「サイコパス」慶應義塾大学商学部 中島隆信教授との面会
9月9日、友人の紹介で慶應義塾大学商学部 中島隆信教授にお会いしてきました。
中島隆信教授は、経済学の実証分析を専門とされていますが、その経済学の視点で犯罪心理学などの視点をお持ちの方です。「刑務所の経済学」「障害者の経済学」という本を執筆されています。
ここで「サイコパス」という言葉を伺いました。この言葉を聞いて、映画「羊たちの沈黙」に出てくる登場人物を思い出す方もいるかもしれません。私はこの言葉を聞き、この映画の内容を思い出しました。教授が言うには、この世の中には「サイコパス」を持ち合わせている人たちがいるそうです。
「サイコパス」とは、パーソナリティー障がいというカテゴリに入ります。
一言でいえば、冷酷で良心や他人に対する思いやりに欠け、そこには罪悪感も後悔の念もない人。精神病質でもあり、先天的な脳の機能障害で遺伝的な要因があるそうです。
対人面では:口が上手く表面的な魅力がある
情動的に関する部分では:良心の呵責や罪悪感がない・思いやりに欠ける・自分の行為に責任が持てない
生活様式では:寄生的な生活様式・現実的、長期的な目標の欠如・衝動性・無責任
反社会的な面では:暴走しやすい・幼児期の問題行動
サイコパスの比率は、アメリカで史上最悪の犯罪(殺人や連続レイプなど)のおよそ50%がサイコパスによるもので、アメリカ全土ではその比率は約20%とみられているそうです。極悪犯罪の半分が、依然としてこのサイコパスによって引き起こされているとみられています。
しかし、このサイコパスが全て社会性に欠けるというものではなく、外科医、企業家、兵士、弁護士と言った職業で冷静沈着に断固とした決断力によって社会を守り、豊かに生活しているサイコパスもいるそうです。
この相反する人生の起点は何か?
それは、この特性の持つ衝動性と無責任というサイコパシーの反社会的側面の切り替えがどの程度高いレベルでできるかによって機能不全に陥いるか、社会的成功を手にするかに分かれるそうです。
それには、幼少期からの環境が重要だそうです。どのような環境で育つかによって本人の特性が和らぐか、攻撃的になるか、人生が決まってしまいます。
まだこのサイコパスにおける治療や指導については、未知の世界のようです。
教授からご教示いただいたこのサイコパスについても、私自身、興味を持ってみたいと思っています(しばらく勉強します)。
本日は貴重なお時間を頂き、慶應義塾大学三田校舎の研究室で中島隆信教授からお話をお聞きしました。また中島教授からご指導を賜りたいと思います。
様々なことをお教えいただき、本当に感謝申し上げます。
中島先生、今後ともよろしくお願い申し上げます。