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足立区議会『議会改革を全力で推し進める会』の会派視察③ 超高齢化 熱海の福祉について

熱海市では高齢者問題が喫緊の課題です。
世帯で見ると、高齢者のいる世帯(12218世帯)は総世帯(21496)の57%を占めています。中でも、高齢者一人暮らし世帯の割合が非常に高いことが熱海市の特徴となっています。このように国全体(12%強)で比べても高齢者の独居割合が高い状況となっています。

課題としては以下の内容が挙げられるそうです。
・独居の方の「閉じこもり問題」
・買い物、ごみ出し、掃除などの家事支援
・自宅で暮らし続けるための医療、介護
・親族の無い方の財産管理、死後のこと

超高齢化社会で尊厳ある老後を送るには、「地域」や「在宅」を中心に福祉を展開する必要があるため、生活習慣病との共存や「QRL」を高める医療が必要であるとのお話がありました。在宅生活を支える医療介護連携や住み慣れた環境で穏やかな最期を構築していくか。

これからの福祉を考えるうえで、主体的な介護予防と地域住民との支え合い、コミュニティをどのように図っていくかがキーになっていくそうです。

熱海市として行ってきた「運動教室」「脳トレ体操」「栄養教室」などの介護予防にも取り組んでこられてきたそうですが、健康に関心の強い一部の方しか参加をしないことや頻度にも限りがある為、健康に関心の薄い方々をどのように巻き込めるか?課題だったそうですが、日常の近い場所でも健康づくりができるようにと市民ボランティアの方がご自宅の一部を改装した地域サロンが開放され、市役所や専門職員が「通いの場」に出向き、介護予防事業を地域で展開する取り組みを始められたそうです。

このことにより、閉じこもりや健康に課題を抱える高齢者を把握することができたとのこと。現在では、「通いの場」につなげるなどのアウトリーチ支援を市として積極的に行っているそうです。

熱海は交通過疎地が点在しています。
移動販売や宅配サービスを行う中で、巡回バスを4路線作ったそうですが、ニーズが合わず(例えば、スーパーに行くにしても、ストレートにその箇所に行くのではなく、回り道をするため行くまでにとても時間がかかってしまう等)、タクシー券が欲しいという話しが多かったそうです。

自治体が取組む施策が上滑りしてしまい、直接的なニーズが合わないことも多々あるようです。課題整理を行いながらも高齢化社会にあった的確な施策を今後も打ち出していくことは、足立区も同じ状況です。

熱海市では終活ノート(エンディングノート)として「だいたいノート」を作成。
病気や死去など万が一のことが起きた時に、家族や大切な友人に伝えたいことを書くノートです。自身の情報や緊急時の連絡先、介護や終末期医療の希望、葬儀、お墓の希望、遺言などに関する希望を元気なうちからノートに書き記し、ひとりでも書ける工夫をし、老後の安心に役立ててもらっているそうです。市役所長寿支援室と南熱海、泉の両支所で65歳以上の希望者に配布しているそうです。

単身高齢者の中には「終末期医療のこと」や「葬儀、お墓のこと」「財産のこと」など、自らの死後に対しての不安を関している方々が多くいるのが現状です。

穏やかな老後を過ごすためにも、いわゆる「終活」についても、行政が支援していくことが必要であることを痛感いたしました。

今回、6時間にも及ぶ熱海市の行政視察をさせて頂きました。
熱海市長 斉藤栄さんはじめ、市役所の皆様には大変お世話になりました。
初の栄えある会派行政視察を熱海市で行えて、とてもうれしく存じます。

熱海市長 斉藤栄さんを心から応援しながら、足立区でも熱海市の取組みをしっかりとお手本としながら導入していきたいと思います。

本当にありがとうございました。

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高齢者問題についての資料

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熱海市では終活ノート(エンディングノート)として「だいたいノート」を作成。