代表質問の内容①【「未来への成長創出に向けた新たな施策展開について~医療的ケア児~」】
平成29年度2月23日(木)第1回足立区議会定例会で、会派を代表し、行われた代表質問を掲載します。
今日から、テーマごとに質問とその答弁を紹介していきます。
第一回目は、「未来への成長創出に向けた新たな施策展開について~医療的ケア児~」行った質問部分についてご紹介をいたします。
日本の高度な医療技術の進歩により、10年前であれば助からなかった命が、多様な障がいがあっても命をつなげることができるようになりました。
その結果、医療的なケアが必要な子ども達がいる中で、現在、その子供たちに必要な制度が追い付かなくなっています。医療・福祉・教育が連携した小児在宅支援の整備を求める、当事者の声が上がっています。
子ども達は生き延びて可能性を拡げてくれたのに、支援も助け先も全くないと言ってよいほどの状況です。当事者の皆さんの声をしっかりと聞いて、社会の変革に挑み、足立区からその仕組みを構築して行きたいと思います。
以下、代表質問の内容と、その答弁です。
*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****
<長谷川たかこ>
私は、足立区議会民進党を代表しまして、質問をさせていただきます。
1.未来への成長創出に向けた新たな施策展開について
未来への成長創出に向けた施策を力強く進めて行く為には、多様化する区民ニーズをしっかりと捉え、新たな発想に基づく実効性ある政策を展開することが重要です。
従来の大事な施策を確実に進めていくことは重要ですが、それだけでは十分ではありません。全国的にも整備が追い付かずに制度の谷間に落ち、苦しんでいる人達がたくさんいる中で、そのような方々に焦点を当てた新たな施策を足立区が率先して打ち出すことが必要です。
【問】
制度の谷間に落ちている人たちに対する支援を最重要施策として打ち上げ、国や東京都の補助金などを活用し、首長として、先進的な支援制度の構築に向け、旗を振って頂きたいと切に願いますが、区長の見解を求めます。
2.医療的ケアが必要な児童への支援の充実について
現在、日本の小児医療はトップクラスとなり、10年前に救えなかった命が救えるようになりました。障がいが多様化している中で、「医療的ケアが必要な児童」への支援が既存の制度では追いつかなくなっています。全国的にも、医療的ケアを必要とする子どもを持つ親は、声を上げる場所がなく苦しんでいます。
【問】
そこで、重い障害を持ちながら生まれてきた命をどのような社会的資源で支えていくのか、足立区として先鋭的な方策を検討すべき重要課題と捉えますが、区長の見解を伺います。
<区長>
長谷川たかこ議員の代表質問にお答えをいたします。まず、制度の谷間に落ちている人たちに対する支援を最重要施策として先進的な支援制度の構築を行うようにと言うご質問でございますけれども、一つその例として、高度な医療技術による例を挙げられておられましたが、どうもそれに対する質問と言うふうには文面上受け取れないので、制度全体という事になりますとありとあらゆる制度がございますので、なかなかどの制度をイメージしてご質問をなさったのかという事を非常に私も考えたのですけれども、一般論として申し上げますと制度と言うのはいったん構築しますと、やはり時の流れと共に制度が陳腐化していき、それに対応できない部分が多々出て参ります。
先ず、そういった実態に一番最初に気付く、触れるのが私ども地方自治体でございますので、そういった場合には、東京都や国などの関係機関にそういった事情をきちっと伝えて、制度の再構築に向けて意見を発して参りたいとそのように考えております。
また、制度の対象外だからと言って、むやみに切り捨てるような、そうした冷たい行政の在り方は、もしあるとすれば改めていかなければならないと考えております。
<福祉部長>
私からは、医療的ケアが必要な児童の支援についてお答え致します。
医療の進歩に伴い、尊い命がつながり、その結果、医療的ケアを必要とする児童が増えています。また病院から早期に在宅医療に移行する児童も増加しております。
区は、医療的ケアの必要な方を対象とする障害福祉センターあしすと等での通所事業や医療制度で対象とならない機器の給付など個別的支援を実施して参りました。
平成29年度からは、都の補助金を受け、在宅で重症心身障がい児(者)を介護している家族等の負担軽減を図ることを目的とした重症心身障がい児(者)在宅レスパイと事業を実施する予定です。
一方、東京都では、最重度の障がいを持つ乳幼児の療育と特別支援学校卒業後の療育を担う北療育医療センター及び城北分園の運営をはじめ、学齢期前の重症心身障がい児の療育環境を整えるため、児童発達支援事業所に対する補助金を支出しております。
時代とともに新たな課題も生じておりますので、今後も区と都の両者が協力しながら、医療的ケアが必要な方々への施策を推進して参ります。
また、重度の障がい児の保護者からなる重症心身障がい児(者)を守る会等の団体も結成されておりますので、課題についてのヒアリングや意見交換を行いながら、医療的ケアが必要な重症心身障がい児(者)に対する施策を検討して参ります。