予算特別委員会の内容⑤【「ユニバーサルデザインの街づくり」キッズデザイン・ユニバーサルデザイン重点地区について】
今日は、引き続き予算特別委員会で行った質問をご紹介します。
「ユニバーサルデザインの街づくり」キッズデザイン・ユニバーサルデザイン重点地区についてです。
足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例が平成24年12月に施行され、足立区ユニバーサルデザイン推進計画が示されました。今後、足立区の新基本構想・基本計画にも盛り込まれます。
今回の質疑の中では、様々な観点で、質問をさせて頂きました。
中でも、妊婦や乳幼児を連れた人が安心して外出等できるような環境整備も必要です。子育てをする人の視点や児童・乳幼児の観点から見た整備をしていく事が重要と思われます。
私の子育ての経験上、現状では、公園内のトイレにはベビーキープや簡易なベビーベッドが設置されていないため、当区における積極的な整備を進めて頂くことを強調しました。
区長からは、「公園のトイレの利用実態調査から、特に女性、子どもを連れた方々が公園のトイレではなく、例えば、住区センターですとか違った場所を選択されているような状況が実際にございます。どこに利用しやすいトイレがあるというようなことを様々な冊子を通じてお知らせすることによって、利用勝手を良くして行きたいと思います。」といった発言がありました。要するに、既存の公園内のトイレに、新規でベビーキープやベビーベッドの設置をすることは、現状では難しいそうです。
公園と住区センターは近隣でない場合が多く、私の地元の綾瀬でいえば、場所によっては、移動が徒歩で20分以上かかる場所も多々あります。子育て中の親からしてみると、公園で遊んでいる親子が、赤ちゃんの急を要するおむつ替え(便などの大きい方の処理など)のために、わざわざ数十分もかけて住区センターまでの長い距離を歩いておむつ替えをする親はいません。赤ちゃん駅(保育園等に設置)もありますが、すぐ近くにある訳でもないのが現状です。
是非とも「当事者の生の声をしっかりと受け止め、理解してほしい」この一言に尽きります。
子どもたちを産み・育てやすいデザインを公共施設に普及させ、子どもの安全を確保し、かつ親の身体的・精神的負担の軽減を配慮する施策を今後も積極的に当区から進めていきたいと思います。
また、現在、国のバリアフリー新法より、市区町村で重点地区を選定するようにとの通達が来ています。以前から議会で提案をしているように、東京都の福祉のまちづくり条例も含めた重点整備地区として、足立区役所本庁舎一帯を含めたユニバーサルデザインのシンボル的な施設として完備することを求めました。
*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****
<長谷川たかこ委員>
本日、私からは「ユニバーサルデザイン」について質問をします。
本年4月には「障害者差別解消法」が施行されます。
これは、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的とするものです。
この4月から施行される障害者差別解消法も意識しながら、当区においては、年齢・性別・国籍・障害の有無など、個々の状況に関わらず、出来る限り多くの人が利用しやすいよう、区内の生活環境をデザインしてもらいたいと思います。
足立区では、全ての人が安心で暮らしやすい足立区のまちづくりを目指すために、ユニバーサルデザインのまちづくり条例が平成24年12月に施行され、足立区ユニバーサルデザイン推進計画が示されました。
【問】
足立区の新基本構想・基本計画にこの考え方が盛り込まれると思いますが、先ず、足立区ユニバーサルデザイン推進計画をベースにした内容でボトムアップを図っていくということでよろしいでしょうか。
<政策経営部長>
当然、ユニバーサルデザインにつきましては、区として、今、基本構想の答申を頂いているところでございますけれども、今後、基本計画の中で具体的に形にしていきたいと考えております。
<長谷川たかこ委員>
次に、足立区ユニバーサルデザイン推進計画の中身について、お聞きしたいと思います。
【問】
先ず、個別施策が進む中でハード・ソフト面の進捗状況についてお聞きします。
