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決算特別委員会の質問⑦【「誰一人取り残さない地域子育てコミュニティ」の創設について~子ども第3の居場所】

足立区では保健予防課や区内各保健センター等とこども支援センターげんきが密に連携することで、妊娠期から子育て期までの相談・支援を、切れ目なく包括的に行う「子育て世代包括支援センター事業」が展開されています。

 

子ども・子育て支援新制度の利用者支援や子育て支援などを包括的に運営する機能を担い、専門知識を生かしながら利用者の視点に立った妊娠・出産・子育てに関する支援のマネジメントを行うことが期待されています。

 

しかし、足立区においてはこのような整備が進んでいるにもかかわらず、援助要請能力が低く自ら「助けて」の声を上げられない困窮子育て家庭が既存のセーフティネットからこぼれ落ちてしまっているという現実がある実態が見えてきました。

 

SOSを出せない人への支援やアウトリーチで継続的に支援をしていく仕組みの構築を求め、質問・提案をしました。

 

*****以下、委員会の質問と答弁(抜粋)です。*****

○長谷川たかこ委員

本日最終質疑となります。

区民の皆様からの思いを政策にまとめました。よろしくお願いいたします。

コロナ禍において、家族や地域などとのつながりが希薄化する中、生活困窮や介護、子育てといった悩み事が複雑に重なり、社会的孤立が深刻化しています。困りごとを抱えている人に共通しているのが周りに相談する人や頼れる人がいない関係性の貧困です。ひきこもりなども深刻になっており、SOSを出せない人への支援やアウトリーチで継続的に支援をしていく仕組みの構築の必要性があります。

 

子ども・子育て支援新制度の利用者支援や子育て支援などを包括的に運営する機能を担うものとして、専門知識を生かしながら利用者の視点に立った妊娠・出産・子育てに関する支援のマネジメントを行うことが期待されており、足立区では保健予防課や区内各保健センター等とこども支援センターげんきが密に連携することで、妊娠期から子育て期までの相談・支援を、切れ目なく包括的に行う「子育て世代包括支援センター事業」が展開されています。

 

しかし、足立区においてはこのような整備が進んでいるにもかかわらず、援助要請能力が低く自ら「助けて」の声を上げられない困窮子育て家庭が既存のセーフティネットからこぼれ落ちてしまっているという現実がある実態が見えてきました。

 

区内で活動している一般社団法人チョイふるが支援対象者113名(うち54名は相対的貧困層に該当)に回答していただいたアンケート結果によると、既存の支援制度として挙げられる就学援助/生活保護/生活困窮者の自立相談窓口/児童扶養手当/母子家庭等就業・自立支援センター/あだちファミリー・サポート・センター事業/子育て短期支援事業(ショート・ステイ)/ NPOなどによる子ども食堂/学校が実施している補講(学習支援)/ NPOなどによる学校以外が実施する学習支援を上手く活用できていない世帯があるといった実態が明らかになりました。つまり、子育て世代への支援についての情報が必ずしも子育て家庭をはじめとした地域住民に分かりやすく伝わっておらず、重篤な問題やリスク以外の場合では個別の利用者に寄り添い、不安を払拭するような予防的な支援が手薄となっています。

 

一般社団法人チョイふるが支援対象者に協力を依頼したアンケート結果によると既存の支援制度を利用したいが、「利用したことがない」理由として、利用したいが今までこの支援制度を知らなかったから。利用したいが、手続がわからなかったり、利用しにくいから。と回答している子育て世帯が2割から3割程度いることがわかりました。

 

一般社団法人チョイふるの食支援を受けている利用者でさえも、既存の区の支援に乗れていない実態があることが明るみとなりました。この状況を考えると、支援制度の周知・啓発のみならず、当事者の声を吸い上げ、支援制度を活用できるまで寄り添う細かいケアが求められていると考えられます。

 

【問】そこで、「支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて情報・支援を届ける」アウトリーチ型の子育て支援が求められると考えます。区のリソースが限られる中で、困窮する子育て世帯すべてにアウトリーチ型の支援を届けることは現実的ではないと考えます。そこで、当事者に寄り添った支援を広げていくために、実際に当事者親子と直接的に既に関わっている民間事業者と積極的に連携を行い、困窮子育て家庭と必要な社会資源をつなぐコーディネート機能の一部を官民連携体制で構築していくことを強く要望致しますが、区の見解を伺います。

 

○こども支援センターげんき所長

御質問のような機能につきましては、保護者や子どもの状況を見立てて、必要な支援につなげていく高度なスキルが求められ、現在、国でも資格化の検討をしていると聞いております。子育て家庭と必要な社会資源をつなぐコーディネート機能の官民連携につきましては、こうした国の動向を注視して、研究していきます。

 

