文教委員会①「不登校の子ども達や発達障がい特性のある子ども達とその保護者に対する適切な支援等の創設を求める請願」
改選後、初の文教委員会が始まりました。
先ずは所管のご説明です。
教育改革担当部を含む教育指導部の所管事項のうち、主な取り組み3点についての説明からです。
第1点目は、確かな学力の定着。
学力の定着・向上につきましては、わかる授業、魅力ある授業づくり、個に応じた指導の充実が重要と考えている。そのため、足立スタンダードの実践や教科指導専門員の巡回指導、小中連携による授業改善、民間教育事業者や大学を活用した英語教育、学力調査の結果を生かしたそだち指導や補習の充実を図っていくとのこと。また、就学前から小学校への滑らかな移行を推進するため、幼保小連携活動や接続期カリキュラムの実践を進めていくとのこと。
第2点目は、心身の健全な発達。
心の面では、考え、議論する活動を重視する道徳教育の充実による豊かな心の育成に努めるとともに、いじめ・不登校対策を着実に実施していく。また、体力の面では、昨年度より全校展開している投力向上による一点突破型体力向上策の更なる推進を図る。オリンピック・パラリンピック教育の取り組みを推進していくとのこと。
第3点目は、新学習指導要領への対応について。
来年度に小学校、その翌年に中学校で全面実施となります新学習指導要領に対応した学校教育を進めるため、全小・中学校へのICT環境の整備及び活用の促進を図る。また、小学校外国語教育やプログラミング教育の円滑な導入、学校図書館の活用促進に向けた取り組みを進めいく。
学校運営部長からのご説明。
学校運営部の所管事項のうち、主な取り組み3点について。
第1点目は、児童・生徒の心身の健全発達の支援について。
子どもたちの心身の健やかな成長のため、食育の視点を含めたおいしい給食事業を推進するともに、衛生部との連携によるむし歯予防や小児生活習慣病予防のための保健指導を着実に実施していく。
また、本年度より、全児童・生徒の健診結果をデータベース化する学校保健管理システムを稼働しているが、8月から、学校保健統計システムも稼働できるよう、準備を進めていく。
第2点目は、安心して学べる教育環境の整備について。
子どもたちが安心して学べる教育施設の整備と運営の充実を図るため、学校改築と保全工事を着実に実施するとともに、人口急増地域への対応を進めていく。また、トイレの改修工事は令和2年度までに洋便器化やドライ化を完了する予定で、着実に進めていく。体育館のエアコン設置に関しては、本年度モデル設置3校を検証するとともに、全校への設置計画を策定していく。
第3点目は、学校における働き方改革の推進。
教育指導部とともに、足立区立学校における教員の働き方改革実施方針に基づく方策を実施・検証し、教職員の負担軽減を図ることにより、学校教育の更なる質の向上につなげていく。
子ども家庭部長からのご説明。
主な取り組み4点についての説明。
第1点目は、幼児教育・保育の無償化及び教育・保育施設の量と質の確保に向けた取り組みについて。
本年度10月1日より、幼児教育・保育の無償化が実施される。
国・東京都・他区の動向を注視しながら、各施設と課題を調整し、着実に進めていく。
教育・保育施設の量と質の確保について。
本年4月の保育所等入所待機児童数は、前年度比82人減の123人。2020年4月の待機児童解消を目指して、引き続き、足立区待機児童解消アクション・プランに基づき、保育の量の拡大を図っていく。また、同時に全ての子どもに質の高い教育・保育を提供する体制を確保する必要があるため、区では、引き続き、指導検査の対象・回数を拡充するとともに、実地調査や研修等を通じて、足立区教育・保育の質ガイドラインで示した質の高い教育・保育の実践に結び付けていく。
第2点目は、不登校対策の推進について。
不登校児童生徒への早期支援体制を強化し、長期欠席状態の防止を図るため、学校、教育委員会、関係機関相互の連携強化を進めいる中で、不登校特例教室の導入に向けた準備や民間団体と連携した居場所支援事業の拡充など、多様な教育機会の確保のための更なる環境整備に取り組んでいく。
第3点目は、発達支援児対策の取り組み強化について。
今年度より私立幼稚園にも、発達相談を拡大し、全ての就学前機関での相談支援を行っていく。また、チューリップシート(旧就学支援シート)を全家庭から小学校へ提出してもらい、「つなぐ」ツールとして活用していく。更に、就学への不安や発達に偏りのある児童を対象に試行している集団活動体験プログラムが全校で活用できるプログラムになるよう検証していく。