<ユニーサルデザイン担当課長>
平成26年度に実施した事業のうち、ユニバーサルデザイン推進計画の38施策のうち、ユニバーサルデザイン推進委員の評価から成果が出ていると判断して頂いたのが35施策でございます。その関係から、9割以上達成できたものと考えております。
<長谷川たかこ委員>
今後、ぜひとも100%を目指してさらに頑張って頂きたいと思います。
ソフト面について伺いたいと思います。
2012年12月から区役所本庁舎で「ユニバーサルデザインのまちづくり」講演会が本庁舎内で今まで計4回行われており、先月には東京電機大学で「人にやさしいものづくり」の講演や足立区障がい福祉センターあしすとで「みんなにやさしい街づくり」の講演を行っています。
【問】
このように、区民に対するユニバーサルデザインの普及啓発活動は継続的に行われています。今後も区役所本庁舎内だけでなく、駅から近い東京電機大学や他大学も含めた産学連携交流会を積極的に開催して頂き、区民への周知啓発に努めて頂きたいと思いますが、如何でしょうか。
<ユニバーサルデザイン担当課長>
色々なことを含め、どのようなことができるのか、今後も検討をして参ります。
<長谷川たかこ委員>
ぜひ、産学連携という事を軸にしながら拡充して頂きたいと思います。
次に、ハード面についてお聞きしたいと思います。
以前から議会で質問をさせて頂いておりますが、妊婦や乳幼児を連れた人が安心して外出等できるような環境整備が必要と感じています。子育てをする人の視点や児童・乳幼児の観点から見た整備をしていく事も重要と思われます。
【問】
そこで、私の子育ての経験上、公園内のトイレにはベビーキープや簡易なベビーベッドが設置されていませんでしたが、現状は如何でしょうか。
<みどり推進課長>
公園で「誰でもトイレ」を整備する際には、ベビーチェアーというものを整備しております。
<長谷川たかこ委員>
【問】
簡易なベビーベッドというのは如何ですか?
<みどり推進課長>
公園のだれでもトイレにつきましては、歓迎しない方々もいらっしゃいますので、ベビーベッドの設置については考えておりません。
<長谷川たかこ委員>
【問】
公園内で赤ちゃんを連れて遊んでいるとおむつ替えが必要になった時に公園内にないとベビーカーの上で取り換えることにもなりますが、なかなか厳しいものがあります。是非とも、今後、公園内に簡易なベビーベッドを設置して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。
【区長】
公園のトイレの利用実態を調査致しますと、特に女性、子どもを連れた方々は公園のトイレではなく、特に女性、子どもを連れた方々は公園のトイレではなく、例えば、住区センターですとか違った場所を選択されているような状況が実際にございます。
今、みどり推進課長が申しあげたように、これから子育て中の方々の利用については、どこに利用しやすいトイレがあるというようなことを様々な冊子を通じてお知らせすることによって、利用勝手を良くして行きたいと思いますので、公園についてのベビーベッドの設置については、研究課題という事で受け止めさせていただきたいと思います。
<長谷川たかこ委員>
研究課題の中に、是非とも盛り込んでいただきたいと思います。
住区センターとかを示されれば、子育て中のお母さん達もそちらに行くかもしれませんが、公園内で実際に遊んでいるときに、上の子の手を引きながら、2人目をおんぶ紐やベビーカーに乗せて住区センターまでたどり着くことは困難なものです。その場ですぐに、例えば、ベビーカーの上でおむつ替えをする状況になってきます。
当事者の声を是非とも汲んでいただきたいと思います。
庁舎内についてお聞きします。
【問】
本庁舎内の男性トイレの中にベビーベットやベビーキープ等は何か所設置されていますでしょうか?
<資産管理課長>
本日、担当課長が出席しておりませんので、代わってお答え致します。
本庁舎内につきましては、主に区民の利用の多いフロアの多目的トイレを中心に、ベビーベッドやベビーキープを設置してございまして、男性トイレには設置してございません。
<長谷川たかこ委員>
【問】
本庁舎及び各種施設内の男性トイレにもベビーベットやベビーキープ等を導入して頂きたいと思いますが、そのようなお声は上がっていませんか?
