代表質問の内容 第二弾:ゴミの3Rとプラスチックのリサイクル
私が代表質問でとりあげた政策について、ひとつひとつを代表質問の議事録も含め、ご紹介しています。
今回は、第二弾の「ゴミの3Rとプラスチックのリサイクル」についてです。
東京都では現在、廃プラスチックを可燃ごみとして回収・焼却し、その熱を利用するサーマルリサイクルの導入が考えられ、足立区でも千住地区など一部地域で試験運用が始まっています。
しかし、分別回収にコストや手間がかかるという理由から、安易に可燃ゴミとして焼却処分するのではなく、ゴミ対策の基本である、ゴミを減らす(リデュース)、再利用する(リユース)、再処理する(リサイクル)の3Rの基本に立ち戻ることが重要です。
ゴミ問題は地球温暖化問題と密接に関わってくる課題です。
地球温暖化への対策は、現在、世界レベルで取り組まれている人類共通の重要課題であり、先日までバリでCOP13という、国際会議も開かれていたことは皆さんもご存知と思います。
温室効果ガスのひとつである二酸化炭素(CO2)を減らすことは、国だけでなく地方自治体ごとでも対策が考えられ、足立区でも2012年までに90年度比でCO2の排出量を10%減らす(国の目標はマイナス6%)をいう高い目標を立てています。
さらに、ゴミの問題は、石油枯渇などのエネルギー問題、ダイオキシン等の有害物質の排出などの環境問題、埋め立てによる土壌汚染問題など、多岐にまたがる大きな問題です。
子どもたちに将来、安心して暮らせる豊かな環境を残すためにも、区民の皆さん一人ひとりが自覚をし、マイバッグ運動などへの積極的な参加などにより、まずはゴミを減らすことが重要です。
また、そのような区民の皆さんと協力しながらゴミを減らす対策をとるとともに、プラスチックリサイクルマークのあるものに関しては、分別回収・再資源化の検討についての考えを行政側に問いました。
*********以下、私の質問内容(全文)とその答弁です。**********
次に、廃プラスチックの処理問題について、お尋ねしたいと思います。
最終処分場の延命などの理由から、従来、不燃ごみとしてきた廃プラスチックを、可燃ごみとして焼却することが、平成17年10月の特別区長会で了承され、平成20年の本格実施を前に、足立区でも北千住などの一部の地域で、試験運用が始まっています。
はじめに、この廃プラスチックの処理の問題は、単にゴミ処理の問題だけでなく、焼却処分することによる二酸化炭素や有害物質の発生、さらには、枯渇問題が深刻になりつつある化石燃料である石油などのエネルギー問題にも、大きく影響を与える課題であることを、改めて強調させていただきます。
現在、連日のように原油の価格が高騰し、その影響は石油関連商品だけでなく、小麦粉の値段が上がるなど、広く世界経済や一般の家庭にまで大きな影響を与えていることからも、この問題の深刻さが分かると思います。
ゴミ問題では、リデュース、リユース、リサイクルの3Rという言葉がよく使われています。この3Rはそれぞれが並列の関係ではなく、明確に優先順位がつけられています。
まずはゴミの発生そのものを減らす努力をする、リデュース。次に、それでもどうしても出てしまうゴミを別の場所・方法で再利用する、リユース。最後に、どうしても再利用できないものを、化学的な処理などを施し、新しいものに生み出すための資源とする、リサイクル。といった具合に、階段状になっているのです。
さらに言えば、それでも有効に活用できないものに関して、焼却するなり、埋めるなりといった最終処分がされます。
焼却処分にする、埋め立てる、というのは、ゴミを資源ととらえ、有効に活用するということを全てやった後の、まさに最終処分の方法です。
話しをプラスチックに限定しますと、一口に廃プラスチックといっても多岐にわたりますが、コンビニエンスストアーのお弁当のトレーやシャンプーの空きボトルなど、家庭で出される廃プラスチックの多くには、プラスチックリサイクルマークがついています。これはまさに、これらの廃プラスチックがゴミではなく、資源であるということを表しています。
それらを回収し、リサイクルを行えば、ゴミを減らすだけでなく、限りある石油資源の再利用という2重の効果があります。
もちろん、廃プラスチックの分別回収には、さまざまな困難があります。
一昔前、ペットボトルや食品トレーなどの分別回収が始まったときにも、キャップやラベルをつけたまま出したり、汚れが残っている、また、せっかく回収しても、処理費用や処理業者の不足から有効に処理されないという問題がありました。
しかし、その後、業界・行政による広報や、家庭での一般の方々の理解・努力により、いまではペットボトルなどはリサイクルの優良児のようになっています。
このような歴史をみると、廃プラスチックの分別回収も、決して無理なことではないと思います。最初は確かに、理解不足や認識不足で、中間処理に費用がかかったり、無駄が生じるかも知れませんが、行政や住民の皆さんの努力や理解を重ねれば、必ず解決する問題だと思います。
足立区内では、沢山の方々が3R活動に取り組む意欲を見せております。
毎週、私が参加をしている清掃活動も、ゴミの分別、資源化に力を入れております。
われわれはもっと、そのような区民の方々の声に耳を傾け、区民の力を信じ、区民の意欲に応え、区民による活動をいっそう活性化させていく努力が必要であると考えます。
