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第5回 授業のユニバーサルデザイン研究会 全国大会①

今日は筑波大学附属小学校で行われた、第5回 授業のユニバーサルデザイン研究会 全国大会に参加をしてきました。テーマは「授業のユニバーサルデザイン研究の進め方~校内研修・授業研究」です。

今日の企画シンポジウムでは、日ごろからお世話になっている明星大学心理学の准教授 小貫悟先生もパネラーとして参加をされました。また日野市立第3小学校の校長や私が以前、視察をさせていただいた筑波大学附属小学校の桂聖先生(担当教科 国語)もシンポジウムのパネラーの一人です。

実は以前、筑波大学附属小学校の桂聖先生とは同校でお会いし、現場のユニバーサルデザインの取り組みについてお話を伺っています(大変実力のある先生です)。また、日野市の小中学校では特別支援教育の視点を交えたユニバーサルデザインの教育がなされています。

今日はこのユニバーサルデザイン研究会に約1000名弱の教員が全国から集まりました。会場内は撮影禁止なので写真はありませんが、若い教師で埋め尽くされていました。またもちろん、筑波大学附属小学校の教員関係者も多々出席しているのが見受けられました。全国から同じ想いでいる教師が一堂に会し、このような場に集まり、現場で実践をしようと試みています。

この日は、筑波大学附属小学校に通う2年生方が模擬授業をしてくれました。まず教師が「今日は、何月何日かな?」「手を上げて~」から始まり、「手を上げない子も正直で立派でした。」との手を上げない子供に対しての優しい言葉がけもあり、授業の隅々まで、一人残らず子供を引き付ける・結びつける・方向付ける授業を見事に展開されました。内容は算数で、黒板にお手製の絵やドットを使用し、視覚化を用いた授業でした。ここで工夫をされているのは「ただ見せる」だけではなく「見たい」と思わせる「見せる演出」を行い、その絵柄を「神経衰弱ゲームのやり方」で隠し、子供たちの注意を引き付ける授業を行い、子供たちのモチベーションが高まる工夫をしていました。

このやり方は、子供たちの気持ちを同じ方向性に向かわせるために、子供たちが「え~そんなの無理」と言っている間にスタートラインを揃える手法です。授業中には、ペアで学習し話し合わせることで、一人で考えるよりも多くの情報を獲得できるよう「学びあう雰囲気づくり」を心がけています。また、わかる・わからない・できる・できないに正直になれるクラス作りを築いていました。

桂聖先生がおっしゃていました。

「教師は授業で勝負する」

勝負の相手はほかの教師ではなく、目の前にいる子供たちだと。授業のユニバーサルデザインとは、全員が楽しく「わかる・できる」ように、授業で子供と勝負することである。「国語が苦手なあの子に手を上げて発表してほしい」という願いを込めて指導を工夫する。それが結果として、ほかの子供たちに役立つこともある。しかし、一方でそれでもあの子の活動が停滞するかもしれない。その場合に個別指導も想定しておく。授業のユニバーサルデザインは、決まった手法があるわけではなく、楽しくて「わかる・できる」ために、教師が集団や個に対するオーダーメイドの工夫や配慮をする。それができなければ子供たちには「負け」である。

「子供は絶対変わる!」

「絶対教師は変わる!」

とおっしゃていました。日野市第3小学校の校長先生も同じことをおっしゃっていました。

「教師は授業研究で絶対に変わる!」

と力説されてました。

私の伯母も長年公立中学校の英語の教師を定年退職までしていました。仕事をされていた頃のことを聞いてみると、クラスの子供たちの学力は様々だけれども、どのようにしたらすべての子供たちが理解でき、わかる授業ができるのか、常に心を砕きながら自分なりの手法を見つけ出し、それを実践し、クラス全体の理解力が上がるようにいつも配慮していたそうです。

全国にいるどの学校の先生も、クラス全体が理解できる授業を常に心がけていると思います。

それが教師の意識として強化される仕組みを構築することが、今求められています。

通常学級の中には6.5%もの子供たちが発達障害傾向があると文科省は試算しています(発達障害の中には学習障害LDや自閉症スペクトラムや注意欠陥・多動性障害などがあります)。

発達障害がある子はもとより、すべての子供たちにとって優しい学習の環境づくりが重要です。

日野市や筑波大学附属小学校で心ある先生方で取り組みを進めているこのユニバーサルデザインの取り組みを、教科教育や特別支援教育の知見に学びながら、クラスにいる子供たち全員が活躍できる授業を展開する仕組みを全国規模で行う必要性・重要性を最も感じた研究会でした。

明日は朝の9時から16時まで筑波大学附属小学校であります。明日も朝から私はこの研究会に足を運び、しっかりと私自身も学び、足立区の教育に導入し、全ての子供たちが障害があるなしに関わらず自然に「わかる・できる授業」が身につく、そんな環境をつくれる土壌を構築していきたいと思います。

足立区の教育行政の皆様の協力が必要です。筑波大学附属小学校の桂聖先生曰く、足立区の教育行政に携わっている皆様に、「この研究会にぜひ足を運んでもらいたい」とおっしゃっていました。

私も足立区教育行政の担当者の皆様と力を合わせて、足立区の教育の質の向上に向け、全力を期したいと思います。