決算特別委員会の質問⑧ : 男女共同参画への取り組み
今日も、決算特別委員会の続きです。
今回は、「男女共同参画」について行った部分をご紹介します。
男女共同参画というと、「私が女性だから・・・」と思う方もいるかも知れません。
しかし、実際に足立区で暮らす皆様の半数は女性であり、多くの方がご家族の中に女性がいらっしゃると思います。
男女共同参画を考えることは、決して女性のためだけではないと考えています。例えば、男性が少ない分野では、もちろん男性のお声を取り入れ、積極的に参画してもらうべきです。
そして、足立区で男女共同参画が進み、男性も女性も同じように働き、活動することが出来れば、この男女共同参画を推進する部署はなくなってもよいと考えていますし、そのような社会に向けて取り組みを進めていきたいと考えています。
代表質問でも取り上げましたが、足立区では条例で、平成27年まで審議会などの女性比率40%と掲げています。
しかし、現実は25%前後であり、近年低下さえしています。
27年度の40%達成に向けて、具体的な数字を含めた工程表が必要です。
東日本大震災では、防災会議のメンバーに女性が少ないために、避難所の運営などで、女性ならではの視点や女性への配慮に欠けた部分があったとお聞きします。
より幅広い見地からの議論をするためにも、男性と同じく女性の意見も聞き、反映されるような区政運営を求めていきたいと思います。
***以下、委員会の質問と答弁(抜粋)です。(読みやすいように、一部修正)***
<長谷川>
本日は、最初に男女共同参画についてご質問させていただきたいと思います。
男女共同参画については、代表質問でも触れさせていただきました。
区民向けの啓発活動も大切ですけれども、まずは区役所の内部から進めていかなくてはいけないものだと思っております。
本来なら、男女共同参画などは、あえて言わなくても、男女が同じように活躍できる環境が理想ですが、足立区のみならず、日本社会を見ても、現実はそうなっていません。
この取り組みは軌道に乗るまで行政が引っ張っていかないといけない種類のものです。
これは男女共同参画だけではなく、例えば差別の問題などでも同じことが言えると思います。
もちろん、将来的に男女共同参画が当たり前になれば、いずれ男女共同参画の担当部署はなくなるべきでありますし、それを目指すべきであることは大前提としてご質問をさせていただきます。
さきの代表質問で、条例にある審議会などの女性比率40%については、平成27年までに達成するとの答弁がありました。
4年後に現状の25%から40%に引き上げるというわけですが、途中で評価するためには、何かしらの目標が必要だと思います。そこで、目標に達するまでの、毎年なり中間目標なりはありますでしょうか。
【男女共同参画推進課長】
40%の達成を目指すには、毎年4%の上昇、アップをしていかないと27年度の40%にはなりません。その中で、課題が三つぐらい大きく上げられます。
一つは、団体の代表に、どうしても男性が多いということ。
それから、二つ目は、学識経験者の委員の数が、圧倒的に男性が多いということ。複数の学習経験者がいらしたとしても、男女ではなくて、男性のみになっている場合が多いということです。
それから、三つ目に、公募委員が少ないということがあります。公募制を取り入れている審議会が少ないということです。
この三つを解決するには、まず、女性の新しい若い世代の団体を育成する必要があるだろうというふうにも思っております。
そこは、プラザでも行っておりますし、関係所管にもお願いしたいと思っています。それから、学識経験者が複数配置される場合、男女比をアップしてほしいということと、それから、公募制も、まだのところは取り入れてほしい。
こういった努力で、各審議会が改選期に1名ないしは2名をアップすれば、女性をふやせば、目標の40%に達成いたしますので、そういったことを今後、各所管にお願いしながら進めていきたいと思っています。
<長谷川>
いま上げた課題については、ぜひ全庁的な取り組みで進めていただきたいと思っております。
社会的に、もう少し軌道に乗るまでは、ぜひとも区長にリーダーシップを持って引っ張っていってもらいたいと思っておりますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。
次に、足立区の管理職一覧を見ますと、管理職の女性のポストが、福祉的な分野に偏っているような感じがいたしました。これは、何か意図がある人事なのでしょうか。
【区長】
