予算特別委員会 3月3日 Part1「環境・ゴミ問題」
現在、開催されている定例会(議会)で行われました、予算特別委員会での質問の内容をご紹介しています。
先日、3月6日に行いました質問の内容をご紹介しました。議事録が出来上がった順にご紹介していますので、実際の質問を行った日でみると、順番が前後し てしまいますが、3月3日の議事録も届きましたので、ご紹介いたします。
予算特別委員会の初日のこの日は、20分の持ち時間の中で、「環境・ゴミ問題」と「(カラー)ユニバーサルデザイン」について質問を行いました。
今回は、「3日 Part1」といたしまして、「環境・ゴミ問題」について質問とその答弁をご紹介します。
ゴミ問題、特に足立区でも4月から開始される「廃プラスチックのサーマルリサイクル」に関しては、代表質問や産業環境委員会の中でも何度もくりかえし発 言を行ってきました。
足立区では来月4月から、廃プラスチックは一律焼却処分にすることになっています。
温室効果ガスの削減、環境への負荷、限りある石油資源の再利用などの観点から、全国各地で、廃プラスチックをゴミではなく資源ととらえ、分別回収する動 きが広まっています。東京23区内でも12区がなんらかの形で廃プラスチックの分別回収、リサイクルを行っています。
それにも関わらず、環境先進区として、来年度には「環境サミット」の開催まで計画している足立区が、分別回収をおこなわず、一律焼却処分というのは、残 念なことです。
これでは、予定されている「環境サミット in 足立」において、廃プラスチックの分別回収を行っているなど、足立区よりも先進的な取り組みをしている自治体と肩を並べて「環境先進区」を宣言すること は、内外の批判を生む可能性があります。
環境サミットまでに先進的な取り組みをしている他の自治体に対して、あるいは海外に対しても、胸を張れるような実効性のある取り組みを進めていくことを 求めました。
また、具体的に他の自治体を例に挙げ、足立区でも出来る品目(シャンプーやリンスなどのプラスチックボトル類など)からでも、分別回収・リサイクルを行 うべきと提案をしました。
−−−−−以下、議事録要旨(抜粋)−−−−−
【長谷川】
区長も今回の予算の大きなテーマの一つとされている環境問題、その中でもごみ問題を中心に質問をさせていただきます。
大前提として、ごみの処理にはお金がかかります。プラスチックの分別回収、リサイクルにも、手間もお金もかかることは事実です。
区として、皆様からお預かりしている大切な区の予算をこれらに使うときに、とかくごみ処理という負担としてだけ考え、費用対効果などの計算に陥りがちで す。確かに、現時点では費用がかかるのも事実ですが、未来の環境への先行投資という前向きな発想で取り組んでいただきたいと思います。
破壊される自然環境を守り、子どもたちに豊かな環境を残すことができ、結果的に後の環境対策費を削減できるというプラス思考で、小泉元首相の米百俵では ありませんが、目先の数字の計算ではなく、長い目、10年、50年、1 0 0年先を見据えた発想で考えていただきたいと思います。
そこで、東京23区では、12区が、何らかの形で容器に使われている廃プラスチックを分別回収している、もしくはその予定です。中には、足立区と人口も 変わらない区や近隣の区も含まれています。
まず、最初にお問きしたいのが、同じ23区内で分別ができる区と足立区の最大の違いは何でしょうか。
<計画課長>
一言で申しますと、各区の実情ということで、それぞれが政策判断を行いまして、プラスチック製容器包装の分別回収、これをする区と、しない区が分かれて いると思います。
実情といいますのは、これまでの取り組みの経過、あるいは今回のサーマルの収集の回数、あるいはごみ資源量、そういったものを総合的に勘案して判断され ているということです。
【長谷川】
それでは、もう少し具体的にお問きしたいと思います。
以前の代表質問で、プラスチックの分別回収、リサイクルにかかる費用は13億円になるという試算を示されました。
例えば1キロ幾らで処理できるか、年間何トンの廃プラスチックが収集され、何割ぐらいがリサイクルに適さないと試算したなど、その具体的な内容について は、この場についてはちょっと時間かおりませんので、後日ご説明をいただきたいと思います。
23区中12区が、プラスチックの分別回収、リサイクルを開始、もしくは年内に開始する予定ですが、この12区にプラスチックの分別回収、リサイクルに かかる費用を細かくお聞きしました。
足立区よりも人口が多いところでは、分別回収に7億、8億円、近隣では4億円という追加計上の数字が出ています。この足立区が13億円と出された数字 は、分別回収しているほかの自治体、例えば東京23区内と比較して妥当なものでしょうか。
<計画課長>