<資産管理課長>
そのようなお声については、まだ伺っておりません。
ベビーベットやベビーキープの数でございますが、本庁舎ではベビーキープというのが25か所、ベビーベットは7か所ございますので、その辺の利用状況もあるかと思います。
男性の利用などにつきましては、この辺を来庁なさる区民の皆様にご案内申し上げて、その状況を見たいと思います。
<長谷川たかこ委員>
様々な当事者の声というものをアンケートなどで聞いて頂きながら、設置の方向に向け、少しでも努めて頂きたいと思います。
【問】
次に、児童・乳幼児などにも配慮した建設空間・設備などによるバリアフリー対応が必要です。本庁舎内などの各種施設に幼児専用トイレ、キッズデザインのトイレ、手洗い場なども設けて頂きたいと思います。整備するとなると、空間が必要となってくるので、現在、利用しているブースをつぶして新たに設置をする方向性になるかと思いますが、如何でしょうか。
<資産管理課長>
今、本庁舎には、幼児用の小さい便座として8台ほど設置している状況です。手洗い場などにつきましては、先ほど、長谷川委員からご指摘があったとおり、現在、利用している手洗い場の改修が必要になりますので、今後、改修する際などに設置について検討をしていきたいと考えております。
<長谷川たかこ委員>
ユニバーサルデザインを推進するという観点から言うと、キッズデザインを今後、視野に入れながら積極的に導入していただきたいと思います。
【問】
次に、国のバリアフリー新法より、市区町村で重点地区を選定するようにとの通達が来ているとお聞きしています。東京都の福祉のまちづくり条例も含め、来年度、足立区ではどのような個所を重点整備地区にされるのでしょうか。
<ユニバーサルデザイン担当課長>
現在、協議会を立ち上げて、どの地域を重点整備地区にするか選定している段階です。来年度の早い段階で案をまとめたいと思っております。
<長谷川たかこ委員>
【問】
何度か議会で提案をしておりますが、区民の皆様が一番足を運ぶであろうこの本庁舎をまるまるユニバーサルデザインのシンボル的な施設として完備して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。
<資産管理課長>
本庁舎につきましては、昨年、有る事業者にフルスペックで本庁舎全体をユニバーサルデザイン化をしたときにどの程度の予算が必要かを見積もりました。その結果、数億円規模の費用が必要になるというお答が返ってきており、かなり多額になることから、今後の改修の際などに必要なユニバーサルデザイン化を行っていきたいと考えております。
<長谷川たかこ委員>
【問】
具体的に言えば、本庁舎の案内標識や色遣いや文字の大きさが今現在、ばらばらです。当初から私の方で指摘をさせて頂いております。このような所の改修はいつ頃、進めるつもりでいらっしゃいますか?
<資産管理課長>
改修につきましては、そのフロアの改修の際に行っていく予定です。例えば、今年の8月に足立福祉事務所が移転いたしますので、その際などには、ユニバーサルデザイン化を行っていく予定でございます。
<長谷川たかこ委員>
足立区の本庁舎が丸々ユニバーサルデザイン化されるという事になれば区の目玉として、区民の皆様に周知啓発することにもつながります。かなりお金がかかりますが、そのようなことも視野に入れながら進めて頂きたいと思います。
【問】
日頃から気になっておりますが、庁舎内の各担当部署に伺うとマグネットに赤字の背景に黒字で書かれているものを良く見かけます。
赤と黒は色覚の多様性の中では、一部の人には黒と赤は溶け込んでしまい、字がそこに書かれてあっても、全く見えなくなりますが、そのような方々に対する配慮がなされていません。
今後、徹底して配慮して頂きたいと思いますが如何でしょうか。
<ユニバーサルデザイン担当課長>
職員研修を通じて、現在、カラーユニバーサルデザインについて広めているところですが、各々私も気付いた時に対応するよう指導いたします。
<長谷川たかこ委員>
細かいところですが、是非ともご配慮して頂きたいと思います。