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都立足立東高等学校(エンカレッジスクール)への視察・発達障がい支援施策

今日は足立区大谷田にある都立足立東高等学校に視察に行ってきました。

都立足立東高校では平成15年度より、東京都の取り組みの一つとしてエンカレッジスクールを設置しています。(全日制・普通科高校です)

小中学校で十分に能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、基礎基本の定着と学力の向上を目指した学び直しの学校です。

ここの学校は、文部科学省指定、特別支援教育の研究開発指定校になっており、平成20年から発達障がいがある生徒に対する、進路決定に向けての支援方法の開発がなされています。

発達障がいのある児童・生徒はどの学校にも在籍しています。しかし、発達障がいと知的障がいは違うという認識が希薄であるため、高等学校における特別支援教育推進の現状は、小中学校と比べるとかなり遅れているそうです。

教員や、保護者、周囲の理解不足が、最も特別支援教育の推進にブレーキをかけているようです。

また、潜在的意識として、知的を伴わない発達障がいの場合には、特別な支援を要する必要性につての意識が希薄という点があります。その為、専門的な知識を備えた教員が少なく、組織的な支援体制の確立と関係機関との連携が喫緊の課題であるそうです。そのためにも、今後は特別支援教育のコーディネーターの育成やその活躍が重要になってきます。

何故、ここの学校が特別支援教育に取り組みを始めたのか、お聞きしました。

この学校では、多発する学生同士のトラブルや学生の問題行動の背景を分析したときに、その原因の一つに発達障がいの可能性が見えてきたそうです。

校内アンケートでは、発達障がいがないと答えた教員は一人もいなっかたそうです。

担当するクラスや授業で発達障がいと思われる生徒の特性として、以下の言動が見受けられるそうです。

・自分の中に確固たるルールがあり、そのルールを他人によって破られると非常に興奮をし、攻撃的になる。

・思い通りにならないと物に当たったりして言葉で伝えることが苦手だったりする。

・少し自閉症のような傾向がみられる(一つの物事に集中する及びこだわりが強い)。

・本人の気に入らないことがあると、激怒して廊下に飛び出してしまう。

・空気が読めない。

発達障がいについての理解と対応としては、先生方の研修の中では、グループ討議も行っています。

例えば、「自分の中に確固たるルールがあり、そのルールを他人によって破られると非常に興奮をし、攻撃的になる。」という事例については、

・生徒が持っているルールや好みについて、生徒と教員とで話し合い、そのルールを共有し、その生徒に合わせられる点とそうでない部分を考え、妥協点を図る。

・ある程度まで、そのルールを受け入れる。ルールなどを全否定して、その生徒を殻にこもらせてしまうことを避ける。

・冷静になり、先ずはその生徒の話を聞いてあげる。

・保健室など、本人がクールダウンができる場所を確保し、そこへ行くことを認めてあげる。

・認めてあげられる範囲とこれ以上は認められないという範囲をはっきりとして挙げることも大切。

・教員間でルールを統一してあげる。

自己が確立し、高校生にもなると、その指導というものは大変難しいものです。しかし、ここで行っている発達障がいという特性を持った一定年齢に達した生徒に対する聞き方、話し方、接し方は、成人期の発達障がい支援にも適用できるものだと感じます(大人の発達障がいでも全く同じ傾向が見受けられます)。

例えば、このような実践で行っている高校の取り組み事例(指導方法・指導実践)とその効果を検証し、臨床発達心理士からの支援アドバイスを受けながら、足立区としても成人期の発達障がいの段階的な支援を行うことができるはずだと私は確信しました。

今後、人権に十分配慮しながら、如何にそのような傾向のある方々を救っていくのか。

先ずは、足立区として、組織的な支援体制を確立し、臨床発達心理士やこのような取り組みを行っている関係機関と連携をし、情報の収集と区民に対する啓蒙活動が必要です。

家族からの声なき声から当事者をメンタルヘルス健診につなげ、早期発見、早期支援へとつながる体制を足立区から構築していきたいと思います。

本日は長時間、校長先生始め、副校長先生、そして東京都庁から東京都教育庁都立学校教育部・改革推進担当課長からも大変貴重なお話を頂きました。

本日、視察をさせて頂いた内容をしっかりと足立区の施策につなげていきたいと思います。

本日は、本当にありがとうございました。