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代表質問の内容⑪ : 防災対策:着衣水泳・二次避難所の名称・避難勧告の発令基準

 何回かに分けてご紹介してきた代表質問の内容も今回で最後です。
 今日は、防災対策のうち、「着衣水泳」と「2次避難所の名称」、「避難勧告の発令基準」について行った質問をご紹介します。


 着衣水泳については、いざという時に身を守る手段として、一度でも経験があると効果があるといわれています。
 私もこれまでにも議会で提案してきており、区内の8割近い小学校ですでに実施がされています。

 実施時期や指導員の確保、水質の悪化などの課題もありますが、川に囲まれているという地域性も考慮にいれ、全ての児童が一度は体験できるよう、全小学校での100%を提案しました。


 二次避難所については、一般向けのほかに「福祉向け」のものがあります。
 より分かりやすく区別が出来るよう、福祉向けの避難所の名称を「福祉避難所」など、分かりやすいものにすることを提案しました。


 最後に、「避難勧告」「避難指示」などの発令基準について質問いたしました。
 全国各地で、毎年のように水害により大きな被害が出ています。

 その際に、被害を最小限に防ぐために、自治体が発令する「避難勧告」「避難指示」などの発令のタイミングが重要になってきます。


 平成16年の水害を受けて、内閣府では避難勧告などのガイドラインを作成し、各自治体に発令基準の策定を呼び掛けていますが、およそ4割の自治体で、具体的な基準が未策定とのことです。
 足立区でも「河川が警戒水位を突破し、洪水のおそれがあるとき」などの規定があるようですが、最終的には「誰が、なにをもって洪水の恐れがあると判断するのか」という課題が残ります。


 災害により混乱した状態や十分な人員が参集出来ないような状況でも、遅滞なく判断が下せるよう、より具体的な発令基準の策定を求めました。

 例えば、川の水位はもちろんのこと、上流の降水量や上流の水位、過去のデータなどから、ある程度、危険な状態を数値化することも出来ると思います。
 もちろん、その発令基準にとらわれすぎることは、かえって判断を遅らせる結果になることも十分考えられます。

 混乱の中で分かりやすく具体的な基準(数値)を策定するとともに、柔軟な運用が出来るよう、今後も対策を求めていきたいと思います。



*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****

<長谷川>
 次に、災害時に子どもたちを守るという観点からご質問いたします。
 足立区では、地震の他に、川の氾らんによる水害にも備えが必要であるのは言うまでもありません。水害に見舞われたとき、自分の身は自分で守ることも含め、子どもたちへの着衣水泳の講習をこれまでも提案してきました。

【問】
 現在、足立区の小学校のおよそ8割で、着衣水泳の授業を実施しています。着衣水泳は、一度講習を受けるだけでも効果はかなりあるとお聞きしますので、区内の小学校での100%実施に向けて、残り2割の学校に対して、区として働き掛けをするべきと考えますが、いかがでしょうか。


 次に、避難所の名称についてご質問します。
【問】
 二次避難所には、福祉向けとその他一般向けがありますが、福祉目的のものに関しては、区民にわかりやすく「福祉避難所」という名称にすべきと考えますが、いかがでしょうか。


 最後に、災害発生のおそれがあるとき、また実際に災害が発生したときの避難準備情報、避難勧告、避難指示についてご質問いたします。

 先日の紀伊半島で発生した水害において、川の氾らんにより大きな被害を受けた地域の中に、避難指示、勧告などが出されていなかった自治体もあったようです。
 足立区地域防災計画や国の法律には、区が避難準備情報や避難指示などが出せるという規定がありますが、その発令基準については、それぞれの自治体で決定することになっています。

 平成16年の水害を受けて、内閣府では避難勧告などのガイドラインを作成し、各自治体に発令基準の策定を呼び掛けています。
 平成21年3月の総務省の調査では、全体の42.6%、最新の報道では、約60%の自治体で、地域防災計画や災害マニュアルなどの中でそれらの具体的な発令基準を定めているとの報告もあります。
 担当課に確認したところ、残念ながら足立区では、具体的な判断基準、発令基準は策定されていませんでした。


【問】
 災害のおそれのあるときに、スムーズに避難勧告などが発令されるよう、足立区においても、避難準備情報、避難勧告、避難指示の発令について具体的な発令基準を規定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。


 最後に、今回の東日本大震災は大変な被害をもたらしましたが、同時にたくさんの教訓も得ることができました。
 足立区が区民の皆様にとって安全で安心できるまちになるよう、もう一度防災計画のみならず、区の様々な体制、業務の見直しを求め、質問を終わります。



(答弁)
【教育指導室長】
 私からは、着衣水泳についてお答えをいたします。

 最近、水難事故等の報道がされる中、児童が自分の身を守る手段としての着衣水泳の実施は効果があるものと考えております。
 ご質問のとおり、各学校に対しまして、改めて、体育の授業や安全教育等で着衣水泳を実施するよう指導してまいります。


【危機管理室長】
 次に、第二次避難所の名称につきましては、東京都の地域防災計画に合わせ設定しておりますが、「福祉避難所」の名称の扱いにつきましては、統一的に表記する必要があるため、関係部署と調整してまいります。


 次に、水害の避難勧告等の発令についてお答えします。
 具体的な判断基準、発令基準は策定されていないとのご指摘ですが、河川が警戒水位を突破し、洪水のおそれがあるときなどの基準が、地域防災計画に明記されております。

 避難勧告に当たっては、単にその時点の水位だけでなく、上流河川の雨量などの要素も合わせ、総合的に判断しなければ、かえって発令が遅れるおそれもあることから、単純な数値化は危険と判断し、規定する考えはございません。