予算特別委員会の内容⑦発達障がい児支援「学校現場における学校生活支援シートの作成」について
発達障がい児・者はコミュニケーションや注意・集中の困難さ、感覚の問題など、特有の困難を抱えています。乳幼児期から成人期にかけての全ライフステージを通して、個々の発達障がい特性に配慮した支援が行われることが必要です。個別支援計画をつくり、実際に取り組むことで「早期支援」を行い、さらにその結果を次の機関に引き継ぐことで途切れない支援を継続させることができます。
現在、国では、0歳から18歳まで一貫した切れ目のない支援を行うために、個別支援計画シートを示していますが、各自治体によってばらつきがあり、東京都はこの事業を積極的に進めていません。先進的には、鳥取県、埼玉県が進んでいます。
様々な生活場面で障がい特性を適切に理解してもらうためにも、足立区で個別支援計画シートを活用した取り組みを以前から進めるよう提案をしていますが、現状では、まだまだ整備されていない状況です。
たくさんのご相談が私の寄せられる状況を鑑みると、足立区は既存のチューリップシートをさらに発展させて、拡充させなければなりません。
困難を抱えている子どもたちに対して、しっかりと手が差し伸べられる支援施策をこの足立区から全力で構築していきます。
*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****
発達障がい児支援「学校現場における学校生活支援シートの作成」について
<長谷川たかこ>
学校現場のおける学校生活支援シートの作成についてお聞きします。
2016年私からの議会質問において、教育指導室長より、区内小・中学校に対し、区が学校生活支援シートの様式を提示しているが、教員及び保護者の理解が不十分な所もあり、効果的に活用されていないのが現状とのご回答がありました。今回の、予算編成のあらましを見ても就学前から学齢期への途切れない情報の連絡としてチューリップシートの活用が掲載されていますが、先ほど事例を挙げて申し上げたように、現場では、小学校から中学校への連携が全くなされていない現状があることを、保護者の方から報告が上がっています。
【問】ペアレントメンターがつながる支援として「発達障がい児・者の個別カルテ(個別支援計画シート)」の作成を行っています。こちらを最大限活用し、小学校から中学、高校へとつながるアセスメントシートが必ず導入されるよう、教育委員会とペアレントメンターとの検討委員会や研修会を立ち上げ、学校生活支援シートの作成を徹底して頂きたいと再度、提案を致します。
<こども支扱センターげんき所長>
来年度、ペアレントメンター事業が、障がい福祉センターあしすとから、私ども、「子ども文援センターげんき」のほうに移管されてまいります。それに伴いまして私ども救育委員会の施設でもございますので、学校や様々な現場との連携なども、より進めていけるかと思いますので、メンターの皆さんとご相談しながら、どのように取り組んでいけばいいか、ご相談させていただきたいと思います。
<長谷川たかこ>
是非とも足立区にある貸源を是非とも最大限活用していただき、当事者の親御さんである一番よくわかっているペアレントメンターの皆様との連携を強く求めていきたいと思います。
教育指導室長からは、2016年に議会提案の回答として『今後、教員には、本人や保護者の希望を踏まえ、教育、保健、医療、福祉等が連携して児童・生徒を支援する長期計画としての「学校生活支援シート」と、それに基づき小・中学校での支援を具体化した「個別指導計画」の作成や活用についての研修会を行って参ります。』とのご回答でしたが、現場では機能していないようです。先ずは、研修会についての進捗状況をお聞きします。
<支援管理課長>
研修につきましては、特にこのシートのみの研修というのは、数は少ないですが、全体、発達障がい等につきましての研修を行っております。また、幼保小につきましてはチューリップシート等の改定を致しました。今後の課題としましては、小中高につきまして、課題だと考えております。
<長谷川たかこ>
今のご回答で、まだまだ支援が乏しい状況であることを感じました。
保護者には個別支援シートや個別指導計画などの一つのファイルにまとめた学校支援ファイルについて『保護者が高校などの指導就労先へ示すことにより、支援のつながりができることを福祉部と連携を図り周知してまいります』というご回答を私の2016年議会提案で頂いておりました。しかし現在、高校などにもしっかりとつながっているのかという部分に関しては、多分、今の回答では、つながっていないのだなと思われました。先日ご紹介をした保護者の方のご長男さんは、これから高校に4月から進学をされます。先日ご報告をさせて頂いた痛ましい件を踏まえて、足立区はこれから抜本的に変えて頂きたいと思います。多く子ども達、このように悩み苦しんでいるお子さん達に対し、しっかりした支援を構築して、小中高のつながりとして、高校に関してもしっかりとしたシートの作成なども促して、それを上につなげて頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
<支援管理長>
中高に関しましては、実は中高連絡会が3年ほど前から始めております。その中で実はこの件につきましては、議題にしております。
まだ現在、検討中ということでございます。
<長谷川たかこ>
そうですか。やっぱりまだまだなのですね。
私は2016年のときにも議会提案して建設的なご回答を頂き「ああ、よかった」と思っていました。しかし、時間が経つ中で、多くの親御さんたちからの陳情、ご相談をお聞きすると、あまりにもこの内容につながる案件が多すぎます。
ここはしっかりと足立区として、てこ入れしていかないといけない部分だと感じております。
最優先課題として、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
子どもの発達で悩む親に対して、ペアレント・メンターという事業が東京23区初で足立区は設立しました。ペアレント・メンターによる、例えば講演会を含めた保護者が気軽に相談できて発達障がい特性のあるお子さんを持つ親が少しでも日々の生活の中で、子育てに対するその不安を解消できる場を「こども支援センターげんき」が教育委員会と連携をしながら構築していただきたいと切に願います。いかがでしょうか。
<支援管理課長>
まずはペアレント・メンター につきましては、来年度はこども支援センターが担当することになっております。先週、打ち合わせの会がありまして、来年度に向けての事業計画等も今、打ち合わせをしているところでございます。
<長谷川たかこ>
発達支援と不登校対策は、乳幼児期から青年期にかけた発達支援を必要とするペアレント・メンター事業で、かなりカバーできると思うのです。親支援に対する具体的な年次計画を是非立てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
<支援管理課長>
長谷川委員のご指摘のとおりでございます。しっかりと年間計画を立ててまいります。
<長谷川たかこ>
さらに効果を上げる支援の一つとして、関係する専門職員とペアレン ト・メンターとの連携も重要になってくるかと思います。区内の保育士、幼稚園教諭、学童指導員、就学前就学後の子どもたちに接する専門職員とベアレント・メンターとの今後の連携を強く求めますが、いかがでしょうか。
<支援管理課長>
就学前につきましては、今年度も行いました。実際に私も参加させていただきまして、非常に有意義な会だったと思っております。
今後につきましては、小学校、中学校に広げていきたいと思っております。
<長谷川たかこ>
困難を抱えている子どもたちに対して、是非しっかりと手が差し伸べられる支援施策を足立区から全力で構築して頂きたいと思います。