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千葉市発達障害者支援センター 視察

今日は、発達障害当事者会イイトコサガシの冠地情さんと一緒に、千葉市美浜区の稲毛海岸にある千葉市発達障害者支援センターの視察に行ってきました。

平成20年1月に開設され、社会福祉法人 千葉市社会福祉事業団に委託事業として運営されています。利用対象者は、千葉市に住んでいる発達障害のある本人や家族、支援する関係機関が対象です。

発達障害は「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の問題」「興味・関心の偏り」等の特性があります。幼少期に見過ごされ、成人期まで達してしまった当事者は、多少なりとも困り感を持っています。しかし、自己改善を全くせずに大人になってしまった当事者は、社会に出た時に、本来持っている障害特性により、周りを疲弊させてしまいます。

発達障害は、診断名を子どもの頃に付けられなくても、認知の凹凸がある場合を示しており、大人になってから発症するものではありません。したがって、幼少期を振り返ってみてみると、何らかの困難さが学校生活や家庭生活の中で生じているはずで、困ったことがあったはずだと専門家は言います。

この千葉市発達障害者支援センターでは、相談支援・発達支援・就労支援・普及啓発活動を軸としています。ただ、やはり成人期に関しては就労に特化していました。昨年度から幼稚園児のスクリーニングを開始し始め、支援につながる取り組みを行っているそうです。

発達障害という言葉は偏見があるようで、保護者自身が容認をしたくないという気持ちも強く、告知の問題についても、保護者の戸惑いがあるようです。

成人期での相談内容をお聞きしました。
企業側や家族からの相談内容としては、
・当事者が部下を持ってから体調を崩し始めた
・当事者に対する会社側としての対応方法を知りたい
・当事者本人がセンターなどの支援機関に行きづらい。嫌悪感を持ってしまう
・家族からの相談内容を傾聴することにより家族の心のガス抜きをしている
・家族の相談により、センターから当事者に家庭訪問をしたが、一度は会ってくれるがその後は会ってもらえない
などが挙げられるそうです。
例えば、当事者のスキルを認めながら、会社としては職場の人たちには発達障害をクローズしたまま、本人が少し落ち着いて仕事ができる環境整備に配慮し、配置転換をした事例があるそうです。
また、家族相談では、年齢も20代~40代の対象者が多く、仕事が続かず本人が引きこもっているという相談も多いそうです。

現在、18歳以上~40歳未満のPDD広汎性発達障害の方々を対象とした就労支援のためのグループワークが千葉大学医学部付属病院の精神神経科で行われています。

PDD広汎性発達障害とは、幼児期から対人やコミュニケーションの障害や特定の様式へのこだわりを特徴とした障害です。
その為、学校や職場で周囲とのやり取りに困難を感じたり、仕事を計画的にこなしたりすることが難しい場面もあります。

どの自閉症スペクトラムでも言えることですが、感情のコントロールの仕方や基本的なコミュニケーションスキルの仕方、問題の対処スキルの取得、自分なりのリラクゼーションのとり方が必要となってきます。

これが取得できない限り、例えば、いくら良い大学を出て学問に関しては知的能力に優れている人でも、家庭生活や社会生活の中で些細な問題解決が全くできず、思考回路ストップ状態、責任放棄、自分の事しか考えられない状況、不適応状態が延々と続き、想定外の事ばかりが生じる地獄のような日々が生じます。

発達障害という診断名がつくつかない、あるなしに関わらず、生きづらさを持っている人たちが困ったときに活用できる場を作りたいと所長はおっしゃってました。
それをどのように構築していくのか、私もさらに研究を重ね専門機関の皆様と協力しながら、検討していきたいと強く想っています。

本日はお忙しい中、大変ご丁寧にご説明をしていただきました。
千葉市発達障害者支援センターの加瀬所長に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

DCIM0682

千葉市発達障害者支援センター前で。発達障害当事者会イイトコサガシ 冠地情さんと一緒に。