文教委員会:通常学級における特別支援教育について
今日は午後から文教委員会が行われました。
これから代表質問の記事をアップして行きますが、私からは、24日に行われた第3回足立区議会定例会の代表質問で行った「発達障がい児・者に対する支援」の取組み状況について確認をさせて頂き、特別支援教育を視点に入れたユニバーサルデザインの授業の導入も含めた実効性ある整備を求めました。
今回、学校教育部長からの答弁は、「どの子にも分かりやすい授業づくりをするために、ノート指導や黒板に書く項目などを統一する授業モデルである「足立スタンダード」を示し、全校で実施しています。この取り組みは、授業のユニバーサルデザイン化の視点に立ったものであると考えております。さらには学力のポトフォリオを基に、児童・生徒一人ひとりの学習定着状況を把握し授業改善を図っていくと共に、習熟に応じた指導を積極的に導入し、個に応じた指導を充実させております。」というものでした。
しかし、特別支援教育を視点に入れたユニバーサルデザインの授業の導入も含めた実効性ある整備とは、ユニバーサルデザインを意識した授業構成であり、
1.時間の構造化
2.場の構造化
3.刺激量の調整
4.ルールの明確化
があって成り立つものです。足立区では、学習定着状況という学力の部分には力を入れていますが、上記の1~4が全く欠けています。
例えば、全教室では徹底して落ち着ける環境を整えるような工夫をすることが必要です。
・教室の中はすっきりとシンプルで余計なものは置かない
・黒板の横の壁にはカーテンをつけ、掲示物を隠す
・棚にもカーテンをつけ、目隠しがされている(周りの刺激に配慮したもの)
・提出物は整然と整理されるように、専用の箱が用意されており、視覚ですぐにわかるように箱一つ一つにシールが貼ってあるというような配慮をする
・日常の学校生活内での通風、換気、室温、音などにも配慮する
・ちょっかいを出す、話しかけるなど、刺激し合う子をお互いに離れるような座席位置にするなどの配慮をする
さらに、学校の活動面では、見通しがもてるように子ども達に意識を促す取り組みが求められます。例えば、
・一日の予定を確認し、子どもの状況や学習内容に合わせて、カードを使って提示
・ICT(情報通信技術)を活用し、視覚的にわかりやすく示す
発達障がいの傾向のあるなしに関わらず、誰にでも分かりやすい授業・環境を整備することは、子ども達の安心感につながり、学習意欲を高める結果に繋がっていきます。
学校全体で、間違いや出来ないことを気づかせるだけではなく、正しいことや出来ることを如何に具体的に丁寧に教えていくかが重要なポイントです。
また、子ども達の苦手なこと、学習のつまずきや困難さに対して、学習環境や教師の関わり方など環境の要因の両面から考えていくことも重要です。
足立区内の全小中学校の通常学級の中で、このような取り組みを是非行って頂きたいと強く要望しました。
東京都日野市 公立小中学校教師・教育委員会と明星大学准教授の小貫悟先生著「通常常学級での特別支援教育のスタンダード」という本が東京書籍から出ています。
教育行政の皆様には、この書籍を参考にしてさらなる研究をしていただき、特別支援教育の視点でのユニバーサルデザインの授業というものがどのようなものであるかをしっかりと理解し強力に進めて頂きたいと思います。