決算特別委員会の質問⑨ : 防災センター機能のバックアップ
何回かに分けてご紹介してきました決算特別委員会の内容も、今回で最後です。
今回は「防災センター機能のバックアップ」について行った質問の部分です。
この件は、前回の代表質問でも少し取り上げました。(詳しくは、2011年12月26日の記事をご覧ください。)
足立区の防災の司令塔となるべき「防災センター」が本庁舎の7階にあるのは、災害発生時にさまざまな問題を引き起こす可能性があることを指摘させていただきました。
例えば、地震で被害を受ければ、エレベーターは使えません。また、エレベーターそのものに被害がなくても、停電になれば、やはり使えません。
水道も使えなければ、トイレの度に1階の往復が必要になるかも知れません。
そもそも防災センターでの会議の資料や、そこで作業する人の水や食料も7階まで運ばなければなりません。
これが低層階であれば、大きな問題にはならないかも知れませんが、7階ともなると、その往復だけで相当な負担になることは、想像に難くありません。
もちろん、立派な設備が整っている防災センターを動かすことは、困難なことは分かりますが、運用面でより多くの困難が予想されます。(そもそも地震や停電でその設備の機能が十分に稼動しないこともさえ考えられます)
東日本大震災で学んだことを教訓に、低層階に防災センターの機能を設置することも、想定しておくべきと考えます。
そのためには、事前にどの部屋が利用可能か?どの機材、システムが利用可能か?などを、あらかじめマニュアル化しておけば、防災センターのバックアップ機能を設置する際の混乱は最小限に抑えることが出来ると思います。
区の担当職員に、基準の策定やマニュアル化の話をすると「その場の判断で・・・」という言葉がよく返ってきます。
もちろん、最終的にはその場の判断が優先されますが、その判断を下すための参考としてマニュアルを整備しておくわけです。
災害発生時には、他に深刻なことが多発し、多くの判断が必要になることが想定されます。また、それらを処理する十分な職員が確保出来ない可能性もあります。
そのため平時から想定できることは、出来る限り想定し、準備をしておくことで災害発生時の混乱を最小限にすることが出来ると思います。
今後も、区の担当職員の皆様と一緒に、災害発生時には一刻を争うような重要な案件が次から次へと起こる可能性があるということを念頭に、「想定外」という言葉を出来る限り少なくする努力をしていただきたいと思います。
***以下、委員会の質問と答弁(抜粋)です。(読みやすいように、一部修正)***
<長谷川>
次に、危機管理について質問させていただきたいと思います。
代表質問でも触れさせていただきましたが、防災センターが7階にあることについて、移動に対する懸念は訴えさせていただきました。
大がかりなシステムが入っている以上、ほかの階への移動は困難であることは十分承知した上で、私は質問させていただいております。
ただ、実際に、大きな災害のときこそ機能しなければ、やはりどんな立派な施設でも、無用の長物となってしまいます。
先日は、移動の面での懸念をお話しさせていただきました。
防災会議に出席される方々が若い人ばかりでしたら、7階までの階段の上りおりにも耐え得るかと思いますけれども、現実は、そうではないと思います。
また、各階のトイレが使えなくなったら、1階に設置されるであろう仮設トイレまで、わざわざおりてこないといけないなど、現実的な運用面のご指摘もさせていただきました。
これは私だけの懸念かと思いましたところ、危機管理室初動マニュアル案、この6ページに、本庁舎の使用に関することが書いてあります。
その中で、本庁舎の使用、に危険がない場合でも、余震の被害の少ない場所や地上に避難しやすい低層階を極力使用する場合、それから、エレベーターや特定階層の使用制限で、上下の移動が極力少ない配置や休憩場所を指定する場合などの場合分けがされており、高い階層は避難や移動に問題が生じる可能性があることも考慮に入れられています。
これと、先日、私が指摘させていただいた点も踏まえて、現在7階にある防災センターの使用、そして運用について、その整合性をどう整理されていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
【危機管理室長】
先般の本会議の中でもお答えいたしましたとおり、さまざまな制約条件があるので、すぐさま移設は難しいですと、今後の研究課題というふうにさせていただきました。
なお書き、なおということで、補完的な場所、つまり、7階が使えないような、高層階には行けないような状態になったときの設置階については、これについては臨機応変に考えますということですので、例えば1階ですとか、2階ですとかに設置することもなくはありません。
ただ、その場合には、装備が伴いませんので、そことの連携をとる必要がある、そういった課題もあります。
災害対策については、これでいけるということだけではだめで、サブ、あるいは、そのサプのサブ、 そういったことを考えながらマニュアルはつくっていく、そういうふうに考えております。
<長谷川>
まさにサブのサブといいますか、いろいろなことを想定しながらマニュアルづくりというのはつくっていかなきゃいけないと、私自身、そう思っております。
ぜひ、実際に、震度7以上とか、それを超えるような地震、直下型の地震なども想定しながら、低層階で、すぐに迅速に行えるようなマニュアルというのを、早急につくっていただきたいと思います。その点について、いかがでしょうか。
【危機管理室長】
災害対策本部運営マニュアルというのを、いまつくっている最中であります。
そこの中で細かく場合分けをして、例えばそのボリュームが何十ページとか何百ページになるようなマニュアルをつくる気はございませんで、そのときの判断でやっていきたいと思っています。
<長谷川>
ボリュームのあるようなものは、つくらなくていいのです。
低階層で、必要な機材を集めて臨時の防災センターをすぐに設置できるような、簡単なものでもいいんです。マニュアルをつくっていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
【危機管理室長】
基本的に、災害対策本部というのは、判断、決心をしていく場でありますので、それについては、一般的には最小の機能としては会議室があればできますので、それに、より運営しやすい機材をどのように持っていくか、これはそのときの、震災のときの被害状況によりますので、なかなかマニュアルで、きちんとあらかじめ設定しておくということは、いかがかなというふうに思います。
<長谷川>
ただ、今回、3.11を受けて、私が懸念していたようなこと、低層階を極力使用するというようなことも入っているわけですよね、文言として。
ですから、最低限の、ある程度のマニュアルづくり、「そのときになって、その場で考えるのではなくて、あらかじめ迅速な対応ができるように、臨時の防災センターを違う階で設備できるようなマニュアルづくりをしてはいかがですか」というご質問させていただいていますが、それは無理ということでしょうか。
【危機管理室長】
今後検討してまいります。