第4点目は、家庭力の向上と体験活動事業の充実について。
親が安心して子育てや家庭教育ができるように、家庭の教育力を支援する仕組みづくりを進めていく。また、経験や体験が子どもの成長に不可欠であることを踏まえ、区が把握する体験活動の情報を横断的にまとめて、わかりやすく周知し、参加の促進を図っていく。
次に受理番号6 「不登校の子ども達や発達障がい特性のある子ども達とその保護者に対する適切な支援等の創設を求める請願」を単独議題とし、議論されました。
※内容についてはこちらをクリック。
この請願は私が紹介議員となっているものです。
委員長:新規付託でありますので、執行機関の説明を求めます。また、報告事項(14)平成30年度の不登校児童・生徒数について、(15)スクールソーシャルワーカー(SSW)の平成30年度活動実績については、本請願と関連しておりますので、合わせて執行機関に説明を求めます。現在の足立区の取り組みでございます。
こども支援センターげんき所長:
まず発達障がいのある児童・生徒への支援です。
(1)小・中学校における特別支援教室の配置ということで、小学校につきましては、平成30年度までに、全69校に教室を設置済みでございます。中学校につきましては、本年、令和元年度に12校(35校中)が開設しております。来年、令和2年度中には、全校設置を予定しているところでございます。
(2)発達障がい傾向の児童・生徒に対する接し方の向上というところで、学校管理職・教員を対象に研修を実施しているところでございます。平成30年度は、学校管理職向け3回、教員向け16回の研修を実施したところでございます。
(3)ペアレントトレーニングの実施です。こちらは、保護者向けのトレーニングですけれども、保護者による子どもの特性の理解と、子育ての孤立感の軽減というところで、平成30年度は2クール実施したところでございます。
発達相談件数と小学校特別支援教室利用児童数でございます。グラフですけれども、棒のほうが発達相談の件数です。平成29年度1,005件のところ、平成30年度は1,258件と、250件以上増えているところでございます。一方、小学校の特別支援教室の利用児童数は、平成29年度1,033人、平成30年度が1,684人というところで、こちらも650人程度増えているところでございます。
2番の不登校支援です。こちらは未然防止・早期発見の取り組みといたしまして、アの教育相談コーディネーターの配置から、ウの専門職員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置などを行っております。
(2)の不登校となった後の支援といたしましては、登校サポーター派遣の拡充というところで、今年度中学校では、全校で実施を予定しております。また、学校以外のチャレンジ学級、居場所を兼ねた学習支援事業を利用した不登校支援につきましても、こちらチャレンジ学級を今年度から2カ所から3カ所に増やし、また、居場所を兼ねた学習支援事業も、これまで1カ所でしたが、9月から2カ所目が開始される予定でございます。
3番、不登校の悩みをもつ保護者への支援というところで、教育相談員による不登校相談の充実というところ、こちらも竹の塚のほうに1カ所、相談のできる場所を増やしましたので、より身近なところで相談できる体制をつくっているところでございます。
また、保護者交流会の開催というところで、9月から、不登校のお子さんを持つ保護者の交流会を実施を予定しているところでございます。
参考で載せておりますが、東京都と足立区の不登校出現率の推移というところで、足立区の中学校、平成28年度に1,000人を超えたというところで、5.78%という数値でしたが、昨年、一昨年と、この2年間で徐々に低下をしてきているというような状況でございます。
3番、いじめ予防に関する主な取組というところで、まず、教育委員会での取り組みといたしましては、いじめ防止に関する教員研修の実施から始まりまして、オのいじめ等問題対策委員会(第三者委員会)を設置しての取り組みなどを行っているところでございます。
また、学校現場の取り組みといたしまして(2)ですけれども、学校いじめ防止基本方針を各学校で策定し、学校いじめ対策委員会を設置、そして、いじめ相談箱やいじめ防止教室の取り組みなどを行っているところでございます。
4番、自殺予防でございますが、(1)のSOSの出し方に関する教育の推進というところで、小中学校全学年で、年1回以上、命の尊さをテーマにした授業を実施し、また、イの小学校高学年(5・6年生)時と中学校在学中には、それぞれ1回以上、DVD教材を活用した授業を実施するなど取り組んでいるところでございます。
