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2月25日の一般質問の内容 Part 1:ユニバーサルデザインの導入

 今日から、先日行いました、本会議での一般質問の内容をご紹介します。
 一般質問では、「足立区に暮らす全ての人にとってやさしい街づくり」として、
  1.足立区の施設等へのユニバーサルデザインの導入
  2.多文化共生・中国残留帰国者問題の課題と対策
の大きく2つのテーマについて質問を行いしました。

 今日は、その中で「足立区の施設等へのユニバーサルデザインの導入」について、紹介します。


 一昨年の12月の私の初めての代表質問で、「足立区へのカラーユニバーサルデザインの導入」をお願いして以来、予算特別員会や決算特別委員会などでも、 カラーだけでなく、広く区の施設等へのユニバーサルデザインの導入を訴えてきました。
 実際に、あだち防災マップを始めとして、いくつかの取り組みが形となって表れてきています。

 今後、これが一過性の取り組みで終わることなく、足立区が全国でも先進区としてさらに進むよう、今後の取り組みや、その仕組み作りについて、質問・提案 をしました。

 最後に、質問の議事録を記載します。
——————以下、本会議の議事録の要旨です——————

(本会議での質問は、まず始めに、質問者が全ての質問を問いかけ、その後に、行政側が、質問に順番に応えていくという形ですが、今回は、質問と答弁を対応 しやすくするため、質問と答弁を交互に記載しました)


[長谷川]
 私が、この本会議の代表質問で、「カラーユニバーサルデザインの導入」の提案をさせていただいてから、1年が過ぎました。
 その後、近藤区長をはじめ、区の職員の皆様のご理解とご尽力のおかげをもちまして、色使いに配慮する「カラーユニバーサルデザイン」という考え方が、足 立区の中でも少しずつ浸透をし、また実際に形となって現れてきています。
 誠にありがとうございます。

 先日、足立区内全戸に配布された「あだち防災マップ」にいたっては、全国で初めて、カラーユニバーサルデザイン認証マークがついた防災マップということ で、NHKをはじめ、新聞、テレビなどでも何度も取り上げられました。
 これは、足立区がカラーユニバーサルデザイン先進区を目指す上で、大きな前進だと思います。
 また、以前、私が提案させていただきました、カラーユニバーサルデザインのガイドラインの作成も、現在、進んでいるとお聞きしています。

 そこで、今後の取り組みの進め方について、ご提案とご質問をいたします。

 実際、私がこのカラーユニバーサルデザインの勉強をするために、他の自治体などの調査をしたところ、ガイドラインを作成したり、職員の研修をしたり、 ホームページなどの色使いの配慮をしたりする自治体はありました。
 しかし、それらの自治体において、そこで終わってしまっている場合が多くあります。
 足立区も、ここで止まることなく、さらに取り組みを進めていき、本当に「先進区」として、全国に先駆けてもらいたいと思います。

【問】
 そこで、現在のNPO法人との協働事業も今年の3月で終了するとお聞きしていますが、今後、どのように取り組みを進めていくお考えか、お伺いします。

<総務部長>
 カラーユニバーサルデザインのご質問のうち、今後の取り組みの進め方についてお答えします。
 平成20年度の協働事業では、あだち防災マップの作成などで、NPO法人から具体的な助言を得て、カラーユニバーサルデザインの改善を実施してまいりま した。
 この経験を踏まえ、3月完成予定のカラーユニバーサルデザインガイドラインをもとに、職員の知識や技能を高めてまいります。
 また、改善実例の継続的な全庁周知を行い、取り組みの浸透を図ってまいります。



【問】
 次に、現在、区役所本庁舎内の、トイレの表示一つを見ても、そのデザインが各館で異なっています。
 なかには、その色使い等に問題があるものもあると聞いています。庁舎のサイン等の見直し状況はどうなっているか、お尋ねいたします。

<資産管理部長>
 ユニバーサルデザインに関する資産管理部所管の質問にお答えします。
 サイン表示等につきましては、区民へのサービスアップの一環として、色の統一化やデザインの一本化について庁内で検討を進めており、カラーユニバーサル デザインも含めて、改善していく予定であります。



【問】
 今後、足立区でも、サイン等の統一性を確保するために、JIS規格に準拠したり、カラーも含め、ユニバーサルデザインに配慮するなどした、統一的なサイ ンマニュアルを作成してはいかがでしょうか?