この費用につきましては、収集運搬にかかる経費、また中間処理に要する経費といったもので構成されてございまして、収集運搬にかかる経費については、区 域の面積、あるいはどういった形で回るかという体制も含めて、おおむね1台当たり幾らということでございますので、これに差はないと思います。
中間処理の単価につきましては、足立区はキログラム当たり35円という単価でございますが、これは他の実施している区の単価に比較しても低い額、これは 一定の量があるということで出されております。
では、どこが違ってくるかということになりますと、出てくる廃プラスチックの量、これをどう置くかということでございます。足立区は70%ということで 試算してございますが、50%のところもありますしむしろもっと選別しているとこもございますので、そ の差が出ていると分析しております。
【長谷川】
廃プラスチックを分別回収し、リサイクルに適さないと判断したもののみ、サーマルリサイクルの対象として焼却処分するという方法はとれないのでしょう か。
これこそ区が推進している3Rの考え方にのっとるものだと思いますけれども、いかがでしょうか。
<計画課長>
廃棄物処理の基本、特にごみ減量に関しては3Rが原則でございます。発生を抑制して繰り返し使い、また使わなくなったものについてはリサイクルをする と、これを基本に出され、やっております。
ただ、一旦集めたものを再分別するとか、そういった形については、いまのところ想定できてございませんので、今後そういったものも含めて、リサイクルの ルートにどう乗せていくかというものを検討していきたいと思っております。
【長谷川】
板橋区では、このような食品用トレー及びボトル容器のみの拠点回収をしております。板橋区の広報では、「分ければ資源」というものではなく、(資料を手 に持って)ここを見ていただくとわかるのですけれども、「洗えば資源」という文言が入っています。
これは、分別回収することは当然で、分別したもののリサイクル率を上げるという次のステップに移行しているものです。
区民の皆さんと一緒に、他区では徹底したこのようなプラスチックのごみ分別化か進んでいます。足立区でも、最初はリサイクル率は悪いかもしれませんが、 その後の啓発活動、区民の皆様の協力、努力などにより分別リサイクル率は上がっていくと思います。そのようなシステムをつくることこそ、いま行政がやらな ければいけないことだと思います。
そこで、現在、ペットボトルと食品トレーは分別回収が先行していますが、例えばペットボトルの分別回収、当初の回収量、回収率と、現在の回収量、回収率 は、それぞれどれぐらいでしょうか。
<計画課長>
ペットボトルの回収につきましては、16年度からモデル収集を開始してございます。
当時、集積所と店頭、合わせて回収量は823トンということで、2 7.6%ほどの回収率でございました。
18年度になりますと、本格的な回収が安定してございまして、集積所で1,6 1 5 トン、店頭で253トン、あわせてベットボトルの自動回収機の設置、これも始まりましたので、店頭と集積所だけで62.6%、それから19年度になります と、さらにそれぞれ量がふえてございまして、70%を超えている回収率というふうにとらえております。
【長谷川】
いまのお話を聞きますと、随分回収率が上がっています。一般の認知度が上がっているためだと思いますが、つまり皆さんがしっかり認識すれば、最初はうま くいかないものかもしれませんけれども、認識度が上がるにつれて、分別回収、リサイクルは可能ということになると思います。もちろん、それらの啓発活動を 積極的に行うのは、行政の仕事の一つです。
ペットボトル、食品トレーは随分浸透してきました。足立区は4月からプラスチックを可燃ごみとして収集するという方針ですが、ペットボトルなどに続き、 順次分別回収する品目をふやしていってはいかがでしょうか。
例えばシャンプー、リンスなどのプラスチックボトル類を分別回収の対象とするのはいかがですか。
<計画課長>
基本的に、今後の容器包装リサイクル法の改正、こういったものをにらみながら、またリサイクルに対する技術革新、非常に進んでございますので、こういっ たリサイクル手法の動向、こういったものを見据えながら、いま例示のあったものについても検討していきたいと考えております。
【長谷川】
前向きな対応をよろしくお願いいたします。
次に、せっかく分別回収するために収集所に集められた資源ごみを、自治体による収集前に抜き取り持ち去ってしまうということが、いまいろいろな区で問題 になっています。
資源ごみ等の無断持ち去り禁止のために、条例をつくり対応している自治体もあります。他区では、無断持ち去り厳禁という、(手にシートを持って)このよ うな黄色いビニールシートをカラスネットに張りつけています。
