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成果報告;代表質問内容⑤【発達障がい児の支援/ユニバーサルデザインの教育について】

区民の保護者の皆さんが口々におっしゃられるのは、小中学校の現場で、校長はじめ担任の先生方が、我が子の特性を理解せず、適切な指導を子どもにして下さらないというものです。

足立区が示した資料によると、区民からの発達相談件数は、平成29年度は1005件のところ平成30年度は1258件と250件増えています。一方、小学校の特別支援教室の利用児童数は平成29年度1033人、平成30年度が1684人というところで、651人増えています。さらに足立区の不登校数の過去10年間の経年変化では、平成17年度小中学生の不登校者数が436名(小学生91名、中学生345名)に対し、平成28年度では1078人(小学生265名、中学生813名)と過去最多になっています。

文部科学省の報告では、知的発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示す発達障がいと思われる状態の児童生徒の割合は全体の6.5%という見解を示しています。つまり、40人学級では2~3人、30人学級では1~2人在籍している可能性があり、特別な教育的支援を必要とする児童生徒が「どの学級にも在籍している可能性がある」という意識を強くもつことが必要です。

常々、本会議や委員会、そして改選後に請願書を提出し、議会でお示しをしている最中ですが、やっと教育委員会がご理解を示して下さり、今回、10月より外部委員を加えて『特別支援教育検討委員会』を立ち上げることとなりました。研修内容の見直し、指導法、環境などの課題解決に向けた検討を始めてくださるそうです。

私は、この6年前に全国を調査研究してきた中で、ユニバーサルデザインの教育を導入している日野市を参考とした学校教育改革を強力に推し進める政策提案をし、今やっと『足立区版ユニバーサルデザインの教育』がこれからという段階となりました。今後も議会で進捗状況を見守りながら、しっかりと更なる提言をして、『足立区版ユニバーサルデザインの教育』を全力で構築していきたいと思います!

 

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

 

☆【発達障がい児の支援/ユニバーサルデザインの教育について】
<長谷川たかこ>
発達障がい児の支援/ユニバーサルデザインの教育について伺います。
足立区では、平成28年度より順次各小学校に特別支援教室が設置され、発達支援が必要な児童が、原則として通常の学級に在籍しながら、必要な時間に特別な指導を受けることができます。小学校においては平成30年度までに全校に教室を設置済みです。中学校においても、特別支援教室が開設され今年は12校、令和2年度中には全校設置の予定です。
このように、小学校では全ての学校で特別支援教室も設置され、中学校にも全校設置の予定とのことで、発達障がい特性のある子どもたちが小中学校で適切な指導を受けているかのごとく感じますが、現実は違います。沢山の保護者から、わが子が適切な指導を学校から受けることが出来ず、継続的ないじめを受けていたり、学習が定着せずに様々な問題を抱え不登校になっていると重篤な案件の区民相談が今でもひっきりなしに入ります。

発達障がい特性のある児童・生徒への指導の充実はまだまだ乏しい状況です。現状では、区としては学校管理職・教員を対象とした研修を行っているようですが、これだけの相談件数と沢山の保護者からの重篤なご相談を私自身がお聞きするに及び、研修とは名ばかりになってしまっているのではないか。特性のある子ども達に対する特別な支援を要する必要性について、教員たちの意識が希薄であると言ってよい状況ではないのかと思わざるを得ない状況です。現場に長年いらした教員から話をお聞きすると、学校現場では専門性を持った教員がいても、相談や連携は取っても全教員に啓発するところまでは至っておらず、教員は日々の業務で忙しく、個々の教員が直面しないと意識的に学んだり、対処する技術を身に着けることが出来ない状況とのことです。

【問】
その為、教員の知識とスキルを高めることが重要です。教員自身の意識改革と、より高度な専門性を身につける必要性があるため、研修システムなどが大変重要となってきます。
ユニバーサルデザインの教育を導入している日野市を参考とした学校教育改革をぜひ強力に推し進め、年次計画で着実にその取り組みを多くの区民にもわかるようにお示しし、足立区版ユニバーサルデザインの教育を教育委員会が旗頭となり、全力で構築して頂きたいと思いますが、区の見解を求めます。

<こども支援センターげんき所長>
足立区版ユニバーサルデザインの教育の構築についてお答えいたします。
足立区では、特別支援教室の小・中学校全校配置に伴い、教員向け研修などに取組んで参りましたが、ユニバーサルデザインの視点を持った学校教育の構築については、十分ではないと考えております。
そのため、本年10月から外部委員を加えた特別支援教育検討委員会を立ち上げ、研修内容の見直し、指導法、環境などの課題解決に向けた検討を始めます。
今後は、他の先進区市町村地域の取組み、特に日野市の取組みなどを参考にしながら、年次計画を作成し、足立区版ユニバーサルデザインの教育を構築して参ります。

【問】
 また、これらの取り組みを行うにあたって、教員がどれだけ意識が変わったかという観点での指標が必要です。まずは現段階での教員に対するアンケートを実施し、発達障がい特性を持った児童・生徒に関する意識調査を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。

<こども支援センターげんき所長>
次に教員に対するアンケート調査については、特別支援教育検討委員会にて、指標を踏まえて質問内容を十分検討し、アンケート調査を実施する方向で考えております。