人数的に思われているのかもわかりませんが、かつては存じ上げません。
私になってから、一切そういうこともございませんし、改めて意識的に、私は、いままで男性のポストだというふうに考えられていたところに、女性をあえて配極するように考えておりますので、それは、議員の危倶だというふうに断言させていただきます。
<長谷川>
区長の思い、しっかりとわかりました。
私が客観的に見たときに、人数的に福祉のところについている管理職の女性がとても多かったので、どうしてかなと、素朴な疑問を抱きまして、質問をさせていただきました。
【区長】
補足をさせていただきます。
確かに、いま、そういう状況になっております。
例えば保育士から管理職に受かった場合というような場合には、なかなか、事務経験に乏しいというような現実的な問題もございまして、まず、福祉事務所等で経験を積ませて、また次のステップアップということを考えているというような、少し実務的な面の配置、事情もございます。
<長谷川>
実務的な部分という部分で、確かに、いろいろな経験を積まれてから、いろいろな分野に行かれるというのも、確かに必要なことだと私も思います。
やはり足立区の役所全体を見たときに、女性の職員は、かなりの人数いらっしゃるわけです。
足立区の800以上ある事業の中で、すべての施策において、女性の視点というのを、もちろん区長も女性でいらっしゃいますので、いまも入っているかとは思いますけれども、これから、もっと管理職のいろいろな女性の方々の、例えば重要な決定の場である管理職の会議の場に出られるような組織づくりというのも、今後、積極的に進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
【副区長】
管理職に限って申し上げますと、やはり一つ、選考というのがございまして、やはりこの選考を経てこないと管理職になれないということから、女性の管理職をできるだけふやすという、これまた努力をする必要があると思います。
もう一つ、係長級ですが、あるいは職員としての数が結構少なくなります土木職、建築職、これについては、採用の段階で女性をとるということで、恐らく土木とか建築の方へ行かれて、女性の職員が多いということに気づかれるんじゃないかと思います。
そういう中で努力していきたいと思います。
<長谷川>
確かに私も土木部に行って、女性がたくさんいらっしゃるのは目にして、よくわかっております。
ただ一つ、危機管理室に女性がいないのが、この間、お話お聞きしたらゼロということでしたが、そういう部分についても、女性を配置する必要ではないかなと、思っております。
管理職ポストについてもそうですが、女性比率の向上と男女のバランスをとった形で、もちろん実務経験という部分も、やはり比重を占めてくるポイントになるかとは思いますけれども、男女のバランスをとられるようなポスト配置というのも、今後お願いしたいなと思いますが、いかがでしょうか。
【総務部長】
先ほどのご質問の中で、かつてどうだったのかということもありましたけれども、かつて私は女性の政策経営部長のもとで財政課長を務めたこともあります。
決して男女の別で、そういったポストが決められているということはないと思いますし、適材適所でやっているということは間違いないというふうに自信を持っております。
ただ、圧倒的に管理職の中で女性が少ないというのは、間違いありません。
これは、どんどんふやしていくべきだというふうに考えております。
また、いま危機管理室のお話がありましたけれども、私も、かつて危機管理室におりましたし、ただ、かつて災害対策課のときには、女性の職員もおりました。
そういった希望する職員が少ないということも、ぜひご記憶いただきたいと思うんですけれども、今後は、そういったところに、あえて女性の職員を配置するようなことも、私は必要だというふうに思っておりますので、来年の人事では、そういったことも含めて、全庁に、そういう職場がないのかチェックをして、もう一つあるとすれば、選挙管理委員会事務局ですけれども、これも私もかつていたところでありまして、私がいたときには女性がおりましたが、いまはいないという。
これはなぜかというの、ちょっと私もわからないんですけれども、こういったことも、つぶさにチェックをして、人事異動に生かしたいというふうに考えております。
<長谷川>
ぜひ、いろいろなポジションに女性を起用していただきまして、いろいろな施策において女性の視点というのは、とても重要でもありますので、ぜひ進めていただければと思っております。