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文部科学省:発達障がい児・者の個別カルテ(個別支援計画シート)義務化へ

文部科学省は2020年から2022年に順次始まる小中高校の新学習指導要領で、小中高校に障がいのある子どもを小学校から高校まで一貫して支援し、進学や就労につなげるため、進学先に引き継げる「個別カルテ(仮称)」(個別支援計画シート)を作るよう、各校に義務づける方針を固めました。通常学級に通う比較的軽い発達障がい特性がある子供も対象となるそうです。

 以下、文部科学省の掲げる内容

<学校での個別カルテ(仮称)の作成と引継ぎ>

特別な支援を必要とする子供について、各発達段階を通じ、円滑な情報の共有、引継ぎがなされるよう、国は、乳幼児期から高等学校段階までの各学校等で個別の支援情報に関する資料(個別カルテ(仮称))を作成し、進級、進学、就労の際に、記載された情報の取扱いについて十分配慮した上で、その内容が適切に引き継がれる仕組みを整える。高等教育段階においても、個別カルテ(仮称)の作成・活用を推進する。特に、特別支援学級及び通級による指導の対象となる児童生徒については、個別カルテ(仮称)の作成を義務化する。

<各地方公共団体における一元的な体制の整備>

上記の個別カルテ(仮称)の有効活用も含め、乳幼児期から青年期まで継続的に発達支援・相談等を行う体制の整備を促すため、国は、各市区町村等において教育・福祉・医療・労働分野等の関係部局が連携した体制を整備することによって成果を上げている先進的な取組事例について情報提供するとともに、モデル事業の実施等を通じた支援を行う。

 

発達障がい児・者はコミュニケーションや注意・集中の困難さ、感覚の問題など、特有の困難を抱えています。乳幼児期から成人期にかけての全ライフステージを通して、個々の発達障がい特性に配慮した支援が行われることが必要です。そこで、私は足立区議会で何回もこの個別支援計画シート※を作るよう提案し、「早期支援」を行うことで途切れない支援を継続させることを求めてきました。

※個別支援計画シートには、子どもの障害や健康の状況、保護者と本人の希望や目標などが書くことができ、卒業後は進学先に渡してこれまでの子どもの状況を把握し、支援に繋げていくことができるようになっています。

 

もともと国では、0歳から18歳まで一貫した切れ目のない支援を行うために、個別支援計画シートを示していましたが、各自治体によってばらつきがあり、東京都はこの事業を積極的に進めていませんでした。従来では、小学校から中学や高校に引き継ぐかどうかは各校が独自に判断していたため、新しい学校に進学をしても障がいに応じた最適な指導方針が把握しきれておらず、一からその指導を模索することが試みられていました。進学し年齢が上がれば上がるほど、特に高校では適切な進路指導がしにくい状況になり、2次障害も併発し、より深刻な状況に陥っていたことも否めません。

 

今年になって、2016年度の東京都の予算案にようやく発達障がい教育の指導内容・方法の充実が掲げられるようになりました。そして今回、国で義務化となります。様々な生活場面で障がい特性を適切に理解してもらうためにも、個別支援計画シートを活用した取り組みを行い、今後は指導する側の立場の養成も強力に推し進めていきたいと思います。