決算特別委員会の質問内容 第2弾:「一人暮らしの高齢者対策」
少し間があいてしまいましたが、先月、行われました区議会定例会の決算特別委員会での質問の第2弾といたしまして、「一人暮らしの高齢者対策」について
行った質問・提案と行政側の答弁についてご紹介します。
近年、お年寄りの孤独死が大きな社会問題になっています。
足立区で、そのようなことが起こったという話しは、聞いていませんが、多くの一人暮らしの高齢者の方が生活する足立区において、問題が起こる前に、ぜひ
とも万全の対策をとっていただきたいと思い、今回の質問を行いました。
都会での生活は、近所付き合いが希薄になりがちです。
東京23区の中で、人情味ある下町の雰囲気をまだ残していると思われる足立区でも、多くの都営住宅やマンションなどが建設され、隣近所で暮らす方への関
心が薄れてきているのではないでしょうか?
私の提案する「足立区で暮らすみんなにとって優しい街・安心して暮らせる街」の実現のためには、地域の皆さんがお互いに気遣い、お互いに支えあい・助け
合うことが不可欠です。
今回は、特に「高齢者の孤独死防止」という観点から、質問と提案を行いました。
−−−以下、議事録要旨(抜粋)−−−
【長谷川】
次に、ひとり暮らしの高齢者の孤独死対策についてご質問をさせていただきたいと思います。
近年、ひとり暮らしの高齢者の孤独死が社会的な問題となっています。これは近所つき合いが希薄なりがちな大都市ほど起こりやすいということです。
現在、孤独死防止に向けて全国で多くの自治体がさまざまな取り組みを行っています。
例えば京都市のある地域では、毎日ひとり暮らしのお年寄りが玄関先にばらの花を朝出して、夕方に取り入れをすることによって、地域の皆さんでひとり暮ら
しのお年寄りを見守るという取り組みが行われています。
足立区でもヤクルト訪問事業という制度があるそうですが、これはひとり暮らしのお年寄りに毎日乳酸飲料をお届けして、お元気な姿を確認するというもので
す。
このサービスを受ける条件として、70歳以上でひとり暮らしの方、500メートル以内に親族のいない方、老人福祉施設等に入居していない方、緊急通報シ
ステムを設置していない方、民生委員が訪問を必要と認めた方の五つの条件をすべて満たした方のみサービスを受けられるとなっています。
この5つの条件をすべて満たして、実際にサービスを受けている人はおよそ850人で、70歳以上のひとり暮らしの方の中で3.4%に当たるということを
お聞きしまして、これは大変低い数字だと思いましたけれども、この数字についていかがお考えですか。
<社会福祉協議会(事務局長)>
70歳以上の人口2万5,000人に対して850人、これは数字的に少ないというご意見でございますが、これは数字的に見ますと確かに3、4%というこ
とで低いわけでございますけれども、実際の受給該当者を推定してみますと、それほど低い数字ではないのではないかと見られます。
なぜかというと、この70歳以上2万5,000人という数字でございますけれども、これ住民記録台帳上の数字を想定したものでございますが、この中には
2世代、3世代でお住まいの方ですら、住民票だけ単独に登録しているという方がいらっしゃいます。
これ想定しますと、少なくても3割程度はいらっしゃるのではないかと。もしかしたらもっといらっしゃるかもしれないという数字になっております。
先はどの500メートル以内に身内の方がいらっしゃるという方も相当数いらっしゃるだろうと。
言葉が適切カどうかわかりませんが、天涯孤独の70歳以上の独居の方というのは、それほど多くはないんじゃないかと思われるわけです。
それから、さらに、先はどの緊急通報システムの利用者、それから、高齢者施設への入所者、あるいは入院されている方という方を見ますと、この3.4%、
そういう方を控除いたしますと、これが3倍、4倍、10%、15%になるのではないかと考えられます。
これについては、いま災害対策謀の方で避難者支援プランですか、あちらの方の作成をしておりまして、これが集計されればある程度の正確な数字が読めるの
ではないかと思いますけれども、いずれにいたしましても、単なる3.4%よりも実数としてはもっと大きな数字だと理解してございます。
また、私ども社会福祉協議会といたしましては、地域の民生委員さん540名いらっしゃるわけでございますけれども、毎年受給者の方の現況調査をお願いし
ております。
その中でこのひとり暮らし訪問の制度の趣旨を説明いたしまして、まだ利用を受けておらない方、希望されている方、そういった方についても調べていただい
ているわけでございますので、実数は多いと考えております。
【長谷川】
70歳以上のひとり暮らしの中で3.4%というと、96%以上の方はこのサービスを利用されていないということで、私が思ったのは、それだけ数字が低い
というのは、この条件に何かしらの問題があるのではないかという点です。
例えば500メートル以内に親族がとかありますけれども、親族というのは、何親等の方を言うのか。
それから、民生委員が訪問を認めた方と条件にありますけれども、どのような場合でそれを認めて、どのような場合を認めないのか、その基準というのはどこ
にあるのか、これだと、例えば民生委員の裁量に大きく左右されるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
<社会福祉協議会(事務局長)>
まず、500メートル以内の身内ということでございますが、基準は身内ということではございませんけれども、通常私ども審査があったときに考えますの
は、親子、兄弟ということは二親等でございます。まれに甥御さん、姪御さんということで三親等ですけれども、大体この範囲の中で、また交流があるという方
を身内がいるというふうに見ております。
また、民生委員さんの状況調査ということでございますが、これをすべて確認するときの外観上、申請書類、これにかなっているかどうかというところで見て
いただきますので、詳細な審査をしていただくということではございません。
また、民生委員さんがこれに対して裁量を持って判断するかというと、これはございません。
<区長>
先ほどご答弁申し上げましたように、いま全高齢者の独居世帯につきまして、民生委員の方々に全部現況を調査していただいているところでございます。
そこである程度の実態が浮かび上がってくると思いますので、それにあわせて、いま委員がご指摘になりました基準についてそうではないだろうか、きちっと
考えながら独居の方の孤独死を抑えていく、何かいまの制度に穴があれば対応していきたいと考えております。
【長谷川】
いま区長がおっしゃってくださいましたように、きちんと調べていただきたいと思います。
また、いまのままだけだと、例えば担当者によって解釈が変わったり、裁量が入ったりしすぎて、基準があいまいな部分があると思います。
広く解釈される部分には問題ないと思うのですけれども、それが狭く解釈されてしまって、必要な方がそこから漏れてしまうということは、やはり問題だと思
いますので、そうならないように、きちんとした基準をつくるとか、そういうことをぜひお願いしたいと思います。
次に、緊急通報システムについてですけれども、ペンダント方式のボタンがついたものとお聞きしているのですが、これについても入浴中に具合が悪くなった
り、階段から落ちるなど、本当に緊急のときほどボタンを押して通報できないという状況も考えられます。
そこで、例えばひとり暮らしのお年寄りの自宅の電気や水道メーターにシステムを取り入れて、異常な使用があった場合とか、極端に使用されなかった湯合と
か、そういうときに自動で通報するようなシステムを、足立区でも導入することを検討されてはいかがかなと思いますがいかがでしょうか。
<高齢サービス課長>
ライフラインを活用いたしました安否の確認でございますけれども、昨年度東京都の水道局がその実用化に向けて検討に入りました。これらを踏まえまして検
討してまいりたいと考えております。