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予算特別委員会の内容⑬【「母乳育児支援」について】

今日は、引き続き予算特別委員会で行った質問をご紹介します。「母乳育児支援」についてです。

私は昨年第3子を出産し、当事者だからこそわかる目線でとても必要な施策を提案しています。

お母さんたちは皆、自分たちの身体を労わってくれる支援を求めているのです。

母乳育児を行う大切な約1年間、この時間を赤ちゃんとともに共同作業で過ごすことで、母親と赤ちゃんとの愛着形成はより深まり、親子の絆も深まります。お母さんたちが母乳育児を実践することで、深い深い愛着形成が育まれれば、親による児童虐待は減少するはずです。

母乳育児に関する支援を区として優先順位を高くし、取り組みを積極的に進めて頂くことを強く要望いたします。

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

☆母乳育児支援について 

 <長谷川たかこ>

母乳育児は、赤ちゃんの栄養面や免疫学的に良いだけでなく、母子の心理的な安定や母子の愛着形成にも有用といわれています。母乳育児が成功することは乳幼児への虐待防止にもつながるため、母乳育児の重要性を全てのお母さんが理解することが必要です。

そのためには、妊娠中からの教育と産後早期からの支援が重要です。

現在、母乳育児を教えるところは産院が中心となっています。出産後、疲労困ぱいしている中、痛みを伴う母乳ケアが行われると産院での指導が苦痛になり、病院を退院した後は母乳の上げ方が自己流になります。その結果、母親が考えていた母乳育児と実際の母乳育児の相違から、途中で母乳育児を断念するお母さんたちがたくさんいます。私も一人目、二人目の時はまさにその当事者でした。

授乳は母親が妊娠期から産後の育児に移行する中で抱く不安の一つです。

現在、区の事業では、母親学級や両親学級の中で母乳育児については触れていません。母親学級や両親学級の項目の中に母乳についても含まれているはずと担当部署よりご回答を頂きましたが、私が昨年、参加をした講義の中では、全く母乳育児についての説明は触れていませんでした。

また、別日に開催される単発的な母乳講座のチラシを授業が始まる前に頂きましたが、チラシの内容だけでは母乳育児の重要性を感じることができないため、わざわざ足を運んで受講する方が多くはないと感じました。また、臨月近くにチラシを渡されても、身体が思うように動かなくなる為、関心を持っていても受講しに行くことすら困難です。また、私が伺った東部保健センターでは、年2回しか母乳講座が開催されていませんでした。(※5~6年前までは年1回のみの開催)

出産後、赤ちゃんに母乳を吸わせないと1週間で母乳が出なくなってしまいます。母親学級などで学ばない限り、このことを知っている妊婦さんは少ないと思います。

母乳をあげることで、「プロラクチン」と「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。プロラクチンは、おっぱいを育て、母性を育てる分泌物。「オキシトシン」は、つくられた乳汁を送り出して、子宮の戻りを良くしてくれます。これらのホルモン作用と赤ちゃんの泣き声や赤ちゃんの事を考えたりする日常的な場面の相互作用で、母性的な感情を母親は高めていきます。

母乳育児を確立して継続することは、お母さんと赤ちゃんの相互の愛着形成を促進し、健全な母子関係を育む上では、大変重要なことです。私自身も当事者として、経験上、そのように感じた一人でもあります。

【問】

お母さんと赤ちゃんの愛着形成と虐待防止につながる母乳育児の重要性を区は認識した上で、妊産婦へのケアが極めて乏しい母乳育児の推進とその支援を強力に区として推進して頂きたいと切に願いますが如何でしょうか。

<保健予防課長>

区といたしましても、母乳育児の重要性は大変認識しているところでございます。今後とも、母乳育児の支援を行って参りたいと考えております。

<長谷川たかこ>

現在、こんにちは赤ちゃん訪問で母乳トラブルについての相談も受けていますが、その時にトラブルがなければ支援が切れている状態です。いついかなるときに母乳トラブル、いわゆる乳腺炎になるかわかりません。私も出産して4か月後に、突然、乳腺炎になり、疲労困ぱいの中、フラフラの状態で近所の綾瀬産後ケアハウスに行き、処置をして頂きました。乳腺炎になると10分足らずの病院までの道のりもつらくて、つらくて、歩くのもやっとの状況です(体の状態としては、まさにインフルエンザに罹った初期段階の悪寒と関節の痛みを伴います)。

【問】

先ず母乳トラブル支援として、母乳ケアを行っている足立区内外の近隣の施設、例えば、助産院や産後ケアハウスの紹介を「あだち子育てガイドブック」に明記して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

<保健予防課長>

現在、母乳ケアも行える医療機関等については、ホームページやチラシなどで周知を図っているところでございます。

委員ご提案のありましたあだち子育てガイドブックの表記につきましては、関係所管と協議の上、検討して参ります。

<長谷川たかこ>

是非、前向きに進めて頂きたいと思います。

昨年、中野区にある「つつみ式乳房マッサージ法研究所」に伺い、中野区の委託事業、マタニティケアクラスを視察しました。

つつみ式乳房マッサージ法研究所は、赤ちゃんを出産したお母さんの授乳行為がスムーズに行えるよう、その育児技術を助産師に教えています。ここでは、中野区と中央区の委託事業を通して、母親学級などで出産間近のお母さんや出産後のお母さんの母乳ケアを行っています。この研究所には年間約2000人から2500人が来院し、浦安にある母乳外来には約3000人から3500人ものお母さんたちが来院しています。

