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三重県庁 視察② ユニバーサルデザインの街づくり

 引き続き、視察の報告です。
 三重県庁では、「議会基本条例」についてのお話の他に、三重県が進める「ユニバーサルデザインの街づくり」についてお話を伺ってきました。


 私がカラーユニバーサルデザインを議会で提案するにあたり、さまざまな調査・研究をしていた頃、三重県がいち早く色弱模擬体験フィルタの「バリアントール」を三重県庁内24の部署に配備(70万円の予算を組んだそうです)したとの記事を新聞で読み、一度お話を伺ってみたいと思っていました。

 平成19年7月に、これまであった「三重県バリアフリーの街づくり推進条例」から「あらかじめ」「多様な人々が利用しやすい」というユニバーサルデザインの視点にたった街づくりを取り組むことを目指し「三重県ユニバーサルデザインの街づくり推進条例」が制定されました。

 その中には「誰もが使いやすい製品、良質なサービス及び、分かり易い情報が全ての県民に提供されるよう事業者等への支援等を推進する事」という基本方針が盛り込まれ、この一環として「カラーユニバーサルデザイン」の取り組みも始まったそうです。


 カラーユニバーサルデザインへの取り組みは、平成19年度に三重県が作成しているカラー印刷物など(ポスター、チラシ、冊子、パンフレット、のぼり、啓発物など)189件について色弱模擬フィルタ「バリアントール」を使用して一斉チェックをしたそうです。

 三重県庁内でカラーユニバーサルデザインを取り入れていくうえで苦労したことはやはり、職員に理解をしてもらうことが大変だったとのお話で、当初から積極的に研修会を実施されていたそうです。

 これまでに、
  ・バリアントールを用いたチェック
  ・シミュレーションソフトを使ったチェック
  ・カラーも含め、ユニバーサルデザインに関する職員研修会
  ・印刷物におけるユニバーサルデザインへの配慮についての通知の発信

など、平成14年から現在まで、継続して取り組みが進められています。

 北川正恭氏が三重県知事だった際には、ユニバーサルデザイン課ができ(現在、ユニバーサルデザインのまちづくり推進本部)、その後も県のUD文化の定着を目指しているそうです。


 大和市の視察でも感じたことですが、職員一人一人の意識を高め、できるところから行っていくこと(公共整備基準に明記し、公共施設のUD化を進めていくこと)、また、条例を通じて広く市民への意識啓発(養成講座で育成)を行っていくことも必要であり、一過性のものにならずに継続していくためにハード・ソフト面の両面で体制を整えていくことが重要であると痛切に感じました。

 足立区でも今の取り組みが継続していくよう、またさらにより一層進んでいくよう、今後も専門家や当事者の皆様のお話を聞きながら、職員の皆様と一緒に取り組んでいきたいと思います。


 三重県庁では、「議会基本条例」と「ユニバーサルデザイン」の2つのテーマをお話しをお伺いすることができました。
 長時間にわたり、丁寧なご案内・ご説明をいただきました皆様、本当にありがとうございました。