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 NPO法人中国帰国者・日中友好の会 通所・訪問介護の事業所「一笑苑」開所式

2月21日、NPO中国帰国者・日中友好の会が江戸川区平井に設立した通所・訪問介護の事業所「一笑苑」の開所式に参加しました。

この介護事業所のスタッフは皆さん、中国語ができる帰国者2世、3世の方々です。NPO中国帰国者・日中友好の会の代表でもある池田さんから、「帰国者の皆さんが高齢化する中で、老齢年金の満額支給や支援給付金の支給などにより経済的には対策がとられるようになったとはいえ、生活は安定したけれども、日本語が十分話せないことによる医療・介護での意思疎通や老人ホームでの孤独といった不安が増している」との話がありました。また、通常の介護事業所に通っていた御婦人が、このような問題で孤立をし、精神的な面も含め体調が悪く、歩行困難な状況だったのが、この介護施設に通うようになってから歩けるようにもなり、すこぶる元気になったとのご報告を直接ご本人から頂きました。

中国残留帰国者の2世、3世の介護の現場での就労については、2009年の本会議場で、私からの質問をさせて頂いております。そこでの区の回答は、当時の福祉部長が答えており、「中国残留帰国者の多くの方は、子どもを連れて帰国している方が多いため、この2世、3世の方が、介護の現場で就労されることは、1世の中国残留帰国者の方を支える重要な施策であると考えております。長年、習慣の違う社会で生活をされてきた中国残留帰国者の方の介護サービス等の申請支援や中国の習慣等を十分に理解した介護者の育成等が必要と認識しており、可能な限り取り組んでまいります。」とのこと。

中国残留帰国者の高齢化に伴う医療・介護の問題はまさに喫緊の課題です。
足立区においては、全国的に見ても中国残留帰国者が多く居住し1位2位を争う人数がいる自治体です。にもかかわらず、中国語ができる通所のディサービスが一つもありません。

来年度、足立区では『区内介護サービス事業所等の人材確保と育成を図るため、事業所を通して介護職員初任者研修受講費を助成する制度』を設けることになっています。そこで、中国残留帰国者支援の一つとして、新たな施策を盛り込んでいきたいと私は考えています。 全国的にも中国残留帰国者の人数が多い足立区として、現在、帰国者の高齢化に伴い、医療だけでは限界があり、介護の必要性が問われています。日本語ができない、日本の施設になじめない中国残留帰国者の皆様が多くいる中で、中国語、中国文化、残留帰国者の境遇に理解のある2世、3世の方々の協力が求められます。事業所に中国残留帰国者についての理解を求める周知啓発を行い、帰国者2世3世の就労につながる働きかけをするよう区に働きかけていきたいと思います。

中国残留帰国者は今後、ますます高齢化が進み、介護が必要となってくる世代が増えてきます。厚労省の調査でも、言葉・生活習慣の違いから、住居・就労・医療・日本語取得など、さまざまな課題を抱えながら生活をしているとの見解です。

中国残留帰国者問題は、生活習慣や言葉の問題、生きがいや精神的な豊かさの問題、地域との相互理解です。

医療・介護において中国帰国者のみならず、「在日外国人」の高齢者が安心して医療・介護サービスを受けられるように「多民族・多文化・多言語」共生社会を支える、異文化に通用する「多文化医療 &介護・社会福祉専門要員」の養成を強く求め、「足立区で生活する全ての人が安心して暮らせる、やさしい街づくり」を目指して、全力で取り組んでいきたいと思います。

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江戸川区平井に設立した通所・訪問介護の事業所「一笑苑」の開所式。

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マスコミの取材もありました。