<都市整備部長>
 統一的なサインマニュアルの作成についてお答えします。
 ユニバーサルデザインへの視点を強化する方向で、足立区サインデザインマニュアルの見直しを予定しています。
 関係各部やNPO等の意見を踏まえJIS規格を準拠するなど、より分かりやすいサインマニュアルへと改訂してまいります。



【問】
 また、公共施設等のサインを設置する際に、実際に、そのサインマニュアルにそったサインを導入していくことが必要です。
 たとえば、公共施設等整備基準や公共施設建築物整備基準などで、サインマニュアルに沿ったサインの導入を義務付けるなどをしてはいかがでしょうか?
 施設の整備を進める際に、サインに関する統一的な基準があれば、どの公共施設にも応用することができます。ぜひ、ご検討をお願いいたします。

<資産管理部長>
 公共施設等のサインを設置する際には、現在、区の統一的な基準がないため、施設ごとに「バリアフリー法」や「官庁施設のユニバーサルデザインに関する基 準」を遵守しつつ、利用者の視点に立ち、わかりやすいデザインに心掛けて設置しています。

 また、現在区の建物については、人や環境にやさしい建物が統一的につくられるような基準作りを目指した「公共建築物整備基準」の策定を進めています。
 この中にカラーユニバーサルデザインに配慮し、誰もがわかりやすいサインを統一的に導入できるように、施設のサインにつきましても具体的な基準を位置付 けてまいります。今後、建設する区の施設はこの条件を満たすことになります。
 また、「公共建築物整備基準」を「公共施設等整備基準」の中に位置付けることにより、国や都へもお願いしてまいりたいと考えております。



[長谷川]
 次に、多くの自治体などで、カラーも含めて、ユニバーサルデザインの導入を進めるにあたって、なかなか参考になる地域、建物がないという話をよく聞きま す。
 以前にも、ユニバーサルデザインに配慮した街づくりを進めるために、ユニバーサルデザイン特区のご提案をいたしました。

【問】
 そこで、今後、整備が予定されている地域や、新設・改修が予定されている区の建物、また、区役所本庁舎等を、カラーも含め、ユニバーサルデザインを全面 的に導入し、たとえば、ひとつの建物まるまるユニバーサルデザインに配慮されているなど、ある種のモデルケース、いい見本となるような整備を、足立区で進 めてはどうかと思いますがいかがでしょうか?
 「ユニバーサルデザイン、カラーユニバーサルデザインを導入するときには、足立区のあの地域やあの建物を参考にすればよい」といった地域や建物がひとつ でもできれば、足立区で今後、ユニバーサルデザインを進める際の基準や参考になるだけでなく、他の自治体などが取り組みを進める際のお手本にもなり、先進 区として、全国に発信していくことができると思います。

<資産管理部長>
 今後、整備が予定されている地域についてですが、西新井大師周辺地区において、東京都の「ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業」の導入を目指して おります。
 今後、事業計画を策定し、面的に事業を進めていく予定です。

 区で整備する施設へのカラーを含めたユニバーサルデザインの導入につきましては、今年度建設している施設から、「どこでも、誰でも使いやすい」というユ ニバーサルデザインの視点を踏まえ、バリアフリーを包含した総合的な建物づくりを進めています。
 特に、カラーユニバーサルデザインにつきましては、今年度建設しております「鹿浜いきいき館」で、NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構にサイン計画をチェックしていただき、その意見を反映させる等の取り組みを行っています。
 今後、整備が予定されている「中川区民事務所」では、カラーを含むユニバーサルデザインを導入し、施設を利用する誰もが、快適かつ円滑に利用できるよう な施設とし、今後の施設づくりのモデルケースとなるように整備してまいります。



【問】
 次に、足立区カラーユニバーサルデザインガイドラインを、現在作成中とのことですが、各小・中学校、幼稚園、保育園、住区センターにも配布し、ガイドラ インに沿った取り組みを徹底してもらうとともに、施設だけでなく、区内の小・中学校の中で、校内の掲示物やチョークや教材、授業内容など、人権教育推進校 の一環として、カラーも含め、ユニバーサルデザインに配慮した推進校を設定してはいかがでしょうか。

<教育指導室長>
 まず、足立区カラーユニバーサルデザインガイドラインについてお答えします。
 各小学校等では、今後配布される足立区カラーユニバーサルデザインガイドラインを活用し、ユニバーサルデザインに配慮した教育活動を推進するように指導 してまいります。
 次に、ユニバーサルデザインに配慮した推進校についてお答えします。
 すべての学校において、児童・生徒一人一人を大切にし、それぞれの発達の段階に即した、人権教育を進めていくことは大変重要なことであります。
 今後も、人権教育推進校をはじめ、すべての学校がユニバーサルデザインに配慮した教育を推進できるように、情報提供をするとともに、人権教育研修等の一 層の充実に努めてまいります。



