代表質問の内容⑩ : 防災対策:足立区の防災指令センターについて
引き続き、代表質問の内容のご紹介です。
今回は、防災対策のうち、区の防災指令センターについて行った部分をご紹介します。
防災指令センターは、言うまでもなく災害時に拠点となる場所です。
災害発生時には、区長をはじめ区の幹部職員、消防、警察、地域の防災に取り組む皆様まで、多くの人が大混乱の中で、行き来することになると考えられます。
その防災指令センターが、足立区では本庁舎の7階にあります。
この状況は、残念ながら大規模災害時に機動的に運用できるか疑問が残ります。
例えば、大規模な地震の時には、停電になったり、水道などのライフラインも止まることが予想されます。
また、自家発電で対応するにしても、構造的にゆがみや地震後の点検などで、エレベーターが使えないこともあります。
エレベーターが使えない状況で、また電話なども使えない可能性のあるなかで、情報収集や連絡のために、7階の指令センターまで、階段で上り下りしなければならないことになります。
また、水道が使えなくなれば、お手洗いも使用不可となり、トイレのためにわざわざ1階まで移動しなければならないことも考えられます。
また人の行き来だけでなく、食料や水なども運ばなければなりません。
これらのことを考慮すると、防災指令センターが7階という高層にあるのは、問題が生じる可能性があることは容易に予想できます。
(実際に区が作成した資料にも、災害時の高層階の懸念が書かれているものもあります)
防災指令センターには、大規模な機材が入っており、すぐに移転させることは現実的ではないことは認識しています。
もちろん、水害などで1階が水に浸かる危険、低層階は住民サービスの窓口に使用したいなどの事情があることも理解しています。
その上で、実際に人の動き、物の動きなどしっかりと検討して、より現実的な対応として、2階なり3階なりに仮の指令センターを設置することも可能な対応マニュアルを準備しておくことを求めました。
区民の皆様の命にかかわることは、「想定外」では済みません。
あらゆる可能性を考え、準備をしておくことために、ひとつでも懸念事項を解消していきたいと思います。
*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****
<長谷川>
次に、足立区の防災指令対策についてご質問します。
足立区では、危機管理室や防災センターが本庁舎の7階にあります。
地震などの災害時には、停電であったり、揺れの影響、その後の安全点検などから、エレベーターが長時間、長期間にわたり使えないことも予想されます。また、水道がとまり、トイレが使えなくなるかもしれません。
そんな状態の中、足立区の防災の指令室が本庁舎の7階にあるというのは、移動の面でも、運用の面でも問題があるのではないでしょうか。
防災センターと外部を行き来するたびに、7階まで階段で上り下りするのは大変で、時間も体力も要します。トイレに行くにも、1階に設置されるであろう仮設トイレまで行かなければならなくなるかもしれません。
人の行き来だけでなく、資料や水、食料なども運ばなければなりません。
本来なら、情報連絡なども含めて、スムーズに移動できる低層階にあるのが望ましいと思います。
実際に、東京23区で比べてみても、災害時の防災センターを建物の5階以下に整備してある区が18あり、足立区は、文京区の15階、台東区の10階に次ぐ3番目の高さにあります。
区の担当者に聞いたところ、階段の上り下りをするとのことですが、災害時に防災センターがある7階まで階段で上り下りするのが現実的な運用であると言えるかには、疑問が残ります。
【問】
7階の防災センターにある施設を低層階に移転するには数億円かかると言い、すぐに移転させることもまた現実的ではないかもしれませんが、今後の検討課題にすべきと思いますので、いかがでしょうか。
【問】
また、現実的な運用として、2階なり3階なりに必要な機材を集めて、臨時の防災センターを設置できるようなマニュアル整備、シミュレーションも行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
幾ら立派な設備でも、実際の運用に不便が生じるようでは、防災対策、危機管理として問題があります。どのような状況でも、防災センターが機能する体制の検討を求めます。
(答弁)
【危機管理室長】
次に、防災センターの設置階につきましては、庁舎の設計段階において、防災センターとしての信頼性評価を得ていることに加えて、大がかりな情報システム機器を設置する設備とも一体的なものであり、他の階への移設は困難であります。
今後の津波や洪水の想定見直しを勘案しつつ、将来の検討課題とさせていただきます。
なお、予備的な機能補完につきましては、今後の庁舎やシステムの更新に合わせ、対応を検討してまいります。