足立区でも、一つの対策として、ごみの無断持ち去り禁止の表示が書かれているこのようなものをカラスネットの上につけるなど、工夫をしてみてはいかがで しょうか。
<計画課長> 足立区でも、持ち去り防止の看板といいますか、それの対応とか、そういった取り組み、またこのネットの上に、黄色ではございませんが、ラミネ−トしたお 知らせをのせる、こういった対応をしております。
もっと目立つようにというご視点と思いますので、これについても、今後、色の採用も含めて考えていきます。
【長谷川】
次に、足立環境基本計画素案の中に、目標とする人、目標とするまちのところに、ごみは減らすし、分別は完璧、ごみ量1人当たり全国最少クラスとあります が、廃プラスチックを分別回収しない中で達成できるのでしようか。
<計画課長>
目標としてはそういうことで、現在も取り組んでおります。
これからさらに取り組みを進めていくわけですが、基本的には、出し方、これは水をよく切って出すとか、要するにごみの量を減らす取り組み、それから分別 の徹底、資源化も含めた排出指導の強化、こういった意味で清掃事務所のふれあい指導の体制も強化してまいりますので、より減量に取り組んでまいります。
また、国や都が、約1キログラム1人当たり1日の排出量ですが、足立区は900グラム台ということで 取り組んでおります。これをさらにごみ量8%の削 減に向けて、総合的に取り組んでまいります。
【長谷川】
最後に、もう少し広く環境という観点でお聞きしたいと思います。
今回の予算案には、環境も重点項目としていると説明を受けました。実際に、ホストとして環境サミットを開催するための予算として、430万円ほど計上さ れています。
開催地、議長役の国、自治体などは、その分野で先進的な取り組みをしている、もしくは目玉 的な政策があるのが一般的です。
例えば横浜市では、国内外に向けて環境行動都市を宣言し、循原型社会の実現に向け、横浜G30行動宣言として、平成22年度における全市のごみ排出量を 平成13年度に対して30%削減するという具体的な目標を定め、市民、事業者と協力し、一体となってごみの減量に全力を挙げて取り組んでいます。
いただいた資料の、C02マイナス10%、ごみ8%削減というのは、開催地の政策として一般過ぎるのでないでしょうか。また、理念だけではなく実効性の ある施策を提示すべきではないでしょうか。
今回、サミットという名前から、国内外の先進的な取り組みをしている自治体に集まっていただき、議論をし、提言をまとめるものと思いますが、足立区とし は、どのような取り組みを目玉に売りにして、何を提言していかれるのでしょうか。
<環境部副参事>
今回のC02削減の目標値の設定につきましてお答えします。
10%、これは京都議定書の範囲内で、期間内で10%をやろうということでございますけれども、ふえている最中の家庭、それから業務に関しましては、向 こう5年間の短期間で10%達成しなければいけないという目標を設定しております。
これは、ほかの自治体と比べましても、トップレベルの水準というふうに考えております。
<環境推進課長>
サミットで何を提言するかというふうなご質問でございますが、いま副参事の方から回答もありましたように、この目標値につきましては、他自治体と比較し てもかなり高い思い切った数字だと考えております。
この数値を前面に出しまして、温暖化への対策への取り組みの決意を内外にアピールしていくというふうに考えております。これにつきましては、いまプロ ジェクトチームをつくって具体的な検討を行っております。
それから、これとともに、多くの区民の皆さんが参加できる取り組み、その宣言を行いまして、継続的な行動につなげるように考えていきたいと思っておりま す。
【長谷川】
いまのお話を聞きますと、決意とか、プロジェクトチームをつくって区民が参加できる取り組みを考えていきたいということなのですが、では、具体的な目玉 というものは、足立区ではまだいま検討している最中ということでしょうか。
<環境推進課長>
今回、ツバルの要人をお招きするというふうなことが予定されておりますので、コンセプトは水没というふうなことになると思いますが、そのようなことから 出発いたしまして、温暖化の大きなテーマというのを、いま詰めているところでございます。
【長谷川】
やはりホストになるわけですから、具体的なものを行政が行っていかなくてはいけないと思います。
理念や目標を掲げること、外部に向かって発信していくことは、確かに重要なのですけれども、実際にどういう取り組みをしているのか、もしくはどういうふ うにしていくのかという明確なものが最も大切なものだと思います。
環境サミットを開催する以上、ぜひとも環境先進区足立区を目指して、ほかの先進的な取り組みをしている自治体に負けないよう、積極的な政策を今後進めて いっていただきたいと思います。
