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第15回永田町子ども未来会議「医療的ケア児」

6月6日、衆議院議員会館で行われた第15回「永田町子ども未来会議」に参加をしました。
超党派の国会議員、当事者の皆様、医師、内閣府や厚労省、文科省等の大勢の関係者が出席をしています。
また、今日はNHK、朝日新聞、毎日新聞の記者さんたちも同席されました。

ここでは、障害福祉サービス等の報酬改定についてや医療的ケア児者に必要な各種支援について、家族の要望する課題についてが話しあわれました。
一番興味深い内容は、前田浩利先生が示された学校での医療的ケア問題の解決に向けた課題です。
現在、足立区でも陳情が出ており、文教委員会でも議論が交わされています。

前田先生が指摘された点は以下の通りです。
【学校における医療的ケア児の問題】
・一部の地域(東京を含む)人工呼吸器を装着した子どもは学校への通学ができない(訪問学級になる)障害者差別禁止法に抵触しないか?
・医療的ケアのある子どもは通学のバスに乗れない。ヘルパーなどの移動支援も受けられないことも多く、通学は親の負担になる。しかし、痰の吸引が頻回な子どもを母親だけで送迎することは大変で危険。最も支援が必要な部分に支援が届いていない?
・長期間保護者が学校への滞在を要求される。人工呼吸器だと親が同じ教室にいることを要求され、全く離れられない地域もある。保護者の精神的負担、また社会参加の機会を奪うことになる?
・学校の看護師が、医療ケアをしないことでの保護者の負担の大きさ。特に人工呼吸器では顕著で、呼吸器をはずす、つけるなどのことさえ、学校の看護師はやらないことが多い。
東京の私の患者は、夏の体育のプールの授業で、看護師が4人見ている前で母が一人で人工呼吸器をはずしプールに入れ、バギングして、看護師は全く手伝わないという異様な事態が生まれている。
添付の宮城県で気管カニューレの事故抜去の際の看護師による再挿入は一切しない、再挿入の医師の指示も受けないと教育委員会が明言した問題も同様。

【背景にある問題】
・各都道府県の医療的ケア委員会のあり方。議論のプロセスが不透明で、医学的あるいは社会的な妥当性が保たれているか疑問。
・学校での看護師の管理。看護師を医学的、社会的な面から妥当な仕事をしているか評価し、管理する仕組みが必要。
・医学管理の責任が医師に帰着する仕組みの未整備。現在は、校長が学校での医療ケアの責任者と言われる。校長が医学的、医療的問題の責任者としてふさわしいのか?

医療的ケアという言葉は少しずつ世論によって広まってきましたが、その定義は今現在でも不明確となっています。
現行の重症心身障害(重度の肢体不自由と知的障害の重複で、福祉サービスにおいて特別な加算の対象となる状態)の判定では医療的ケアを的確に捉えることができない状態です。

今後も、このような現状を踏まえながら、運動機能を考慮しない「医療的ケア」の定義(判定基準)を早急に設定しながら、医療的ケア判定方法を国から地方公共団体へ通知して全国展開をする必要があります。今後、様々な立場の家族の声を聴きながら、実態にあった国の支援を作ること、そしてそれを自治体に落としていく作業をしていかなくてはなりません。

この会議を通して、さらに研究を深め、足立区での支援体制につなげていきたいと思います。

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衆議院議員第1議員会館の会議室で「永田町子ども未来会議」が行われています。