続きまして、文教委員会報告資料のほうの50ページをお開きください。
まず、平成30年度の不登校児童・生徒数についてのご報告でございます。
まず、平成30年度不登校児童・生徒数ですけれども、こちらにつきましては、小・中学校合わせまして936人ということで、前年度から23人ほど減っております。その下に表がございますけれども、平成28年度の1,078人から、平成29年度、平成30年度と少しずつではありますが、各現場での取り組みなどを進めることで、減ってきているというような状況がございます。なお、この表の括弧に記載のある部分は、30日以上の欠席扱いにはなっておりますけれども、チャレンジ学級やフリースクールなどで勉強されているお子さんにつきましては出席扱いということになっておりますので、その数を記載したものでございます。
また、次の下のところですけれども、こちらは学年別欠席日数別の表でございます。残念ながら120日以上というところが一番多いわけですけれども、ただ、この中で、例えば、一番右側の中学生374人、120日以上いますけれども、このうち53人は、チャレンジ学級などで学んでいただいているというところでございます。
続きまして、51ページです。
増減の主な要因と取り組み例というところで今回、全体では少し減ったわけですけれども、小学校、中学校合わせて増加した学校が41校、逆に減少した学校が48校というような結果となっております。小学校の中で、特に増加というところでは、なかなか家庭と連絡がつかないとか、学習意欲や登校意欲が乏しいという等の支援が困難であったというようなところが増の理由として挙げられております。減少のほうは、担任の家庭訪問あるいはケース会議などの取り組みにより、減らすことができたというようなところです。中学校のほうでも同様ですけれども、増加のほうは長期休み明けのところでつまずいているというようなところ、また減少のほうでは、別室の指導であるとか、家庭訪問などの取り組みあるいは早期の取り組みという辺りが効果を上げているというところでございます。
51ページの下ですけれども、不登校対策の早期発見、未然防止の必要性というところで、やはり中学校1年生のところで大きく新しく不登校になるお子さんが出ているという状況です。こちらの支援といたしまして、52ページですけれども、こちらはやはり進学をした後の環境変化というところで、生徒さんの様子を注意深く観察して、未然防止と早期発見の取り組みが必要と認識しているところです。
(2)の不登校児童・生徒への多様な教育機会の確保というところで、先ほども申しましたがチャレンジ学級などの拡充や居場所を兼ねた学習支援事業の昼間を活用した取り組みを進めております。
平成30年度の不登校児童・生徒の要因といたしまして、やはり大きなところは友人関係、それから学業不振、授業がわからない、付いていけないというところが大きなところかと思います。
今後の方針ですけれども、魅力ある学校づくり、未然防止に努め、早期の対応していくということ、また、別室登校やチャレンジ学級など多様な学習機会を提供し、不登校の支援につなげるということです。
次に、54ページでございます。
スクールソーシャルワーカー(SSW)の平成30年度活動実績について363件ということで、前年より若干減っておりますけれども、こちらのスクールソーシャルワーカーというものが、学校の中で理解されてくる中で、本当に必要なところに対応しているという状況でございます。
次のページになりまして、55ページですが、真ん中に相談件数と改善又は解決した件数というグラフがございますが、全体で34.2%で改善が見られているという状況でございます。今年度、令和元年度の実施内容としては、3地区にそれぞれ配置をして、また常勤のスクールソーシャルワーカーということで、職員も増やしまして、取り組みを進めているところでございます。
今後も学校との連携など、支援に努めてまいりたいと思っております。
○古性重則 委員長:
それでは、何か質疑ございますか。
◆長谷川たかこ 委員:
再三、議会で特別支援教育を導入したユニバーサルデザインの教育、ソフト面とハード面についてもご提案をさせていただいております。また、いじめに関しても、この間の予算特別委員会の内容などでも触れさせていただいていますが、全てにおいて足立区の施策には、この内容が不足しています。今の担当部署の方からのご回答も、まだまだこれからの課題となってしまっていますが、この請願に対してどのように取り組もうとかんがえていらっしゃるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