先日、3月6日に行いました質問の内容をご紹介しました。議事録が出来上がった順にご紹介していますので、実際の質問を行った日でみると、順番が前後し てしまいますが、3月3日の議事録も届きましたので、ご紹介いたします。
予算特別委員会の初日のこの日は、20分の持ち時間の中で、「環境・ゴミ問題」と「(カラー)ユニバーサルデザイン」について質問を行いました。
今回は、「3日 Part1」といたしまして、「環境・ゴミ問題」について質問とその答弁をご紹介します。
ゴミ問題、特に足立区でも4月から開始される「廃プラスチックのサーマルリサイクル」に関しては、代表質問や産業環境委員会の中でも何度もくりかえし発 言を行ってきました。
足立区では来月4月から、廃プラスチックは一律焼却処分にすることになっています。
温室効果ガスの削減、環境への負荷、限りある石油資源の再利用などの観点から、全国各地で、廃プラスチックをゴミではなく資源ととらえ、分別回収する動 きが広まっています。東京23区内でも12区がなんらかの形で廃プラスチックの分別回収、リサイクルを行っています。
それにも関わらず、環境先進区として、来年度には「環境サミット」の開催まで計画している足立区が、分別回収をおこなわず、一律焼却処分というのは、残 念なことです。
これでは、予定されている「環境サミット in 足立」において、廃プラスチックの分別回収を行っているなど、足立区よりも先進的な取り組みをしている自治体と肩を並べて「環境先進区」を宣言すること は、内外の批判を生む可能性があります。
環境サミットまでに先進的な取り組みをしている他の自治体に対して、あるいは海外に対しても、胸を張れるような実効性のある取り組みを進めていくことを 求めました。
また、具体的に他の自治体を例に挙げ、足立区でも出来る品目(シャンプーやリンスなどのプラスチックボトル類など)からでも、分別回収・リサイクルを行 うべきと提案をしました。
−−−−−以下、議事録要旨(抜粋)−−−−−
【長谷川】
区長も今回の予算の大きなテーマの一つとされている環境問題、その中でもごみ問題を中心に質問をさせていただきます。
大前提として、ごみの処理にはお金がかかります。プラスチックの分別回収、リサイクルにも、手間もお金もかかることは事実です。
区として、皆様からお預かりしている大切な区の予算をこれらに使うときに、とかくごみ処理という負担としてだけ考え、費用対効果などの計算に陥りがちで す。確かに、現時点では費用がかかるのも事実ですが、未来の環境への先行投資という前向きな発想で取り組んでいただきたいと思います。
破壊される自然環境を守り、子どもたちに豊かな環境を残すことができ、結果的に後の環境対策費を削減できるというプラス思考で、小泉元首相の米百俵では ありませんが、目先の数字の計算ではなく、長い目、10年、50年、1 0 0年先を見据えた発想で考えていただきたいと思います。
そこで、東京23区では、12区が、何らかの形で容器に使われている廃プラスチックを分別回収している、もしくはその予定です。中には、足立区と人口も 変わらない区や近隣の区も含まれています。
まず、最初にお問きしたいのが、同じ23区内で分別ができる区と足立区の最大の違いは何でしょうか。
<計画課長>
一言で申しますと、各区の実情ということで、それぞれが政策判断を行いまして、プラスチック製容器包装の分別回収、これをする区と、しない区が分かれて いると思います。
実情といいますのは、これまでの取り組みの経過、あるいは今回のサーマルの収集の回数、あるいはごみ資源量、そういったものを総合的に勘案して判断され ているということです。
【長谷川】
それでは、もう少し具体的にお問きしたいと思います。
以前の代表質問で、プラスチックの分別回収、リサイクルにかかる費用は13億円になるという試算を示されました。
例えば1キロ幾らで処理できるか、年間何トンの廃プラスチックが収集され、何割ぐらいがリサイクルに適さないと試算したなど、その具体的な内容について は、この場についてはちょっと時間かおりませんので、後日ご説明をいただきたいと思います。
23区中12区が、プラスチックの分別回収、リサイクルを開始、もしくは年内に開始する予定ですが、この12区にプラスチックの分別回収、リサイクルに かかる費用を細かくお聞きしました。
足立区よりも人口が多いところでは、分別回収に7億、8億円、近隣では4億円という追加計上の数字が出ています。この足立区が13億円と出された数字 は、分別回収しているほかの自治体、例えば東京23区内と比較して妥当なものでしょうか。
<計画課長>
