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一般質問の内容①「産後ケア一部利用料の助成」について

平成30年 足立区議会第4回定例会で一般質問を行いました。
任期最後の一般質問です。
社会の趨勢と自信の体験を踏まえて、妊娠、出産、産後の政策提言をまとめました。

出産後は母体の出血,感染、うつなどの発症率が高く、産後の身体の回復は平均して6週間かかります。この期間は妊娠中に胎盤から分泌されていたホルモンが急激に減少することにより、心理状態の変化が最も大きく、育児に不安を持つのもこの時期が一番多いと言われています。

出産後の女性は、心身や生活そのものが大きく変化するため、出産後をどのように過ごすかによって、その後の育児や家族の生活が変わってきます。出産で疲れた体をほとんど労わることがないまま、お母さんたちは24時間の育児が始まります。

出産直後からはじまる2~3時間おきの授乳や抱っこ。

出産で疲労した身体を十分に労わらずに赤ちゃんのお世話を24時間続け、育児に不安を抱きながら心身のバランスを崩してしまうお母さんたちが多くいるのが現状です。
高齢出産や様々な家庭状況により産後の支援が乏しい家庭にとっては、心身ともに不安定になりやすい産後の一定期間、母子の休息を目的とした産後ケアが必要不可欠です。

足立区でも、全てのお母さんたちが安心して子どもを産み育て、お母さんを労わる支援施策の拡充を求めて区長に提言しました。

以下、代表質問の内容と、その答弁です。


*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****


<長谷川たかこ>
私は一昨年、第3子の出産をし、今年の9月には、第4子を出産しました。
一昨年の出産直後、羊水塞栓症と弛緩出血を発症し、4.4ℓもの大量出血をおこし、生死の境まで行きました。羊水塞栓症の発生頻度は、2万人~3万人に1人の割合で非常に珍しいもので、発症すると妊婦は60%~80%の確率で死に至ります。年間、妊産婦は50人程亡くなっていますが、その中で約3分の1がこの病症で死亡しているそうです。

一昨年、母体救命搬送により病院に到着した際には、医師から家族に「死ぬかもしれない」との宣告がありました。すぐに、10人分の輸血が行われ、EICUの集中治療室で治療を受け、私は高度な医療技術で命をつないで頂きました。

そして、第4子となる今回の出産では、分娩後のリスクに即時対応できる医療機関で出産をし、今日、この議場にまた戻ることができました。第4子の出産では、陣痛から分娩まで約20時間となる長丁場でしたが、今は「命を懸けて大きな仕事を果たした」という達成感と自分が生かされているという「生きていること」に私なりの使命感を感じております。

議員と子育ての両立を図りながら、足立区に住む全てのお母さんたちが「子育てが楽しい、楽になった、もう一人産みたい」と心から思える子育て支援の構築に向けて、私はこれからも全力を期していきたいと思います。

妊娠・出産・育児等の子育て支援について


1. 産後ケアについて
それでは、妊娠・出産・育児等の子育て支援について提案・質問を致します。

国では、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率を現在1.4から1.8にする目標時期を2025年度としています。
現在、女性も男女雇用均等法によって社会で活躍するようになり、第1子を出産する年齢層が高くなりました。就労構造の変化とそれに伴う出産年齢が高齢化し核家族化が進行する中で、地域の関係性が希薄化となり、昔のような出産・子育てに対する考え方と出産後の母親を取り巻く環境が著しく変化しています。約40年前、高度成長期の日本では男性が外で働き女性は家を守るという家庭が大半を占めていました。現代社会は、夫婦共働き、多様なスタイルの家庭がある中で女性が社会進出するにつれ初産年齢は高齢化し、祖父母も高齢化し、従来の里帰りによる祖父母からのサポートも難しくなっています。


そのような中で、現在、国内の妊娠・出産・子育てにおいて最もサポートが不足しているのは、出産後と言われています。


出産後は母体の出血,感染、うつ等の発症率が高く、産後の身体の回復は平均して6週間かかることが分かっています。この期間は妊娠中に胎盤から分泌されていたホルモンが急激に減少することにより、心理状態の変化が最も大きく、育児に不安を持つのもこの時期が一番多いと言われています。出産後の女性は、心身や生活そのものが大きく変化するため、出産後をどのように過ごすかによって、その後の育児や家族の生活が変わってきます。出産で疲れた体をほとんど労わることがないまま、お母さんたちは24時間の育児が始まります。出産直後からはじまる2~3時間おきの授乳や抱っこ。出産で疲労した身体を十分に労わらずに赤ちゃんのお世話を24時間続け、育児に不安を抱きながら心身のバランスを崩してしまうお母さんたちが多くいるのが現状です。


出産はゴールではありません。


出産直後からのケアを厚くし、直後から始まる育児も重要であるという認識のもと、支援して行くものという意識を足立区で持ち、積極的に取り組むべきです。母親の心に余裕がないと、愛情深く忍耐強い育児はできません。子育ての第一歩をストレスフルな状況で過ごすことは、産後うつや児童虐待につながる可能性がとても高くなります。育児のスタートアップ期に母子ともに適切な愛情とケアを受ければ、母子の愛着形成が築かれ、『母親自身が愛情深く、強い存在になる』ということを周りが認識することが重要です。


私自身、第3子・第4子出産の際に、葛飾区にある産後ケアをそれぞれ一週間利用し、心身の休息を図り、心身のバランスを取り戻しました。産後ケアでは、授乳や沐浴の仕方、お母さんの身体の産後のケアなど、お母さんが帰宅後に自宅で不安なく育児が出来る様、出産後のお母さんや赤ちゃん、そして家族に対する全面的なサポートをしています。

既に東京23区中、16区で産後ケアの補助をしており、例えば、北区、渋谷区、荒川区、豊島区、そして、千葉県我孫子市、松戸市では、他自治体にある産後ケアが利用できるように補助を行っています。

葛飾区にある産後ケアでは、この近隣自治体から多くのお母さんたちがこの補助を活用し、ケアを受けていました。松戸市民や豊島区民は、葛飾区の産後ケアを3000円で受けることができます。残念なことに足立区では、この産後ケアが区内には全くなく、近隣自治体にある産後ケアを利用したくてもそれに対する補助もありません。

出産を経験する足立区の全てのお母さんが、区外の産後ケアの支援を十分に受けることができるよう整備して頂きたいと切に要望致します。


【問】産後のお母さんが、心身を休めて安心してゆったりと育児技術を身に付けることができ、出産後も自信を持って家庭での育児に臨める環境をこの足立区でも構築することが急務です。出産後の生活や育児に伴う大きな不安を解消し、母子の健康と社会復帰を応援する場所として、他区にある産後ケアハウスを活用できるよう、利用料の一部を助成する事業を早急に行って頂きたいと切に要望致します。区長の見解を伺います。


<衛生部長>
産後ケアの利用料一部助成のご質問についてお答えします。
他区にある産後ケア施設利用への助成は、今のところ考えておりません。
一方で、現在産後のお母さんへの支援として産前産後家事支援事業に加え、子ども預かり送迎支援事業では乳児の沐浴介助や母の休息中の乳児の見守り等の支援を行っています。
また、ファミリー学級においては、オムツ・衣類交換や沐浴、乳房ケアなど育児技術・育児情報の付与に努めております。


今後はさらにこれらの事業を有機的に連動させて足立区版産後ケア、子育て支援を検討して参ります。