【問】そこで、全区民、全事業者が参加、協力できるゴミの減量と分別回収、資源化の仕組みを作り、行政が積極的に動き、説明し、働きかける推進組織を設け、地域での活動と連携した、3R推進運動を展開する積極的な取り組みを行うべきですが、区長はいかがお考えでしょうか。
【問】また、区長マニフェストに、「足立区環境対策会議(仮称)」を設置し、それぞれの立場でゴミ、エネルギーなどの削減目標を明確にし、環境に優しい足立区を創出します。と提言されております。
「足立区環境対策会議(仮称)」の設置スケジュール、ゴミ削減目標はいつまでに明確化するのか、具体的に示していただきたいと思いますが、如何でしょうか。
さらに、その決定事項をどのように3R推進運動につなげていくのか、区長の見解を伺います。
【問】また、子どもたちの環境学習活動への支援として、環境教育プログラム、KID ISOプログラムがあり、東京都では131校
、足立区内では21校が参加をしています。足立区全小学校にこのプログラムの導入を進めていくべきと思いますが、区の見解を伺います。
将来、いくらお金を出しても、石油がなくなってしまえば、プラスチックなどの石油製品は手に入りません。
また、地球温暖化への対策へ投じられている巨額のお金を考えると、環境への対策に、現段階でお金を使うことは、将来失うであろう環境を減らすだけでなく、その対策に投じられる多額の資金をも減らす結果になることは、容易に想像できます。
現在、ゴミ対策に投資することは、将来、子ども達のために住みやすい環境を残し、限りある資源を未来につなげるだけでなく、結果的に将来、環境やエネルギー問題に費やされる費用負担を少しでも軽くすることにつながるのです。
現在、全国の多くの自治体ですでに、廃プラスチックを資源と考え、分別回収する取り組みが始まっています。
人口2000人の町(徳島県勝浦郡上勝町)、4万人の市(愛知県碧南市)から、300万人を越える政令都市(横浜市)まで行っています。
また、東京23区の中でも豊島区では、分別回収を実施し、品川区も分別回収を行う予定とのことです。
他の自治体には出来て、足立区に出来ないはずがありません。
【問】 プラスチックリサイクルマークの付いている資源ごみを分別回収している自治体が多い中、足立区では、資源ごみとして回収しない理由は何でしょうか、お伺いします。
【問】昨日、区長は所信の中で、温暖化防止を最重要テーマとして位置づけ、温室効果ガスであるCO2を2012年度までに90年度比でマイナス10%という、国の目標である6%を上回る高い目標をたて、環境都市あだちを目指すという強い意志をお示しになりました。
まさに、そのためにも「廃プラスチックはゴミではなく、資源である」という認識の下、プラスチックリサイクルマークの付いているものを可燃とせずに分別回収・リサイクルを行うという考え方がありますが、区長のお考えをお答えください。
現在のゴミ問題への投資は、未来の子ども達の環境への投資です。
将来、子ども達が誇りに思える足立区にするためにも、将来安心して暮らせる足立区にするためにも、区長、是非ご検討をおねがいいたします。
++++++++++++++++以下、答弁++++++++++++++
【環境部長】
区では、リデュース・リユース・リサイクルの推進のために、町会・自治会等、全区民の協力のもとに進めてまいりました。現在策定中の第二次環境基本計画でも、より高いごみの減量目標を設定していますので、さらに多くの区民・団体・企業の参加のもとに進めてまいります。
環境基本計画の推進体制のひとつとして、区長マニフェストにある「足立区環境対策会議」については、それを発展した形で、仮称「足立区地球温暖化対策区民会議」の設置を来年度の早い時期に予定しております。また、ごみ減量の数値目標は、同計画の中で設定しており、素案におきまして8パーセント減をお示ししております。
3Rの推進は、仮称、足立区環境対策区民会議の議論や活動によってさらに加速していかなければならないと考えております。
【教育指導室長】
環境教育プログラムについてお答えいたします。
現在多くの小学校が、総合的な学習の時間やその他の教科・領域において、環境教育に取り組んでおります。また、地球環境問題に取り組むための「KIDS ISO」プログラムに関しては、平成19年度は、入門編、初級編を合わせると延べ17校となっております。
今後、小学校への導入については、足立区環境教育基本方針・実施計画にあるよう、積極的に推進してまいります。
【環境部長】
サーマルリサイクルについて、一括してお答えいたします。
サーマルリサイクルは、貴重な石油資源の有効利用を図るため熱回収を行うものであり、発電により清掃工場の使用電力をまかなうとともに、売電による収入を確保します。
また、焼却で発生する温室効果ガスの量は、埋め立てによるメタンガスの発生量や最終処分場への車両の排気ガス等を勘案いたしますと、ほとんど影響がないと分析しています。
さらに、収集・運搬、処理処分一連の業務の効率化により、清掃事業コストを減少し、区民の負担を抑制する等、多くのメリットが期待できます。
一方、容器包装廃プラスチックのリサイクル経費は、13億円かかる試算となっております。
また、中間処理施設確保の困難さや収集した廃プラスチックの半数が産業廃棄物として焼却されているなど費用対効果・効率性に問題があります。また、選択と集中の観点からも当面実施する考えはございません。