この費用につきましては、収集運搬にかかる経費、また中間処理に要する経費といったもので構成されてございまして、収集運搬にかかる経費については、区 域の面積、あるいはどういった形で回るかという体制も含めて、おおむね1台当たり幾らということでございますので、これに差はないと思います。
中間処理の単価につきましては、足立区はキログラム当たり35円という単価でございますが、これは他の実施している区の単価に比較しても低い額、これは 一定の量があるということで出されております。
では、どこが違ってくるかということになりますと、出てくる廃プラスチックの量、これをどう置くかということでございます。足立区は70%ということで 試算してございますが、50%のところもありますしむしろもっと選別しているとこもございますので、そ の差が出ていると分析しております。
【長谷川】
廃プラスチックを分別回収し、リサイクルに適さないと判断したもののみ、サーマルリサイクルの対象として焼却処分するという方法はとれないのでしょう か。
これこそ区が推進している3Rの考え方にのっとるものだと思いますけれども、いかがでしょうか。
<計画課長>
廃棄物処理の基本、特にごみ減量に関しては3Rが原則でございます。発生を抑制して繰り返し使い、また使わなくなったものについてはリサイクルをする と、これを基本に出され、やっております。
ただ、一旦集めたものを再分別するとか、そういった形については、いまのところ想定できてございませんので、今後そういったものも含めて、リサイクルの ルートにどう乗せていくかというものを検討していきたいと思っております。
【長谷川】
板橋区では、このような食品用トレー及びボトル容器のみの拠点回収をしております。板橋区の広報では、「分ければ資源」というものではなく、(資料を手 に持って)ここを見ていただくとわかるのですけれども、「洗えば資源」という文言が入っています。
これは、分別回収することは当然で、分別したもののリサイクル率を上げるという次のステップに移行しているものです。
区民の皆さんと一緒に、他区では徹底したこのようなプラスチックのごみ分別化か進んでいます。足立区でも、最初はリサイクル率は悪いかもしれませんが、 その後の啓発活動、区民の皆様の協力、努力などにより分別リサイクル率は上がっていくと思います。そのようなシステムをつくることこそ、いま行政がやらな ければいけないことだと思います。
そこで、現在、ペットボトルと食品トレーは分別回収が先行していますが、例えばペットボトルの分別回収、当初の回収量、回収率と、現在の回収量、回収率 は、それぞれどれぐらいでしょうか。
<計画課長>
ペットボトルの回収につきましては、16年度からモデル収集を開始してございます。
当時、集積所と店頭、合わせて回収量は823トンということで、2 7.6%ほどの回収率でございました。
18年度になりますと、本格的な回収が安定してございまして、集積所で1,6 1 5 トン、店頭で253トン、あわせてベットボトルの自動回収機の設置、これも始まりましたので、店頭と集積所だけで62.6%、それから19年度になります と、さらにそれぞれ量がふえてございまして、70%を超えている回収率というふうにとらえております。
【長谷川】
いまのお話を聞きますと、随分回収率が上がっています。一般の認知度が上がっているためだと思いますが、つまり皆さんがしっかり認識すれば、最初はうま くいかないものかもしれませんけれども、認識度が上がるにつれて、分別回収、リサイクルは可能ということになると思います。もちろん、それらの啓発活動を 積極的に行うのは、行政の仕事の一つです。
ペットボトル、食品トレーは随分浸透してきました。足立区は4月からプラスチックを可燃ごみとして収集するという方針ですが、ペットボトルなどに続き、 順次分別回収する品目をふやしていってはいかがでしょうか。
例えばシャンプー、リンスなどのプラスチックボトル類を分別回収の対象とするのはいかがですか。
<計画課長>
基本的に、今後の容器包装リサイクル法の改正、こういったものをにらみながら、またリサイクルに対する技術革新、非常に進んでございますので、こういっ たリサイクル手法の動向、こういったものを見据えながら、いま例示のあったものについても検討していきたいと考えております。
【長谷川】
前向きな対応をよろしくお願いいたします。
次に、せっかく分別回収するために収集所に集められた資源ごみを、自治体による収集前に抜き取り持ち去ってしまうということが、いまいろいろな区で問題 になっています。
資源ごみ等の無断持ち去り禁止のために、条例をつくり対応している自治体もあります。他区では、無断持ち去り厳禁という、(手にシートを持って)このよ うな黄色いビニールシートをカラスネットに張りつけています。