◎支援管理課長:
小・中学校の教職員につきましては、予算特別委員会でお答えしましたように、研修ということで、今年度につきましても回数も19回と、変えた点につきましては、管理職を研修の対象にしております。また、通常の学級の担任につきましても、研修を行うということで現在、進めております。
◎こども支援センターげんき所長:
若干補足させていただきますけれども、小学校につきましては、特別支援教室が全校に配置され、研修なども行ってく中で、徐々にではありますが、学校校内での理解なども進んできておりますので、今後も更に研修なども充実しながら、また現場でのいろいろな支援の取り組みについても充実しながら、より発達支援に即した教育を進めていきたいと思っています。また中学校に関しましては、まだまだこれから今年度は12校、来年度全校という形になりますので、教育内容の充実という点では、まだまだ途上かと思いますけれども、区としては着実に進めていきたい、決して滞ることなく、一歩一歩になりますが、着実にここは改善をしていきたいと思って、今後も充実して取り組んでいきたいと思います。
◎教育指導課長:
私からは、ユニバーサルデザイン教育の導入というところですが、教員に関しましては、足立スタンダードによる授業でベーシックスタイルというのを今後も徹底していきたいと思っています。例えば目当てを書き、狙いを書きというところから、板書を徹底する、ノート指導の徹底などは徹底してきているのかなというふうに評価してございます。
また、いじめ予防、自殺予防につきましては、こちらもこちら請願説明資料の2ページに書かせていただきましたように、教育委員会の取り組み、学校の取り組みにつきまして、特に平成27年度から強化してまいりましたが、これについても、先生の理解なども含め、徹底してきているかなというふうに評価しております。
◆長谷川たかこ 委員:
いつも思うことは、役所の皆さんは、凄く勉強されていて、お話すると、いろいろとやってくださっていますが、現場に通っているお子さんをお持ちの親御さんやたくさんの方々から、現場が動いてない、適切な指導をされてないと凄く悲痛な訴えが届きます。
この間、予算特別委員会でも、親に「死たい」と言ったお子さんがいるという話しをさせて頂きました。教育長は、みんなからの、クラスメートからの全員の手紙が来て、それが一番つらかったというお子さんがいるというお話で、共感してくださいましたよね。
これは氷山の一角なんです。多くの子どもたちが悩み苦しんでいる現状があってその原因というのが、発達障がい特性があるお子さんに対しての現場(学校)が機能していない、適切な指導、支援がなされていないという現状があるのです。
こども支援センターげんき所長のところに行かれる親御さんは、本当に救われる一例だとは思いますが、そこでもまだ全然、問題が未解決のまま、他区に移動されてしまった親御さんもいらっしゃいます。足立区の取り組みがとても乏しいということを、この6年間、発達障がい施策をやり、議会質問し始めていやというほどよくわかりました。
支援施策を構築してくれるものだと期待していましたが、結局ここにいらっしゃる役所の皆さんは、勤勉家でいろいろと私の質問に的確に答えてくださいますけれども、現場に落とし切れていないという現状があるんです。そこをきちんと酌み取って下さい。
この請願、121名の親御さんたちが署名されています。
どこの学校でも、通常学級の中には、特性のある児童・生徒は必ずいるということを学校の先生から直接ヒアリングしてお聞きしました。
現場は忙しくて手が足りない、教員も疲弊し、親御さんとのコミュニケーションが十分にとれていないそうです。また、専門性を持った教員を配置している中で、相談や連携はとるけれども、全教員に啓発していくまでは至っていないそうです。教員は忙しく、直面しないと意識的に学んだり、対処できる術を身に付けることはできない状況とのこと。このような中で、親御さんとの思いとすれ違いができて、摩擦が生じ、子どもたちが不登校になっていくという現状があるそうです。校長会や教育委員会を抜本的に改革し、校現場で教職員一人ひとりの意識改革をしていかなければ到底追い付かないという話をいただきました。
是非モデル校をつくって頂きたいと思います。
