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東京足立病院 「成人の発達障がい ディケア」の視察

今日はお昼頃から足立区保木間にある東京足立病院「成人の発達障がい ディケア」の視察をさせて頂きました。

成人期の発達障がい傾向のある方々5人と看護師と作業療法士でディアケアのグループ活動が行われました。年齢は20代から40代です。

グループ活動の中では、コミュニケーションのとり方や生活課題について議論が交わされました。予め、個々の社会性と行動の評価を出しており、それを基にして進められます。

 長期目標、短期目標を定め、出来たことや今後の課題などを話し合いました。

目標設定は就労だったり、単身生活の身の回りの内容に至ることまで、様々でした。

やはり皆さん、自分の感情のコントロールや表現方法を見につけることが苦手なようです。ある方は、頭がぐるぐるしやすい(自分のことで頭がいっぱいいっぱいになってしまう)という悩みがあり、病院で診断をしてもらった事や、小さい頃から自閉症気味だったことで困り感があり、こちらの病院につながったという経緯をお聞きしました。

当事者である皆さんは、自分の困り感をしっかりと受け止め、病院に相談し、ディケアに通うことで、自分が抱えている困り感を一つずつ克服しようと懸命に努力を重ねていらっしゃいました。

また、自分の気持ちをノートにしたため、自分の感情を理解し、まとめる作業をしているそうです。自分の気持ちを整理するためにも、ノートに記述することは大変有効的です。

実は私も、日頃から自分の気持ちを大学ノートにしたためています。

自分の日ごろの気持ちをノートに書き込み、書く作業を行うことで、気持ちがすっきりし、自分を振り返ることができます。冷静に物事を見つめることができるようにもなります。

発達障がい傾向という困難を抱えていても、今日、参加をされていた皆さんは、しっかりと自分と向き合い、抱えている困難をクリアーして行こうという意欲があります。発達障がいを色眼鏡で見ずに、その特性が理解できる世の中を作っていくことも大切だと思いました。

また、障害を持っているから守ってあげなくてはいけないという考え方が間違っていることに気付かされました。

普通と違う特性があっても、家族がその特性をフォローするのではなく、表現の仕方が間違っているのであれば、当事者にそれが間違っていることを指摘する強さを持たなくてはいけないと看護師や作業療法士の専門家からご指摘を受けました。

家族が言っても聞かない場合には、当事者におかしいことはおかしいといえる人が必要との話もありました。それが血のつながった身内だったり、親友であったり、職場の人間が中に入り、当事者に指摘をし、本人に気付きを与えることが重要だそうです。この話は、以前にも発達障がいについてお話をお聞きした専門の病院の医師からも同じことを言われました。

また、それでも当事者が困り感を持たなければ何も変わりようがないので、困り感を持たせる強さを家族や周りの人間が持ち合わせないといけないそうです。

当事者にそれを仕向けることが重要なポイントであるとの話でした。

気付きのある本人が積極的にディケアに通うことは、先が明るいとみてよいと感じます。

しかし、当の本人が気付かない、気付きたくもない状況である場合には、その当事者を抱える家族のマンパワーは計り知れないものがあります。

成人期まで達した場合の発達障がいの支援は、研究すればするほど、奥が深く、病院だけの力では足りません。国が支援体制を明確化し、行政が中心となり支援策を構築していくこと、さらにその支援を行う人材を育成し、支援の中身を充実させていかなくては家族までの支援に繋がってこないと感じた次第です。