【問】

このような施設が足立区でもあれば良いのですが、今ある既存の枠の中で、できることから一歩でも進めることが重要です。

母親学級や両親学級の中で、母乳を必須項目として産後の授乳をイメージできるよう、人形や乳房モデルを用いるなどの教材を取り入れた積極的な指導を行って頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

<保健予防課長>

基本的にはファミリー学級内で、人形や母乳モデルを使った母乳育児について説明をさせて頂いているところでございます。

ただ、委員がお受けになっていないという事ですので、一部のファミリー学級では、講師や時間の関係で実施しなかったことが想定されます。今後につきましては、ファミリー学級全てにおいて、人形や母乳モデルを使った説明ができるように検討をして参ります。

<長谷川たかこ>

是非とも、必ず行って頂きたいと思います。

乳腺炎になった場合、激痛や疲労困ぱいの中、母乳外来に行くのもやっとの状態です。お母さんたちはネットで「母乳育児・激痛」「乳腺炎」と検索を掛けて、ネット情報を鵜呑みにし、母乳外来に行かずに自己流で応急処置をして、経過が悪くなってから診察を受けに来る方が多いとの話を母乳外来の専門家から聞いています。

【問】

母乳外来は1回5000円ほどかかり、何回も通院をすると多額な費用になります。品川区では検討を開始しているようですが、足立区も低料金で行うアウトリーチ型の母乳ケアを行って頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

(※現状では足立区は、助産師の紹介をしています。お母さんたちが紹介をされた助産師に連絡をし、自宅に来てもらいますが、料金は定額。ちなみに綾瀬産後ケアハウスの母乳外来は1回5000円です。杉並区・葛飾区では「子育て応援券」を発行し、そのチケットで母乳外来を受診できるようにしています。つまり自己負担なしです。東京ゆりかご支援事業を活用していますが、この事業をするかしないかで、各自治体によってお母さんに対する支援に差が出ています。足立区では東京都の補助事業を現在も活用していません。

お母さんの身体を労わる支援事業を行ってもらいたい。…出産したお母さん方、そう思いますよね!私は当事者だからこそ見えてきた必要な最重要施策を今後も強力に推し進めていきます!

<保健予防課長>

アウトリーチ型の母乳ケア事業に関しましては、既に区内及び近隣の医療機関が実施しております。区からはこういった現状を受けまして、実施医療機関の一覧をチラシなどで周知を図っているところでございます。

委員ご提案の区直営の低料金アウトリーチ型母乳ケア事業の実施につきましては、今後の研究課題とさせていただきます。

 

<長谷川たかこ>

【問】

杉並区や葛飾区では、子育て応援券を発行して、そのチケットで母乳外来を受信できるようになっています。このように足立区も他区と同じように専門機関と連携をしながら、母乳外来でも利用できる子育て応援券を発行することができないか検討をして頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

<保健予防課長>

子育て応援券の発行につきましては、東京ゆりかご事業の中で行っているものであります。

ただ、東京ゆりかご事業につきましては、妊婦の全数面接が求められていること、また足立区に起きましては、物の配布ではなくソフトのサービスと言った形でA-SMAP事業を現在、推進させて頂いていることなどから、委員のご提案に関しましては、今後の研究課題とさせて頂いております。

<長谷川たかこ>

今後の研究課題としてお願いしたいと思います。

【問】

妊娠期から切れ目のない子育て支援として、母乳育児を継続させるための地域資源の活用を求めたいと思います。

母乳育児を支援する※子育て自主グループ「おっぱいの会」が区内に竹の塚・江北・千住保健総合センターの3か所で行われています。保健師や助産師が直接、お母さんたちの指導にあたり、母乳育児に関する悩みや母乳育児の指導をしています。

お母さんたちが安心して母乳育児が継続して行えるよう、足立区全域の各保健総合センターでも行えるようにして頂きたいと要望しますが如何でしょうか。

※「子育て自主グループ」という位置づけですが、保健センターが企画・運営しています。

区が主導で、日時を決めて、保健師・助産師配置しています。

お母さんたちの情報交換の場と授乳の仕方や相談支援をしている。

<保健予防課長>

現在、おっぱいの会を行っていない中央本町保健総合センターにおきましては、センター内で行っています育児相談の中で、また東部におきましてはお母さま方の利便性を考えまして、住区センターで行っているすこやか親子相談の中で母乳育児相談を受け付けるなど、地域の実情に応じた母乳育児支援を行っております。

なお、中央本町及び東部におきましても、自主グループ形式で参加したいという複数のお母さま方からのご要望などありましたら、自主グループの開催支援について検討をして参ります。

<長谷川たかこ>

是非、地域格差が出ないように積極的に進めて頂きたいと思います。東部地区はないので、私もその当事者の一人なので是非とも手を挙げさせていただきたいと思います。

母乳育児を行う大切な約1年間、この時間を赤ちゃんとともに共同作業で過ごすことで、母親と赤ちゃんとの愛着形成はより深まり、親子の絆も深まると感じています。お母さんたちが母乳育児を実践することで、深い愛着形成が育まれれば、親による児童虐待は減少するはずです。母乳育児に関する支援を区として、優先順位を高くし、取り組みを積極的に進めて頂くことを強く要望します。