以前から議会提案させて頂きましたが、日野市が小中学校で先進的にユニバーサルデザインの教育をハード面、ソフト面でやっています。先進自治体をお手本としながら是非足立区でも行ってください。現場の学校に通わせているお子さん、親御さん、そして学校の先生方からも全然、到底もう追い付いていませんというお声を頂いています。教職員も疲弊しているというふうにも言われました。
変えていかなくてはいけない喫緊の課題です。
具体的な年次計画も含め、モデル校を決めてやっていただきたいと思いますが如何でしょうか。
◎こども支援センターげんき所長;
小学校には、平成28年度から特別支援学校を全校に設置いたしまして、中学校も今年、来年で全校設置というところ、そしてその中で例えば小学校で、平成30年度ですけれども、1,684人のお子さんが、特別支援教室を利用されています。ですので、確かにまだまだ全ての方に適切に対応ができているとは到底思ってはおりませんが、少なくともそういう環境整備とかに関して、着実に進めているということは申し上げておきたいと思います。
そして、この内容の充実に関しては、研修などもございますし、また学識者を招いてのいろいろな取り組みなども考えられるかと思いますので、その辺りについては、今後より充実していく方向で私どもも考えていきたいと思っております。
◎教育長:
今、長谷川委員ご発言のように、現場に落ちていないということであれば、私の努力が足りないだろうというふうに思います。真摯に反省して、そういったことをもっと伝えていきたいなと。私自身は、私自身の経験も含めて、体験も含めて、校長会などでは、そういう発言をしています。
それから、今こども支援センターげんき所長からあった特別支援教室を全校に配置するというのは、足立区だけの政策で、これも踏み切ったのは、やはり私どもの子どもたちに、そういう傾向の子が多いんだ、そういうところからの発想で、決して事業を遅滞してということではなくて、進めていきたい一心で、これについては、グレーゾーンも含めて、私どもやっていて、もうそれについては逆に都のほうから掘り起こしているのではないかとか、あるいは足立区の施策について云々ということも言われていて、調査が入ったりとか、これも跳ねのけながら、今までやってきています。これを私ども、隔離するのではなくて、全校に入れたことによって、インクルーシブなユニバーサルデザインのきいたそういった教育を全校に広めていきたい、全教室に広めていきたい、こういう思いからやっているので、このことも私もっと伝えて、それが広まるようにしていきたいと。まだまだ努力不足だという点については、反省したいというふうに思いますけれども、努力を続けていきたいと思います。
◆長谷川たかこ 委員:
日野市のユニバーサルデザインが小・中学校、とても先進的に行われています。委員会の皆様とも一緒に視察に行って、ユニバーサルデザインの教育とはどういうものなのかというのを勉強しに行きたいなと思うのですけれども、委員長、如何でしょうか。
○古性重則 委員長 正副委員長で検討させていただきます。
今、教育長がおっしゃったとおり、また皆さんからもお話があったとおり、区は努力はしているのですが、それは、全てが満足いくようにはなかなかいかないと思いますので、これからも引き続き努力をしていただきたいと思います。
◆ぬかが和子 委員:
この請願の私は文章の中で、非常にちょっと心に刺さった部分がありまして、いわゆる診断基準を満たさないグレーゾーンと称される子ども達に対する適切な指導や、要は適切な環境にない中で、誤解されたり叱られてやる気を無くし、理解されないままで、普通学級で過ごす中で、問題児になるというケースもあるということで、今、解決しましたけれども、昨年度、大変な問題だった区内の中学校のお子さんの問題なのです。
このお子さんは、いわゆる発達障がいという判定はされていなかったわけです。だけれども、うちの議員が、学校に行って、その担当か何かの先生がたまたま出てきて指導する担当の先生かな、管理職ではない先生の話を聞いたら、実はこの子はこういう傾向があって、こういう発達障がいグレーゾーンなように見えるのですよということが出てきたのです。しかし、その子に対して、本当に学級の中では非常に扱いとしては、そういう扱いをされていなかった、そういう中で、大変な問題にもなっていたということで考えると、本当に理解という問題とともに、体制の問題だろうと。この子大変だなと、先生たちに聞いても、この子もしかしたらこういうことがということを思っていても、実際には、そこに手を回せるような余裕がない。こういったことも含めて、全体として考えていかなければいけないのではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
