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代表質問の内容⑤【「河川の堤防決壊対策」について】

前回に引き続き、今回は「河川の堤防決壊対策」について行った代表質問をご紹介します。

台風18号の影響により、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊しました。足立区でも、堤防の低い地域などで氾濫する恐れが高まり、多くの区民が大きな不安を感じた豪雨となりました。荒川では水位が上がり、国交省の荒川の堤防決壊シミュレーションビデオを連想された区民の方も多かったのではないでしょうか。

被害を最小限に防ぐためにも、自治体が発令する「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」などの発令のタイミングが重要になってきます。今回の常総市も地区に避難指示を出したのは、決壊の18分後でした。このことからも、トップである首長判断が生死を分けます。

区として、避難指示の分かりやすく具体的な基準(数値)を策定するとともに、柔軟な運用が出来るよう、より具体的な発令基準の策定を求めました。また、要援護者や車などの移動手段を持ち合わせていない人達に対する垂直避難先として、区内の民間マンションの階段や踊り場、屋上などを開放してもらうよう働きかけることや、区外への緊急時の避難場所のさらなる確保を提案しました。

防災に対する平時からの備えを万全にし、いかにして「区民の皆さんの生命と財産を守れるか」これからも調査・研究をしながら、区民の皆さんの安全を確保できるよう、さらに勉強をし、提案をしていきたいと思います。

以下、代表質問の内容と、その答弁です。

 *****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

<長谷川たかこ>

今月、台風18号の影響により茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊しました。足立区では荒川、中川、綾瀬川などの河川に囲まれている中で、足立区から近い吉川市にある中川の吉川水位観測所では、氾濫危険水位4.2mの所4.48m、草加市にある綾瀬川の谷古宇水位観測所では氾濫危険水位3.5mの所、3.78mとそれぞれ超過し、区内でも堤防の低い地域などで氾濫する恐れも高まり、多くの区民が大きな不安を感じた豪雨となりました。

被害を最小限に防ぐためには、自治体が発令する「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」などの発令のタイミングが重要になってきます。平成16年の水害を受けて、内閣府では避難勧告などのガイドラインを作成し、各自治体に発令基準の策定を呼び掛けていますが、およそ4割の自治体で、具体的な基準が未策定です。足立区でも、川の水位はもちろんのこと、上流の降水量や上流の水位、過去のデータなどから、ある程度、危険な状態を数値化することが出来ると思います。

【問】

災害により混乱した状態や十分な人員が参集できない状況でも、遅滞なく判断が下せるよう、避難指示の分かりやすく具体的な基準(数値)を策定するとともに、柔軟な運用が出来るよう、より具体的な発令基準の策定を行うべきと考えますが、如何でしょうか。

【危機管理室長】

河川の堤防決壊対策についてお答えします。

先ず、避難準備情報等の発令については、地域防災計画の風水害編において、「河川が氾濫注意推移を突破し、洪水の恐れのある時」等の基準に基づいて判断することを定め、各河川の水位変化や、河川管理者からの情報に基づき的確に判断して参りました。しかし、昨今の気象や災害がこれまで経験していない事態となっており、避難情報等の発信・発令について早期化、詳細化を図る必要があることから今月17日に関係部署による水防対策会議を立ち上げ検討を始めました。当面は、次の台風に間に合うよう暫定的なものとなりますが、より具体的な基準と体制を定めます。

<長谷川たかこ>

【問】

すぐに避難を要する状況であっても、要援護者や車などの移動手段を持ち合わせていない人達に対し、身近な場所で安全に避難場所を確保する必要があります。帰宅困難者対策では民間と協定を数件結んでいますが、水害に対する協定は都営や公営住宅のみです。そこで、区内のマンションの階段や踊り場などを開放してもらい、緊急時の避難場所のさらなる確保に早急に努めて頂きたいと思いますが、区の見解を求めます。

【危機管理室長】

これまでに、都営住宅、都住宅供給公社、UR都市機構及び東京拘置所と、浸水しない階に避難する垂直避難についての協定・覚書を締結済みです。一方、民間マンションにつきましては、緊急避難場所として有効と考え検討して参りましたが、不特定多数の避難者を受け入れることに管理上の課題があり進んでいない状況です。

<長谷川たかこ>

【問】

次に、荒川堤防が決壊した際には、タイムラインを基に全区的に区外への避難とされていますが、その具体的な避難経路・避難場所が示されていません。地域ごとによる、具体的な避難経路・避難場所を示すことが必要です。周辺自治体との相互の避難方法や受入れ可能数の具体化を含めた広域避難について、周辺自治体とどのような協議を行っているのか、お答えください。

【危機管理室長】

周辺自治体との広域避難に関する協議状況についてお答えします。

現在、近接する台東区、北区、文京区及び川口市などとは、災害時総合応援協定の条項に避難所の利用についての定めがあります。

しかし、避難所の具体的な場所、受け入れ人数及び避難経路などの協議までは済んでおりません。区としては、都に対して都県間の調整を要望してきましたが、これも進んでいないことから、今後は、個別協定による調整を図っていきたいと考えております。

<長谷川たかこ>

【問】

荒川の堤防が決壊した際には、区民への迅速な避難が求められます。「避難準備情報」の時点で、すぐにでも区外へ避難してもらえるよう、日頃から避難誘導の強化のためにも「避難準備情報」の周知・啓発活動に努めることが重要です。区の見解を求めます。

【危機管理室長】

「避難準備情報」の周知につきましてはご質問の通り、人の命を左右する極めて重要な課題であると考えております。

住民への強制力の大きい順に定められている「避難指示」「避難勧告」「避難準備情報」については、足立区ホームページや足立区洪水ハザードマップなどに用語の意味を記載しておりますが、今後は分かりやすい標語や図示などを工夫して周知、啓発に努めて参ります。