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代表質問の内容⑭【「ユニバーサルデザインの教育」について】

前回に引き続き、今回は「ユニバーサルデザインの教育」について行った代表質問をご紹介します。

文部科学省が平成24年12月に公表した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」の報告によると、知的発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示す発達障がいと思われる状態の児童生徒の割合は、全体の6.5%です。

その内、授業時間内に個別の配慮・支援を受けている子供たちは45%、授業時間以外の配慮が26%、現在も過去も支援を受けていない子どもは39%にものぼり、この調査の考察には「学習面、行動面で困難を示す児童・生徒を取り出して支援をするのではなく、それらの児童・生徒が理解しやすい配慮した授業改善を行うことが大切である」との見解を示しています。

対象者は、全国では約61万人。足立区では、通常学級に在籍している発達障害傾向の児童・生徒の総数は約3000人です。このことからも、通常の学級には発達障がい等により特別な支援を必要とする子どもが含まれています。

通常の学級の担任の多くは、授業をどのように進めていけばよいのか悩んでいる現状があります。先進的に行われている日野市の小中学校でのユニバーサルデザインの取り組みを検証しながら、足立区でも、学校現場でチェックシートを活用し、具体的な実践方法を研究し構築して頂きたいと思います。

以下、代表質問の内容と、その答弁です。

 

*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

<長谷川たかこ>

以前から私は議会で、日野市の小中学校をモデルとした特別支援教育を視点としたユニバーサルデザインの教育を区として積極的に導入していただくよう政策提案をしていますが、先生方の障がい認識や授業形態の合理的配慮が、現在でも非常に乏しい状況です。

子ども達が徹底して落ち着ける環境を整備するためには、教師の関わり方だけでなく、環境要因の両面から考えていくことがとても重要となります。

学校生活の中での合理的配慮とは、通風、換気、室温、音などに配慮したり、教室の棚にカーテンなどの目隠しをして周りの刺激が入らないようにすることや見通しがもてるように子ども達に意識を促す取り組みやICT(情報通信技術)を活用し、視覚的にわかりやすく示すことです。

【問】

日野市で実施されている特別支援教育の視点を導入したユニバーサルデザインの授業を検証し、環境面での取り組みが特に手薄である「足立スタンダード」を改善し、特別支援教育の視点が導入されているユニバーサルデザインの取り組みを通常学級の中で早急に行って頂きたいと思いますが、区の見解を求めます。

また、ユニバーサルデザイチェックシートを使用し、各学校の特別支援教育の課題を明確化して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

【教育指導室長】

ユニバーサルデザインの教育について一括します。

ユニバーサルデザインの授業を先駆的に取り入れている学校や特別支援教育の実践研究校の成果などを検証し、通常学級に広げると共に、授業や教室環境をユニバーサルデザインの視点で見直していくチェックシートの作成も含めて研究を進め、必要に応じて教室環境の見直しを図って参ります。

<長谷川>

【問】

全小中学校の全教員に、発達障害の医学的知識や療育支援手法を学べる特別支援教育の研修を行って頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

【教育指導室長】

発達障がいの医学的知識や療育手法を学ぶ特別支援教育の教員研修につきましては、全校に配置されている特別支援教育コーディネーターの研修に加え、今後、全小学校に設置される特別支援教室担当教員に対する専門的な研修を計画して参ります。その上で、その内容を各校の校内研修などで共有化し、全教員が特別支援教育の重要性を理解するよう努めて参ります。