足立区でも、一つの対策として、ごみの無断持ち去り禁止の表示が書かれているこのようなものをカラスネットの上につけるなど、工夫をしてみてはいかがで しょうか。
<計画課長> 足立区でも、持ち去り防止の看板といいますか、それの対応とか、そういった取り組み、またこのネットの上に、黄色ではございませんが、ラミネ−トしたお 知らせをのせる、こういった対応をしております。
もっと目立つようにというご視点と思いますので、これについても、今後、色の採用も含めて考えていきます。
【長谷川】
次に、足立環境基本計画素案の中に、目標とする人、目標とするまちのところに、ごみは減らすし、分別は完璧、ごみ量1人当たり全国最少クラスとあります が、廃プラスチックを分別回収しない中で達成できるのでしようか。
<計画課長>
目標としてはそういうことで、現在も取り組んでおります。
これからさらに取り組みを進めていくわけですが、基本的には、出し方、これは水をよく切って出すとか、要するにごみの量を減らす取り組み、それから分別 の徹底、資源化も含めた排出指導の強化、こういった意味で清掃事務所のふれあい指導の体制も強化してまいりますので、より減量に取り組んでまいります。
また、国や都が、約1キログラム1人当たり1日の排出量ですが、足立区は900グラム台ということで 取り組んでおります。これをさらにごみ量8%の削 減に向けて、総合的に取り組んでまいります。
【長谷川】
最後に、もう少し広く環境という観点でお聞きしたいと思います。
今回の予算案には、環境も重点項目としていると説明を受けました。実際に、ホストとして環境サミットを開催するための予算として、430万円ほど計上さ れています。
開催地、議長役の国、自治体などは、その分野で先進的な取り組みをしている、もしくは目玉 的な政策があるのが一般的です。
例えば横浜市では、国内外に向けて環境行動都市を宣言し、循原型社会の実現に向け、横浜G30行動宣言として、平成22年度における全市のごみ排出量を 平成13年度に対して30%削減するという具体的な目標を定め、市民、事業者と協力し、一体となってごみの減量に全力を挙げて取り組んでいます。
いただいた資料の、C02マイナス10%、ごみ8%削減というのは、開催地の政策として一般過ぎるのでないでしょうか。また、理念だけではなく実効性の ある施策を提示すべきではないでしょうか。
今回、サミットという名前から、国内外の先進的な取り組みをしている自治体に集まっていただき、議論をし、提言をまとめるものと思いますが、足立区とし は、どのような取り組みを目玉に売りにして、何を提言していかれるのでしょうか。
<環境部副参事>
今回のC02削減の目標値の設定につきましてお答えします。
10%、これは京都議定書の範囲内で、期間内で10%をやろうということでございますけれども、ふえている最中の家庭、それから業務に関しましては、向 こう5年間の短期間で10%達成しなければいけないという目標を設定しております。
これは、ほかの自治体と比べましても、トップレベルの水準というふうに考えております。
<環境推進課長>
サミットで何を提言するかというふうなご質問でございますが、いま副参事の方から回答もありましたように、この目標値につきましては、他自治体と比較し てもかなり高い思い切った数字だと考えております。
この数値を前面に出しまして、温暖化への対策への取り組みの決意を内外にアピールしていくというふうに考えております。これにつきましては、いまプロ ジェクトチームをつくって具体的な検討を行っております。
それから、これとともに、多くの区民の皆さんが参加できる取り組み、その宣言を行いまして、継続的な行動につなげるように考えていきたいと思っておりま す。
【長谷川】
いまのお話を聞きますと、決意とか、プロジェクトチームをつくって区民が参加できる取り組みを考えていきたいということなのですが、では、具体的な目玉 というものは、足立区ではまだいま検討している最中ということでしょうか。
<環境推進課長>
今回、ツバルの要人をお招きするというふうなことが予定されておりますので、コンセプトは水没というふうなことになると思いますが、そのようなことから 出発いたしまして、温暖化の大きなテーマというのを、いま詰めているところでございます。
【長谷川】
やはりホストになるわけですから、具体的なものを行政が行っていかなくてはいけないと思います。
理念や目標を掲げること、外部に向かって発信していくことは、確かに重要なのですけれども、実際にどういう取り組みをしているのか、もしくはどういうふ うにしていくのかという明確なものが最も大切なものだと思います。
環境サミットを開催する以上、ぜひとも環境先進区足立区を目指して、ほかの先進的な取り組みをしている自治体に負けないよう、積極的な政策を今後進めて いっていただきたいと思います。