ディスレクシア 学習障害LD 鳥取大学地域学部 医学博士 小枝達也教授との面会
今日は自閉症カンファレンスの合間に鳥取大学地域学部 医学博士の小枝達也教授にお会いしてきました。
小枝達也先生はディスレクシアの研究では、国内で第一人者の方でもあります。
以前、筑波大学附属小学校のユニバーサルデザインの研究会で東京学芸大学 名誉教授の上野一彦先生からご紹介をいただきました。上野先生から「小枝先生は本物だから、あなたは会ってきなさい」とのお話をいただき、本日の面会に至りました。
このディスレクシアとは、知的な発達に遅れはないのに読み書きが著しく困難性を伴う学習障害LDの一つでもあります。ギリシャ語の困難…dys と読む…lexiaに由来します。脳の機能障害の一種です。会話能力は別段問題はなく知的発達は良好で努力もしているのに、学業不振が顕著であったりします。
2006年の学校教育法施行規則の改正により、ディスレクシアを含む学習障害や、注意欠陥・多動性障害などの発達障害の児童、生徒が支援教育の対象に含まれるようになり、文科省は通常学級で授業を受け、その障害に応じて特別な指導や支援を通級指導教室で受けられるようにしました。
文科省の調査では2002年の全国公立小中学校4万人を対象に調査を行った結果、知的障害はないものの読み書きに著しい困難性を伴う子どもが2.5%(約1千人)いるそうです。
鳥取県では、小枝先生が公立の小学1年生を調査したところ、700人中2.1%も該当したそうです。
このことが示しているように全国的にしっかりと調査をすれば、全国には小中学生に高校生を併せると35万人~50万人にその可能性を持っている子供たちがいるといわれています。
しかし全国的に数が多いであろうディスレクシアの子ども達に対する具体的な指導にはまだまだ至っていない現状があります。先ずは早期に手を打つことが重要で、治療レベルの話にもなると小枝先生はおっしゃっていました。
小学校3~4年生でスクリーニングをしていては遅いそうです。小学校1年の段階でスクリーニングをし、その個々の特性にあった指導や治療レベルまで持っていかなくてはいけない深刻な問題とのお話でした。小枝先生は、今、やっとひらがなでの研究が終わり、これから漢字や英語などのつまずきのあるディスレクシアについて研究を進められていくとのお話をいただきました。
先生の話によると、全ての子供達が小学1年生の段階で読み書きができているかを学校や家庭でしっかりと見極めることが重要とのことです。小枝先生はインターネットを使って、だれもが使用できるオンライン方式の音読指導方式プログラムを開発されています。
いかに早期に発見し、そのような特性を持った子供たちに早期支援を行うことができるか、重要な課題でもあります。足立区での取り組みに今後ご教示いただけるとのお話もいただいてきました。大変ありがたいことだと思います。
小枝先生からのご指導もいただきながら、私も足立区からディスレクシアという読み書きに困難を抱えている子供たちに対して、しっかりと手が差し伸べられる支援を構築していきたいと思います。
本日は貴重なお時間をいただき、学会で早稲田大学にお見えだった鳥取大学 教授 小枝達也先生からご教示いただき、大変勉強になりました(ちなみに小枝先生は鳥取県庁との連携も手掛けていらっしゃる実力者です。)。
小枝達也先生、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申しあげます。
しっかりと勉強をしていきます!