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予算特別委員会の内容②【発達支援に課題のある青年期、成人期に向けての支援体制の構築について】

知的障がいを伴わない発達障がいは目に見えにくい、分かりにくい障がいです。そのため、生活面や学習面において、ある程度カバーできる面がある反面、発達障がいが気づかれにくくなっています。幼少期から青年期にかけて、社会との適応に少なからず障がいがあったとしても、学力には優れ高学歴の人も多い為、当事者だけでなく保護者も障がいを受容しないケースや当事者が障がいに全く無自覚で、多少の生きにくさを感じていても特に困り感をもたないケースもあります。

国においても青年期、成人期に向けての支援体制はまだまだ乏しく、自治体において明確な支援体制が構築されていません。気づきのある人たちが声をあげ、その支援を足立区から私は構築していきたいと思います。今後もさらに研究を生み重ね、ライフステージに合わせた発達障がい支援事業の取組みを全力で進めていきます。

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

 【発達支援に課題のある青年期、成人期に向けての支援体制の構築について】

【長谷川たかこ委員】

青年期・成人期に向けての支援体制についてです。

現在、明星大学を筆頭に東京大学や明治大学、京都大学、早稲田大学と発達障がい傾向にある学生に対しての支援の輪が広がっています。足立区においても、私は2013年第4回定例会で大学との連携を提案し、その結果、2015年から足立区と東京電機大学の学生支援事業が開始されました。支援内容は、発達障がい特性により友人や教員等との適切な人間関係を築くことができない、就活時の適性判断ができない、したいことや働くイメージがない等の学生に対して、発達障がい(診断名の付かない学生も含む)の学生が自己認識力を高めるためのグループワークの実施されました。当時、初年度はあしすの心理職が全面的にプログラムを実施し、2年目以降は学生課の心理相談員を中心にグループワークを運営する計画で進めていたそうですが、学生相談室のマンパワー不足、発達障がい以外の障がい学生に対応する困難さなどから、パッケージ化したプログラムを大学側で運営することが難しいという判断に至り、継続実施には至らなかったということでした。

各大学が行っている支援事業は、大学のルールの適応や対人関係の維持、就労に向けたスキルの獲得の活動を通して、卒業後の社会生活に必要な知識・スキルの習得と自分に合った進路・生き方を思考できるようにするための支援事業です。以前、私が視察に行った京都大学での支援事業の具体的な中身としては、200人ほどの学生を対象に支援を行っていました。日常的に学生のサポートにあたる教職員に対し、発達障がいに対する正しい理解と対応方法を習得させることや、当事者に対する自己の特性理解の促しと学校生活の中での対人関係や生きづらさの緩和、学業や就職活動に活かし、大学中退や引きこもり、二次障がいとしての精神疾患等を予防することにつながっていました。

足立区では、来年度、文教大学が開学し6大学が集う文教地区となります。この支援事業を区内の大学に再び落としこみ、学生本人の自尊心が守られ、適切な指導に繋がる青年期・成人期の発達障がい支援の仕組みを強力に築いていきたいと思います。

【問】その為には、先ず区内大学の学内での合意形成を構築することが課題の一つです。

大学全体で教職員や関係者が発達障がいをどのように理解し、どのように対応をしていくのか。現在行っている各大学の学生支援の実態や学生支援に関する課題、ニーズを把握し、大学側が求める支援を把握するためにもアンケートを早急に取って頂きたいと思います。区の見解を求めます。

【障がい福祉推進室長】

障がい福祉センターあしすとの方では、発達障がいの大学教職員向けに、昨年も、講演会、グループワークを企画いたしましたけれども、コロナの関係で中止をしております。

長谷川委員御発言の、来年は専門課程を持つ文教大学が開学いたしますので、是非、大学連携の一つとして、大学側が求める支援を把握するために、アンケートを実施したいと思います。ただし、その際は、長谷川委員御発言のとおり、大学が求める支援を把握するためのアンケートになりますので、是非、もうアンケートの作り込みから、もう既にそこのスタートから大学連携という形で始めていきたいと思います。

庁内の大学連携の部署がございますので、そこを窓口として一緒に取り組んで参りたいと存じます。

 

【長谷川たかこ委員】

【問】ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

足立区が大学連携を進めていくうえでは、障がいをキーワードとせずに多様性の観点からの切り口で効果的な教育支援を行って頂きたいと思います。区の見解を伺います。

【障がい福祉推進室長】

今、長谷川委員御発言の障がいのキーワードというところは、重要な視点かと存じます。特に成人期の発達障がいに関しては、障がいを拒否する方もいらっしゃいますけれども、逆に、障がいというところで、自分の確定診断を受けることで、自分のこれまでの生きづらさということを気づいて、前向きに人生組み直すという方もいらっしゃいますので、どういう言葉がいいかは、各大学の先生方にも御教示いただきながら、十分に配慮した、適切な言葉でつくり込みをしたいと存じます。

 

【長谷川たかこ委員】

【問】明治大学では、近年発達障がい傾向にある学生に関する相談件数が多くなってきており、大学の教員や学生たちにも向けて、診断名がついていない発達障がい傾向にある学生に対するサポートの仕方や、当事者が学内で適切な支援を得ることで支障の少ない大学生生活が如何に送ることができるか検証をし、学生生活における様々な場面でどのような支援が望ましいかを詳しく解説したDVDを作成しています。外部にも広く貸し出しをしており、私も借りて観ました。予算がかかる内容ではなかったので、是非とも、明治大学へ調査に行き、足立区における学生支援としてDVDを作成し、広く区内大学で活用できるようにして頂きたいと思います。区の見解を求めます。

【障がい福祉推進室長】

ただいま、長谷川委員御発言の、明治大学でのサポート体制、伺いましたので、まずは大学の方に出向いて、十分にお話伺って、長谷川委員御発言のDVDの作成も含めて、今後の大学連携の参考にさせていただきたいと存じます。

 

【長谷川たかこ委員】

【問】明治大学学生相談室の特徴は、大学教授が相談員として在室していたり、弁護士・臨床心理士・精神科医が所属しています(駿河台キャンパス・泉キャンパス・生田キャンパス全て)。そのため、勉強や法律問題、友人問題や家族問題、そして精神衛生など一人一人のきめ細やかな種々の相談に対応できるようになっています。足立区に集う6大学においても、同様な学生への支援体制が構築できることを望みます。区として、学生支援に力を入れている明治大学などを筆頭とした近隣の大学の調査を行い、区内大学にも同様の支援体制を促すよう働きかけて頂きたいと思いますが、区の見解を伺います。

青年期・成人期においても早期に発見し、支援につなげることが重要であり、生涯を通じて一貫性ある支援体制の構築が早急に求められます。来年度、開校される文教大学は発達支援について取り組みを行っている大学です。

【障がい福祉推進室長】

繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、まずは、この明治大学の学生室の方にお話伺って、じっくり伺って、関係部署と、その際には、あしすとだけではなくて、関係部署と是非伺って、お話を伺って参考にさせていただきたいと存じます。

 

【長谷川たかこ委員】

いろいろと建設的に御回答いただいて、本当にありがとうございます。

是非この予算を使って、発達支援事業を区内大学で積極的に行っていただき、大学生本人の自尊心が守られる、適切な指導につながる青年期、成人期における発達障がい支援を是非とも構築していただきたいと強く要望いたします。

よろしくお願いいたします。