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代表質問の内容⑩【「3歳児健診による視覚検査」について】

前回に引き続き、今回は「3歳児健診による視覚検査」について行った代表質問をご紹介します。

子どもの成長過程で見落とされている弱視の問題が全国的に相次いでいます。現在、多くの自治体で3歳児健診の視覚検査をアンケートと家庭での視力チェックという方法をとっており、2次検査で保健師や看護師(検査項目に×が多いと看護師)がチェックしています。過去に我が家の子ども達も健診の前に家庭でチェックをしましたが、3歳児になったばかりの子どもの視力検査を親が上手く行うことは困難です。親が自宅でカードを用いて行うことで、子どもの視力の異常を気付くことは大変難しいと言わざるを得ません。

この問題に取り掛かるようになり、最近、3歳児健診で見過ごされてしまい、わが子が弱視になってしまったというお子さん(すでに青年期に達している方々です)の話しを何人ものお母さんからお聞きするようになりました。

子どもの視力は1歳で0.2前後、4歳5歳で1.0に達するといわれており、ほぼ6歳児までに完成するとされています。視力の発達する6歳ぐらいまでの期間に、強い屈折異常(ピントが合っていない状態)などがあると、視力が悪い状態のまま発達が止まってしまいます。目を細めたりして見てわかる症状もありますが、症状が何もない場合も多く見受けられ、親も異常に気付かないそうです。

このことからも、一部の自治体では、幼児期に弱視を早期発見・治療できるよう3歳児健診の際に「オートレフ検査」という屈折異常を機器で測る検査を取り入れています。兵庫県下では明石市・加古川市・加古郡・姫路市などで実施されているそうです。

乳幼児の目の健康について、現在、区の指導はありません。そのため、親は知識がないまま異常に気付かずに気が付いたら手遅れになってしまっている現状があります。そこで、乳幼児の3・4ヶ月健診などで乳幼児の視覚の発達について小児の視機能管理を周知することや弱視の早期発見・早期治療を行うために、3歳児健診において「オートレフ検査」や視能訓練士・眼科医が視力を測る体制を早急に区で構築することが必要です。

今回の提案では終わらずに、引き続き、粘り強く今後も区の担当部署の方々と協議を重ねながら、この制度が構築するよう、積極的に区に働きかけていきたいと思います。

以下、代表質問の内容と、その答弁です。

*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

  1.  3歳児健診による視覚検査について

<長谷川たかこ>

全国的にも、3歳児健診の視覚検査で異常なしと言われた子ども達が小学校入学前後の健診で弱視が見つかるケースが相次いでいます。

現在、多くの自治体では、3歳児健診の視覚検査は、アンケートと家庭での視力チェックという方法がとられており、2次検査で保健師や看護師(検査項目×が多い看護師)がチェックしています。健診の前に家庭でチェックする場合、3歳児になったばかりの子どもの視力検査を親が上手にできない場合もあり、子どもの視力の異常を親が気付くことは困難です。

弱視の治療は3歳ごろから始めれば、ほとんどの子どもが治ります。3歳児健診で見過ごされると、次に視力をはかるのは就学児健診です。その時、子どもは6歳になっており、3歳児健診で異常を見落とされてしまうと、最大限の効果を得られる治療の機会を逃してしまうことになります。このようなことからも、眼の発達期間に行われる3歳児健診は、眼の発達を妨げる原因を早期に発見し、早期の治療につなげるために重要です。

鳥取県米子市では平成17年度より3歳児健診に視能訓練士の参加と屈折検査を導入し、港区でも平成26年度から視能訓練士による検査が行われています。

3歳児健診への視能訓練士参加と屈折検査導入の有用性を示すものとして鳥取大学医学部附属病院眼科の調査では、3歳児健診の際に、全幼児にドットカード視力検査とオートレフ検査を行った結果、視力値は良好であるが屈折値不良のため、要精査とした幼児の86%に弱視が検出されたと公表しています。また、日本小児眼科学会では、昨年8月に「2次検査においては、視能訓練士の参加が検出精度の更なる向上に寄与し、弱視の発見率が上がる」と発表しています。

【問】

乳幼児の目の健康について、親たちは知識が乏しいのが現状です。現在、区の指導はありません。区として、乳幼児の3・4ヶ月健診などで乳幼児の視覚の発達についての重要性を発信し、全ての子どもたちが正常な発達ができるよう小児の視機能管理にも尽力して頂きたいと思いますが、区の見解を伺います。

<衛生部長>

次に、乳幼児の視覚の発達に関する重要性の発信と視機能管理についてのご提案にお答え致します。区と致しましても、子どもの発達段階に応じた視覚に関する情報を提供することが、保護者への理解を深める面からも肝要であると考えております。この為、子どもの視力の発達上、検査が可能となる3歳児健診の際に、保護者の方々へ視力の発達に関する情報を提供しておりますが、引き続き適切な時期に情報を提供できるよう、パンフレットなどの内容を充実して参ります。なお、視機能管理に関しましては、実施内容や方法について、さらに調査をする必要がありますので、今後の研究課題とさせていただきます。

<長谷川たかこ>

【問】

弱視の早期発見・早期治療を行うためにも、3歳児健診において「オートレフ検査」や視能訓練士・眼科医が視力を測る体制を早急に足立区でも構築して頂きたいと強く要望しますが区の見解を伺います。

<衛生部長>

次に、3歳児健診において、「オートレフ検査」や視能訓練士が視力を測る体制の構築についてですが、ご要望の港区で視能訓練士が行っているレチノスコープ検査やオートレフ検査は、主には医療の範疇と認識しておりますので、スクリーニング検査に含めることは、保健と医療の役割分担の観点から慎重に対応すべきものと考えております。

<長谷川たかこ>

【問】

また、整備されるまでの間の即時対応として、3歳になったら眼科医でオートレフ検査を行うよう、保護者に呼びかけて頂きたいと思いますが区の見解を伺います。

<衛生部長>

次に、3歳児に眼科受診を勧奨するご提案についてですが、3歳児健診での視力検査で、要精密検査となった方には、眼科医の受診を勧奨しておりますが、今後は足立区医師会眼科医会と要経過観察の方に対しても対象とするべきか否かについて協議を行った上で対応して参ります。