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困窮化と高齢化への包括的対応

今日は、お昼過ぎから中野サンプラザで行われた勉強会に行ってきました。講師は中央大学法学部教授の宮本太郎先生です。

2015年4月には、生活困窮者自立支援法が施行されます。この法律では一人ひとりに寄り添う伴走型支援が盛り込まれています。しかし、実際の現場では、明確なものは何もなく、各自治体間で構築していかねばならない課題の一つです。

私はこの事業に着目しました。

国の事業を活用するよう足立区議会で昨年提言し、国のモデル事業(生活支援戦略事業)に、昨年度、採択されました。現在、足立区では、東京23区で唯一のモデル区として走り始めたところです。

同時期、私は代表質問で、この生活支援戦略事業を活用した形での伴走型寄り添い支援策を議会で提案しています。しかし、この点については、まだ実行はされていません。

この生活支援戦略事業は、いかに基礎自治体間で創意的な取り組みを行っていくかが問われる施策の一つだと私はみています。

今日の宮本先生の講義では、私が以前から考えている内容にかなり近いお話があり、アイデアを頂くことができました。

先ず、人口動態とそれに伴う就業構造についてのお話があり、いま直面している厳しい現実をどのように各自治体間で打開していくべきか、いま問われている課題についてのお話がありました。

現在、支えられる側の高齢者は急速の一途を進み、75歳以上の人口は2010年には123.4万人だったのが、2025年には197.7万人と60%も増大するそうです。また、家族の生活支援等が期待できない単独高齢世帯も増えており、2030年には、東京の60歳代の男性世帯主のうち35.7%が単独世帯となるとのお話がありました。

男女を問わず、生産年齢人口で就業できず、結婚もせず孤立化するケースも急増し、20歳以上59歳以下で就業も結婚もしていない未婚無業の方々は東京では40万6000人、さらに日常的に家族以外との接触がないと思われる孤立無業の方々がは28万3000人いるそうです。独居の孤立無業の方々は、4人に1人が「生活保護を受けられるものであれば受けたい」と考えている人がいるそうで、支える側の現役世代が支えられる側に回っている人たちもいるとの話でした。

まさに支えられる側を支える側に回すことが出来る様、例えば、教育、生活や就労訓練、住宅支援を構築することが必要です。そのためにも、個々の状況にあった支援メニューを増やし、個々に合ったマッチングできる支援策をつくることが求められます。ただし、私が思うことは、行政がその負担を全てしょい込むのではなく、NPOや同じ方向性を持った企業にも参画してもらい、制度の谷間に落ちてしまっている人を支援できる人材育成も行いながら、そのような方々と連携しネットワークを通じて多様な支援策を構築していくべきだと考えています。

以前から私が申し上げている、知的障害を伴わない、診断名のつかない発達障がい特性を持った人たちはその当事者となりやすく、また当事者を囲む家族(疲弊し、困り感を持っているけれども打開策がない状態。周りに相談をしても家族の問題だからと割り切られ、泣く泣く悪循環の中にいつまでも留まっている傾向が多い)も支援の対象者となります。また、そのような家族間の中にいる子ども達も支援の手を差し伸べなくてはいけません。

そのように考えると福祉と教育は先ず連携すべきで、今までの行政の考え方を一掃し、発想を変えた施策展開を講じることが必要です。

行政、専門家、親、NPO、同じミッションを持った企業などと連携し、公的なサービスで取捨選択できる普遍的な支援策を作っていくこと、このことが最善の支援策と成り得るのではと感じた講義でもありました。