【問】
 さらに、できるところからの取り組みとして、区の印刷物やホームページなどへのカラーユニバーサルデザイン導入も、引き続き、進めていっていただきたい と思います。
 例えば、予算資料の中にあるように「あだちカラーマップ」や「母子健康手帳」を新しくする際や、ハザードマップ、ごみ分別表、ホームページ、あだち公報 などの全ての区民の皆さんが目にするものについて、作成する際には、その色使いへの配慮を行ってもらいたいと思いますがいかがでしょうか。

<総務部長>
 次に、区の印刷物やホームページなどへのカラーユニバーサルデザインの導入についてお答えいたします。
 区の作成する印刷物やホームページなどのカラーユニバーサルデザインについては、印刷物の発注の際に、カラーユニバーサルデザインガイドラインのチェッ ク項目を確認し、仕様書にカラーユニバーサルデザインへの配慮を盛り込むなど、引き続き色使いへの配慮を積極的に進めてまいります。



【問】
 また、以前に私が予算特別委員会で紹介したような、カラーユニバーサルデザインに対応したチョークについては、従来品と値段も同じで、すぐにでも全校に 導入することが可能だと思います。
 次回、購入の際には、カラーユニバーサルデザインに配慮したものを購入するように、各学校に伝えてはいかがでしょうか。

<教育指導室長>
 昨年度の予算特別委員会で答弁させていただいたとおり、大手のチョーク製造会社では、カラーユニバーサルデザイ対応のチョークに切り替えており、すでに 多くの学校で使用しております。
 なお全校での導入に向けましては、引き続き校長会等で情報提供すると同時に、指導してまいります。



[長谷川]
 次に、現在までに区の職員や先生方の意識を高めるために、研修会が行われていますが、今後、たとえば、実際に案内表示や印刷物を製作する事業者、そして 区民の皆さんへの啓発活動も重要だと思います。
 以前、北海道のあるメディアでは、カラーユニバーサルデザインの特集番組を制作し、放送したところ、大きな反響があったそうです。

【問】
 そこで、ケーブルテレビ足立では、現在、足立区の公報番組として「好きです。足立」が放送されていますが、千住の大型シティービジョンやケーブルテレビ 足立などのメディアを用いて、カラーも含めたユニバーサルデザインの特集番組を企画し、広く分かりやすく区民、事業者に広めていくことも大切だと思います が、いかがでしょうか?

<政策経営部長>
 ユニバーサルデザインの特集番組に関するご質問にお答えします。
 区ではご提案のユニバーサルデザインについては、映像メディアを通して区民に発信していくことは重要なことであると認識しております。
 今後、区民に対してどのような形で情報発信していけるかも含め、検討してまいります。



[長谷川]
 最後に、区の取り組みの進め方として、以前に「ユニバーサルデザイン推進課」のような専門部署の新設もご提案させていただきました。
 区の限られた予算、人員の中では決して簡単なことではないことは十分に理解できます。

 しかし、行政の一部署だけで担当した結果、なかなか全庁的な取り組みとして広がらないという例も、他の自治体で多く見られます。
 そこで、まずは全庁横断的な取り組みを進める方法として、各部署に、ユニバーサルデザイン担当を置き、その部署で企画、立案、実行される政策がカラーも 含め、ユニバーサルデザインに配慮されたものかをチェックするような仕組みはできないでしょうか。

 環境サミットにお越しいただいた多治見市長は、多治見市のすべての政策は、環境に配慮されているかチェックする仕組みがあると、おっしゃっていました。
 多治見市が環境先進区として、国内外で評価されているのも理解できます。

【問】
 本来であれば、ユニバーサルデザイン推進担当の部署を設け、足立区の全ての印刷物、サインなどをチェックすることが望ましいですが、難しいようであれ ば、足立区でも、各部署においてのすべての政策や製作物について、ユニバーサルデザインに配慮されているかをチェックする担当や仕組みを作り、カラーも含 めた、ユニバーサルデザイン先進区を目指してはいかがでしょうか。

<政策経営部長>
 ユニバーサルデザインにつきましては、既に対応を進めているところですが、ご提案のユニバーサルデザイン推進担当部署や各部におけるユニバーサルデザイ ン担当の設置につきましては、今度のユニバーサルデザインの取り組みの中で検討してまいります。
20090225

20090228

本会議での質問の様子です。