしての存在を提供しています。
 ユア・フレンド事業は、2002年度にスタートし、現在10年目ですが、意義のある事業として存続しています。

 学生たちのお話もビデオで拝見しましたが、皆さんが異口同音に、学校や学級に復帰させることが目的ではなく、不登校などの児童生徒のために、家庭や学校を訪問し、話し相手、相談相手、遊び相手になってもらうことが狙いとの話でした。

 平日の午前9時から午後6時までとし、大学生が学校の先生や保護者などと連携を取りながら、児童生徒との話や遊びなどの活動を通して関わっていきます。
 1回の活動時間は2時間程度で、1週間に1回程度行っているそうです。

 全国的にもこのような事業は珍しく、事業の成果が大学から評価をされ、この活動をすることで、学生が単位を取得できるようなシステムにもなったそうです。


 この事業の実績として、過去に派遣された児童生徒の変容から見ると80%以上の児童生徒に成果が見られるようになっているそうです。
 登録学生はやはり女子が多く、男子が少ないため、特に中学生の男子生徒への派遣に難しさがあるようでした。
 男子学生の確保の課題がありますが、取り組みの内容、やり方、成果など全体的にみてかなりよい事業であると感じました。


 私も以前に足立区にある大学(開校予定も含めて)との協働事業を提案したことがあります。
(詳しくは、2008年11月19日の記事をご覧ください)

 具体的には、放課後子ども教室や学童保育などに、たとえば東京未来大学で保育を学ぶ学生にスタッフとして協力してもらったり、東京芸術大学や東京電機大学の学生さんに出前授業などを行ってもらえないかということを考え、行政の方にも提案しています。
 特に大学で保育を学ぶ学生にとっては、実際に小さな子どもに接することで、大学での専攻にも役に立つこともあるのではないかと思います。

 足立区の行政、民間企業、大学、そして区民の皆さんが一緒になって、それぞれの力をお互いに未来を担う子ども達を一緒に育てていくという環境ができればと考えています。


 今回、伊丹市と熊本市の取り組みを視察いたしましたが、どちらも本当にすばらしい取り組みだと感じました。
 今後の足立区の取り組みを考えるときに、参考にさせていただきたいと思います。

 最後になりましたが、伊丹市、熊本市の職員の皆様、丁寧なご説明、まことにありがとうございました。
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熊本市議会の前で。


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役所の方からご説明を聞いています。