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平成30年3月6日予算特別委員会の内容③【発達障がい児・者 家族支援 個別支援シートの活用について】

発達障がいは、うつ病、ニート、引きこもり、不安定就労、いじめ、児童虐待、不登校、中途退学など、様々な社会的要因の一因となっています。発達障がいに対する社会的関心が近年急速に高まっているにもかかわらず、グレーゾーンの診断名の付かない人たちに対する支援体制の整備は非常に乏しいものがあります。乳幼児期から成人期までの全ライフステージに切れ目のない発達障がい者支援体制を区として早急に整備し、足立区独自の支援システムを構築し、開発・実践する必要性があります。

国では、0歳から18歳まで一貫した切れ目のない支援を行うために、個別支援計画シートを示しています。様々な生活場面で障がいの特性を適切に理解してもらうために作られたものです。その活用は各自治体に任せられており、足立区では就学前のチューリップシートや小中学校では学校生活支援シートを活用していますが、18歳までには至りません。

障がいのある子との歩みには、その時々に必要な記録が必要となってきます。

0歳から18歳まで一貫した切れ目ない支援を行うためにも、国が示している個別支援計画シートを活用し、教育と福祉の連続した支援が継続して受けられる取り組みを早急に行うことが必要です。

既に国ではこの個別支援シートを各自治体でも作るよう促していますが、鳥取県や埼玉県では県レベルでの取り組みが進んでいましたが、東京都では手薄の状況でした。

このような状況下で足立区のペアレント・メンター事業の中で、取り組みが始まっています。

今年度は、足立区のペアレント・メンター事業の中で「サポートブック」綴りを親同士の交流の場で進めていくそうです。子どもの今を支え、福祉サービスや将来の制度の利用にもれなくつなぐための準備となる試みです。

気づいた時から負担なくつづれて必要な時にもれなく取り出せるように、ペアレント・メンターの視点でまとめた「いいとこ綴りノート」&「サポートファイル」を足立区の教育行政と連携をし足立区の全ての教育機関で活用できるよう、つなげていきたいと思います。

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

☆「発達障がい児・者 家族支援 個別支援シートの活用」について

<長谷川たかこ委員>

本日は、「発達障がい児・者 家族支援 個別支援シートの活用について」伺います。

発達障がい児者は、コミュニケーションや注意、集中の困難さ、感覚の問題など、特有の困難を抱えています。乳幼児期から成人期にかけての全ライフステージを通して、個々の発達障がい特性に配慮した支援が行われることが必要です。そこで、個別支援シートを、足立区の全小・中学校で徹底させ、途切れない支援を継続させることを提案させていただきたいと思います。もともと国では、0歳から18歳まで、一貫した切れ目のない支援を行うために、個別支援計画シートを示していましたが、各自治体によってばらつきがあり、ここ数年前までは、東京都はこの事業を積極的に進めていませんでした。従来では、小学校から中学校や高校に引き継ぐかどうかは、各校が独自に判断していたため、新しい学校に進学をしても、障がいに応じた最適な指導方針が把握し切れておらず、一からその指導を模索することが試みられています。

進学し、年齢が上がれば上がるほど、特に高校では、適切な進路指導がしにくい状況となり、2次障がいも併発し、不登校問題や退学なども含めて、より深刻な状況に陥っていることも否めません。

私が議会で提案をさせていただきましたペアレントメンター事業ですが、区長並びに担当部署の皆様のご理解のもと、2年前に、鳥取大学医学系研究科教授の井上雅彦先生のご指導のもと、東京23区で、初の親の会によるペアレントメンター事業、一般社団法人ねっとワーキングが立ち上がりました。現在24名のメンターに対して、正会員と一般会員合わせて70名ほどの会員数となっています。

ペアレントメンターは、同じ発達障がいのある子どもを育てる保護者が、相談相手となって悩みを共感し、実際の子育ての経験を通じて、子どもへの関わり方などを助言する支援者です。ペアレントメンターの活動内容は、電話相談、面会での個別相談、理解啓発活動、サポートブックの作成協力、研修会などでの情報提供です。親向けの相談以外にも、例えば、小学校教員向けの研修や一般の保護者向けに小学校道徳教育公開講座や保育園発達コーディネーター研修や、保健センターネットワーク会議などの活動をしています。ちょうどこの間の日曜日、一般社団法人ねっとワーキングによる子育て応援事業として、鳥取大学の井上教授をお招きして、発達障がいのある子の家族支援とその子をサポートするファイル個別支援シートの書き方講座が、北千住のシアター1010で行われました。現在、ペアレントメンターで活動しているねっとワーキングで、個別支援シートの支援もしており、来月の4月から、ホームページ上でダウンロードをして、一般の方々にも使用できるようになります。

