代表質問の内容⑥【「乳幼児期からの切れ目のない発達支援・待機児童問題」について】
前回に引き続き、今回は「乳幼児期からの切れ目のない発達支援・待機児童問題」について行った代表質問をご紹介します。
通常の保育園も待機児が出ている中で、発達障がい特性がある子供達に対する区内の療育機能を兼ね備えた児童発達支援センターの待機児童数は年々増加し、待機期間も延長している状況です。
現在、区では障がい児を受け入れている保育園で日々の保育支援に関する援助・助言等を希望する園を年間2~3回心理士が巡回し、子どもの障がい特性を捉えた対応を園の保育士等に助言しています。また併せて各園での発達支援の核となる発達支援コーディネーターの育成もしています。しかし、現場では、実際にそれぞれの児童の障がい特性に合った発達支援が十分に行われているとは言い難く、区民でもある要支援児とその家族の求める十分な発達支援内容になっていないと関係者から指摘をされています。
発達支援を必要とする親子に対し、適切なアドバイスができる窓口の強化とそれぞれの児童の障がい特性に合った支援が的確に行われるよう、様々な政策提案をさせて頂きました。
また、区内の発達支援機能を兼ね備えた児童発達支援センターの待機児童の解消を図るためにプロポーザルによる事業者を選定する際の評価項目に「一定レベルのスキルを持った発達支援ができる事業者」を入れ、選定するよう求めました。
以下、代表質問の内容と、その答弁です。
*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****
7.乳幼児期からの切れ目のない発達支援について・待機児童問題
<長谷川たかこ>
【問】
子どもの育ちづらさ、育てにくさに課題があっても、現在の区の体制では親の悩みは全く解消されていません。発達支援を必要とする親子に対し、適切なアドバイスができる窓口の強化とそれぞれの児童の障がい特性に合った支援が的確に行われるよう、現在の発達支援コーディネーターのスキルをさらに高めさせるため、更には巡回相談の機能効果を高めるための多職種からなる専門職の加配を求めますが、区の見解を求めます。
<子ども家庭部長>
私からは先ず、発達支援児に関するご質問にお答え致します。
区では今年度、福祉部・衛生部・学校教育部・子ども家庭部を中心に「発達支援検討委員会」を設置しました。
この中で、現状の整理、課題の抽出を開始し、相談窓口の在り方、関連各部の役割の再整理を検討しております。
その結果として、現在、障がい福祉センターあしすとにある相談窓口を平成29年度より、こども支援センターげんきに一本化し、障がいの受容の有無にかかわらず、相談できる体制をとります。
また、巡回相談につきましては、現在、心理士が巡回しておりますが、平成29年度から作業療法士を非常勤職員として採用し、相談機能を高めて参ります。
今後、心理士・作業療法士以外の職種の配置の在り方、発達支援コーディネーターのスキルアップなどについては、検討委員会の中で引き続き検討を続け、効果的な発達支援の施策づくりに努めて参ります。
<長谷川たかこ>
区内の発達支援機能を兼ね備えた児童発達支援センターの待機児童の解消を図ると同時に保育園での対応スキルを向上させることが必要です。
そこで、民設民営や公立保育園の民営化による認可保育所の運営事業者をプロポーザルする場合、発達支援が行える事業者等を選定すれば、区内の保育園での発達支援レベルを押し上げることができます。
【問】
支援が必要な子ども達に対し、多角的な支援がしっかりと受けられるようプロポーザルによる事業者を選定する際には、その評価項目に「一定レベルのスキルを持った発達支援ができる事業者」を入れ、選定すべきと考えますが、区の見解を求めます。
<子ども家庭部長>
次に、認可保育所選定のプロポーザルの評価項目についてお答え致します。
現在、事業者選定の際に「一定レベルのスキルを持った発達支援はできる事業者」といった項目はございませんが、発達支援児保育、延長保育、乳幼児すこやか相談などの特別保育事業を実施することを条件とし、評価をしております。特に、発達支援児保育については積極的な提案を求めており今後も発達支援保育に関する提案に注視して適切な事業者を選定して参ります。