○長谷川たかこ委員

国の動向もあるのですが、そうすると、なかなか、それができ上がるまでに時間がかかってしまうという現状があります。当事者団体としてその気付きを持っている、その支援制度がもう既に構築できている、ある程度のスキルのある団体と是非連携を組んでいただきたいと思っております。

 

具体的には、安心して過ごせる居場所、栄養バランスの取れた食事、基本的な生活習慣、それぞれの子どもに寄り添った学習支援、非認知能力を育む体験の五つの機会を一つの場所で提供できる取り組みを促進することが重要です。

 

子どもたちの困難は家庭や学校だけでは解決が難しく、そもそも困難が家庭や学校に起因する場合も少なくありません。そこで、子どもたちの孤立しやすい放課後の時間に、家庭や学校以外の場で、信頼できる大人や友達と安心して過ごし、将来の自立に向けて生き抜く力を育む、子ども第3の居場所の構築を強く求めます。

 

子ども第3の居場所拠点は、全国的にも122拠点あります。

誰一人取り残さない地域子育てコミュニティの機能を担う子ども第3の居場所事業を足立区においても構築することを強く要望いたします。この事業については、日本財団で行って いる事業なのですが、是非、足立区としても、これをやりたいという団体をバックアップしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○あだち未来支援室長

第3の居場所が、放課後に家庭や学校以外の場で、信頼できる大人や子どもということで、安心して過ごせる場所ということであれば、児童館や放課後子ども教室も含まれているのかと。

 

それに加えて、誰一人取り残さないという視点でいえば、例えば経済的困難のお子さんの居場所を兼ねた学習支援や、不登校や外国のルーツのお子さんを持つ居場所を、足立区では、 少しずつではありますが、増やしてきている、構築してきているというふうに私は考えております。

 

○長谷川たかこ委員

勿論、そのような実態を踏まえた各自治体の取組みについては、既に存じあげております。でも、 それはスポット、スポットの部分的な取り組みであり、今、私がお話し申し上げているのは、安心して過ごせる居場所についてです。

 

栄養バランスの取れた食事の提供であったり、基本的な生活習慣も見てくれる居場所。

それから、それぞれの子どもに寄り添った学習支援だったり、非認知能力を育むような取り組みをしている、この五つの機能を全て兼ね備えている、役割を持った拠点というのが、日本財団の方では、『子どもの第3の居場所』という形で銘打って、日本全国で122拠点開設しています。

 

日本財団からは、特に財源を用意することなく、足立区として、この事業をするに当たって足立区のバックアップが必要だとおしゃっています。自治体からのバックアップがあれば日本財団の方でも、予算をつけていただけるというお話です。 3~4年という期間限定ではありますが、この支援事業を足立区として着目していただきたいと思います。もし、これが仮に成功すれば、足立区がこの事業を展開することも視野に考えていただきたいという要望です。是非、このような事業をバックアップする姿勢を取っていただけないでしょうか。

 

○あだち未来支援室長

長谷川委員のおっしゃる五つの居場所、近いもので言えば、居場所を兼ねた学習支援が、例えば食事支援であるとか、学習支援であるとか、やっていますので、近いのかなと。

日本財団のこの第3の居場所事業というのは、私、認識しておりまして、日本財団さんが、いわゆる事業としてやっているもの。たしかこれは3年間、日本財団さんが、お金が出るのですよね。その後は区の方で、自治体の方で引き取って、その事業を継続するというものでありますので、何をもって、その第3の居場所とするのかというのを、今、区がやっている居場所と屋上屋になってはいけないものですから、その辺の方、重複しない観 点の居場所があればなのですけれども。今のところ、足立区では率先していろいろな場所をやっていますので、そこら辺を整理しないといけないのかなというふうに考えております。

 

○長谷川たかこ委員

これは1か所の拠点で全てを網羅する内容となっているので、足立区がやっている内容と重複するというわけではありません。

個々に見たら重複するかもしれませんが、例えば放課後子ども教室や学童で一人一人の子どもたちの深いところまで寄り添っているかというと全く寄り添っていません。

 

私が申し上げたいことは、支援する角度が現在、行っている事業と全く違うという観点です。是非、こちらの事業に対するご理解を深めて頂き、積極的に応援をして頂きたいと思います。それから、3年手当がついた後、自治体が引き取るとおっしゃいましたが、それは強制ではないと思います。その点どのような認識でいらっしゃいますでしょうか。

 

○あだち未来支援室長

すみません、私もそこまで詳しく承知していませんが、3年たった後、自治体が引き継ぐということで認識しているところです。

 

○長谷川たかこ委員

私が聞いているところでは、引き継いで自治体が必ずやらなくてはいけないという話にはなっていません。日本財団と協議をしていただきながら、仕組みがどうなっているのか、いま一度、研究し直していただきたいと要望致します。

よろしくお願いいたします。