足立区として、足立区障がい者計画や公的な文書作成の際に、是非とも足立区が委託している一般社団法人ねっとワーキングの個別シート、いいとこ綴りの事業内容などを更に盛り込んでいただき、広く区民に周知をして、区民にしっかりと実際に活用してもらえる体制を整えることが必要だと考えますが、区のご見解をお願いします。

 

【福祉部長】

明日なんですが、おっしゃっていました委託事業者から私もお話を聞く機会を設けております。どのような活動内容、委託の事業を行っておりますので、その事業をお聞きしながら考えてまいりたいというふうに思っております。

 

<長谷川たかこ委員> 

是非、進めていただきたいと思いますので、ご理解のほどよろしくお願いします。

ペアレントメンターからお聞きするお話ですが、子どもの個別支援シートを書くことは結構難しいそうです。そもそも赤ちゃんのころから、母子手帳に保護者が記録をするページにおいても、自分の子どもの成長が追いついていないと、母子手帳が真っ白なまま、何も記入せずに終わってしまうそうです。成長する過程で、日頃からちょっとしたことを書きとめて、書き方のコツをつかんで記入することが必要だということでした。ねっとワーキングでは、このいいとこ綴りサポートの作成会を、お茶菓子を出しながら和やかな雰囲気で行っています。体験した方々からは、何から手をつけて良いのかわからずにいたので大変助かった、温かく迎えてくださり、前向きの言葉をいただき、心が軽くなりましたとか、記憶は曖昧になりがちなので、日付や子どもの様子は記録することが、とても大切なことだと感じたとの参加者の声が上がっています。鳥取大学教授の井上先生からは、子どもを支援する場合には、親も支援しないと、子どもの心にたどり着かないとおっしゃっています。小・中学校に対する支援シートの作成については、足立区が様式を提示するだけでは不十分です。まず教員及び保護者の理解が不十分な点もあり、効果的に活用されていないのが現状です。

今後、一般社団法人ねっとワーキングを、各小・中学校の校長会や各学校に出向いた形での教員研修を増やしていただき、教育、保健、医療、福祉などが連携した児童・生徒を支援する長期計画としての支援シートが作成できるよう、区として整備していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

【こども支援センターげんき所長】

個別支援シートの作成、現在特別支援教育の中で実施することとなっておりまして、対象とする生徒には、全部つくるように、指導しているところでございます。

しかしながら、まだまだ全体の理解であるとか、質という部分では課題がありますので、こちらの法人の皆様との、どのような関わり方で研修等できるかについては、今後検討させていただきたいと思いますが、考えていきたいと思います。

 

<長谷川たかこ委員>

是非、連携していただきたいと思います。

保護者からの個別生活支援シートや学校の教員が作成する個別指導計画を一つのファイルにまとめた学校支援ファイルが同時にできると思いますが、保護者が高等学校の進学、就学先へ示すことによって、将来的な支援のつながりができると思います。小、中、高、就職先、また大学や専門学校へつながる支援の制度をしっかりと整備していただきたいと思いますが、指導室長、どうお考えでしょうか。

 

【教育指導課長】

まさにおっしゃるとおりでございまして、特別支援教育に関しましては、足立区ではいち早く南花畑特別支援学校と連携をとりまして、学校生活支援シートと称しまして、この小さい幼少期から成年までのつながりを1枚のシートにしたものを作成しております。それに学校が作成する個別支援計画を更にプラスして、学校支援ファイルをご家庭のほうでつくっていただき、連携をしたいという旨は話してはいるんですけども、なかなかやはり全学校、全先生の理解というところまでは至っていないと思います。

これからもこども支援センターげんきと連携しながら、教員の知識理解、また、この鍵については、管理職、校長先生のご理解が、やはり大きな鍵となっていると思いますので、そちらのマネジメント研修もあわせて、計画してまいりたいと思っております。

 

<長谷川たかこ委員>

是非、連携強化をお願いして進めていただきたいと思います。