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足立区辰沼小学校 「通級児童対象の宿泊教室について」視察③

引き続き辰沼小学校の取り組みについての視察報告です。

今日は通級児童対象に行われている辰沼小学校での宿泊教室について視察に伺いました。
こちらがメインで視察にお伺いしたのですが、仲野校長先生の話を聞けば聞くほど、様々な取り組みを校長先生が熱心に行っており、大変中身の濃い視察となっています!

過日、知的障害を伴わない発達障害傾向にある児童に対する通級指導についての取り組みの視察を見学しに上沼田小学校へ伺いました(上沼田小学校の視察を参照)。現在、足立区内の通級指導をしている学校は3地区に分かれています。北は西保木間小学校、西は上沼田小学校、南が辰沼小学校です。週2回の通学となっており、低学年は親が送迎をしているそうです。東の位置である北千住地区に通級指導をしている学校がないのが難点です。

夏に行っているコミュニケーションの教室を親子交流会の活動として、辰沼小学校では、夏季休業中の7月の下旬、宿泊教室を実施しています。この事業は開かれた学校づくり協議会との共催で、4年生以上の通級児童を対象に避難訓練を兼ねた校内宿泊を行っています。ここでは、児童の生活様子をきめ細かく観察し、今後の指導に役立てることとしています。

2年前の3.11の東日本大震災の際の経験を基にして、避難による宿泊があった場合にも適切な行動ができるよう、児童たちが不安の軽減を図る取り組みを行っています。これは「開かれた学校づくり協議会」と検討し、今後発生する地震の際の対応に生かす取り組みの一つです。

これを行うことにより、災害時の宿泊を疑似体験し、教職員の危機管理の向上と児童の危機対応力を育成することに繋がるそうです。また、家族と離れた生活を児童が経験することにより、自立心を養う事にも繋がります。また、生活全般においても児童が自信を持って行動できるようになり、心身が鍛錬され、健全な集団生活の体得を図り、災害の際に児童が安心して宿泊できるマニュアル作りに生かすことができるそうです。

今年の宿泊参加者は13人。交流会に参加をしたのは、兄弟を含む子供が31人、保護者が37人だったそうです。
この事業の主旨はとてもよいものであると感じる次第です。是非、足立区全域で行えるよう拡充できないか検討の余地がある事業です。
参加費用は開かれた学校づくり協議会が負担(賄い代、レク代、保険代等)をしているそうです。通級児童以外の保険代100円は個人負担としています。

留意点としては以下の事が挙げられるとのお話しでした。
・災害時の想定した宿泊ではあるけれども、不安感が出ないようにレクを積極的に進める。
・教育課程外の事なので、全員に保険を掛ける。
・緊急対応に備えて、自動車を用意する。

発達障害傾向があり、人と接するのが苦手だったり、日常生活の中で、自分の思い通りにならないとパニックを起こしてしまいクールダウンが必要な何かしらの困り感を持っている子どもたちはたくさんいます。しかし、目に見える障害ではないために、自宅でそのような行動が出ていても学校ではそうでもなかったり、なかなかその障害特性を踏まえた個々の支援は構築されていません。その支援に乗らない、グレーゾーンの子ども達に対する配慮を行うことが私は必要であり、重要だと感じています。

この辰沼小学校での取り組み事例を一つのマニュアルとして、如何に足立区内の子ども達に還元できるか。
また更なる取り組みに発展させることで、全ての子ども達にとって万が一の震災の際には、安全策としての機能を完備させることができるのではないかと考えます。学校の体育館や公共施設を利用し、例えば、そのノウハウを蓄積しているNPO団体にこの事業を委託するなり、または、そこが中心となった取り組みを地域に還元して、地域主体で行えるように拡充はできないか?

本日は、仲野校長先生の素晴らしいお話をお聞きすることができ、大変貴重な視察をさせて頂きました。
大変、勉強になりました。ありがとうございます。

このような形で視察をすることで、様々な政策立案のヒントを頂いています。この内容を糧にしながら、さらなる政策を練っていきたいと思います。




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このお部屋で宿泊をされるそうです。また別室に畳の部屋もあり、そこでも宿泊をさせます。

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この辰沼小学校では、お風呂が完備されています。宿泊の場合には、このお風呂場を使用するそうです。