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平成30年3月6日予算特別委員会の内容④【ユニバーサルデザインの教育について】

先生方の障がい認識や授業形態の合理的配慮が、現在でも非常に乏しい状況です。

子ども達が徹底して落ち着ける環境を整備するためには、教師の関わり方だけでなく、環境要因の両面から考えていくことがとても重要となります。

学校生活の中での合理的配慮とは、通風、換気、室温、音などに配慮したり、教室の棚にカーテンなどの目隠しをして周りの刺激が入らないようにすることや見通しがもてるように子ども達に意識を促す取り組みやICT(情報通信技術)を活用し、視覚的にわかりやすく示すことです。

また、特別支援教育を必要とする児童・生徒が通常学級の中にたくさん在籍している中で、必要な人員配置が追いついていません。それに対応できる、教職員等の専門性の確保・向上が必要です。

インクルーシブ教育を構築するためにも、その教育環境整備を行い、教職員の職務環境の改善、財政的支援等を強く求めていきたいと思います。

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

☆「ユニバーサルデザインの教育」について

<長谷川たかこ委員>

ユニバーサルデザインの教育についてお伺いしたいと思います。

文部科学省が公表した通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に関する全国実態調査では、知的発達には遅れはないものの、学習面や行動面で著しい困難を示す発達障がいと思われる状態の児童・生徒の割合は、全体の6.5%と指摘されました。そのうち、授業時間内に個別の配慮、支援を受けている子どもたちは45%、授業時間以外の配慮が26%、現在も過去も支援を受けていない子どもは39%にも上り、この調査の考察には、学習面、行動面で困難を示す児童・生徒を取り出して支援をするのではなく、それらの児童・生徒が理解しやすい配慮した授業改善を行うことが大切である、つまり、通級の中での特別支援教育の大切さの見解を示しています。

発達障がい特性が強くても、診断名が付かない人たちがいます。そのようなボーダーラインにいる児童・生徒に対応するには、通常学級の教員に、発達障がいを理解してもらうことが必要です。発達障がいの対応としては、できるだけ早く気付いて、早く対応することです。しかし一方で、子どもが小さければ小さいほど、保護者は自分の子どもが発達障がいとされることを嫌がり、なかなか受容してもらえません。全国的に見て、5歳児健診が必ずしもうまくいっていないことと関連しており、早期診断、早期治療、早期発見、早期療育も保護者が希望しなければできない状況となっています。

もう一つ欠けているのは、もう成人になってしまった発達障がいの支援です。

圧倒的に多いのは、発達障がいの特性は強いけれども、診断されていない人が多いという現状があります。ぎりぎりのボーダーラインにいる人たちで、気付かないまま成人になってしまった人については、現在でも支援が得られていません。成人の場合は、当事者が困っていることが前提になり、当事者の困り感に合った対応を用意する必要があります。発達障がいは、幼少期からその特性が顕著に見えるため、子どもの先進医療だけが扱っていましたが、そもそも成人期に至るまでにその特性が薄れてくると認識されていたために、成人の以前診療では認知されていませんでした。

まず足立区の小・中学校での発達障がい特性がある子どもたちの支援について質問をさせていただきます。

対象者は、全国では約61万人、足立区では通常学級の中に在籍している発達障がい傾向の児童・生徒が6.5%在籍しており、通常の学級には発達障がいなどにより、特別な支援を必要とする子どもが含まれています。通常の学級の担任の多くは、授業をどのように進めていけば良いのか悩んでいる現状があります。先進的に行われている日野市の小・中学校でのユニバーサルデザインの取り組みを是非とも検証しながら、足立区でも、学校現場でチェックシートを活用して、具体的な実践方法を研究し、構築していただきたいと思います。先生方の障がい認識や授業形態の合理的配慮が、現在でも非常に乏しい状況です。子どもたちが徹底して落ちつける環境を整備するためには、教師の関わり方だけでなく、各環境要因の両面から考えていくことがとても重要となります。既に、発達障がいについても、どのような配慮が必要であるかは、私が提案をさせていただいてから5年近くたっており、既にお気付きになられていることと思います。学校生活の中での合理的配慮とは、通風、換気、室温、音などに配慮したり、教室の棚にカーテンなどの目隠しをして、周りの刺激が入らないようにすることや、見通しが持てるように、子どもたちに意識を促す取り組みや、ICTを活用して、視覚的にわかりやすく示すことです。環境面での取り組みが特に手薄である足立スタンダードを改善していただき、特別支援教育の視点が導入されているユニバーサルデザインの環境的な配慮を、通常学級の中で早急に行っていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

【教育指導課長】

現在、足立スタンダードのほうを全学校で進めているところでございます。その中には、教科においてばらつきはあるものの、ユニバーサルデザインの視点は取り入れているものと認識はしていますが、やはり定着度につきましても、まだまだやはり各校のばらつきがあるというのが状況でございます。

私も長谷川委員のご指摘と同じ認識を持っておりますので、その認識を全学校に更に広めてまいりたいと考えております。

<長谷川たかこ委員>

指導室長から心強いお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。

その際には、ユニバーサルデザインのチェックシート、これは日野市も使っています、そういうものをしっかりと活用しながら、各学校の通常学級の中で、特別支援教育の課題を明確化していただき、合理的配慮、環境整備を最優先にやっていただきたいと思います。

是非とも宜しくお願いいたします。

また全小・中学校の全教員に、発達障がいの医学的知識や療育支援手法を学べる特別支援教育の研修を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

<教育指導課長>

平成28年度より、本区においては、東京都の特別支援教育第三次計画を受け、特別支援教室の配置を進めてまいりましたが、平成30年度、来年度で全小学校にまず配置終わります。中学校に関しましては今後検討してまいりますが、まずは小学校の全先生から、特別支援教室の先生が、今、全小学校の先生に張られることになりますので、そちらの先生を中心に、長谷川委員のご提案のございました医学的認知や療育的手法なども含めた研修を取り入れて、現在も含めてはいるのですが、まだまだ周知徹底には至っていないというのが現状であります。引き続き充実を図ってまいりたいと考えております。

<長谷川たかこ委員>

期待したいと思いますので、早急によろしくお願いいたします。