◎教育長:
個別の児童・生徒のことについては、ここでは、お答えできませんので、ご配慮いただきたいというふうに思いますけれども、今グレーゾーンについては、先ほど申し上げたように、いらっしゃいます。私ども、できるだけそういう子どもたちも一緒に、一緒にというか、特別支援の手が入るようにというふうにやっていると。でも片や教員の配置ですとか、そういうことについて、きちっとした判定を受けようという圧力も、東京都からの圧力もかかっている、それも跳ねのけながら私どもやっていると。ですから、決してグレーゾーン云々ではなくて、そのためには、例えばいったん入室するけれども、ある基準で退室する、また入室すると、こういうことがあってもいいのではないかとか、これについては、きちっと東京都と議論しながら進めていきたいと思います。私の気持ちはそういう気持ちです。決して、そういう子どもたちを見放したり、そういうことはしたくないというふうに思っていますので、きちっとした対応させていただきたい。そのために、東京都の手の足りないところについては、区で非常勤職員を雇ったりをして、雇用したりして、そういったところにも入れているので、私としてはこれを強力に進めていきたいなと。少しでも苦手を少なくして、生きづらさをなくすような教育をやっぱりしていきたいと思います。
◆ぬかが和子 委員:
それで、本当にまさに今、生きづらさをなくしていくということが、非常に大事だなというふうに私は思っていまして、要は、親にしてみても、スティグマもあるわけです。だから、うちの子はそうではないって思いたいのです。だけれども、実際に暮らす中で、なかなかうまくできないお子さんがいる、そういったときに、まさに今、全体でもよく言われているように、みんなが違っていいんだと、みんながそれぞれ伸びるようなそういう温かい学級集団をつくり、というのは先生たちに余裕がなければできないし、やっぱりそういう観点では、こういうふうに頑張りましょうと言うだけではなくて、そういうところを見極めながら、いわゆる特別支援ということだけでなく、そういう教育の体制を強めていくということが非常に重要だと思うのですが、どうでしょうか。
◎教育長:
繰り返しになりますけれども、私が特別支援教室の全校配置にこだわったのはそこでして、そういった気持ちややり方が全校の先生方に伝わり、あるいは生徒・児童にも伝わって、こういう子もいるのだ、いて普通なのだ、なので、自分のできることは何なのか、あるいは自分でできないことを言えるとか、そういったやっぱりコミュニケーションをとれるそういう学校つくりたいと、そういう願いですので、気持ち私は同じだと思っています。
◆ぬかが和子 委員:
その上でもう一つ、今回これ不登校も含めてということで、先ほどの報告事項があったわけですけれども、この報告資料のほうの50ページの平成30年度の不登校児童・生徒数についてという部分についてなのですけれども、やはり先ほどの中では、いじめも多いというのは言っていたのだけれども、もう一つに、学業不振、学力、授業がわからない・ついていけないということが理由として述べられているということだったわけです。私、前に質問したときに、もちろん家庭に起因する場合もあります、でも、不登校という現象は学校に行けない現象ということで考えると、その学校が楽しいのか、楽しくないのか、そういうことが一番大きいのではないかと。もっと言うと、その辺はアンケートなどではとっているのでしょうか。
◎教育相談課長:
学校が楽しいというアンケートにつきましては、教育相談課ではとっておりません。不登校に対しての要因という形はとっておりますが、学力調査と付随した調査では入っているかと思っております。
◎学力定着推進課長:
区の学力調査の中で、そういった学校生活に関するもの、教科に関するものということで、意識調査をとっております。
◆ぬかが和子 委員:
その上で、率直に言うと、4月に入って、先ほど言う進級、進学をした、そのいきなり学力テストですよ。過去問の繰り返しをやって。しかも、今年について言うと、過去問やった問題が出ないで、習っていない字が出ると。これでは、学校は楽しい場にはなり得ないというふうに思っていて、やっぱりそういう在り方も、私は見直す必要があるのではないかと。それから、原因の分析についても、そういう他の区と比べて頑張っている分野もあるのは十分承知しているのですけれども、一方で、本当にお金をかけてやっている事業が、費用対効果も含めて、また本当に子どもの心に届く事業になっているのかと、そういうことで、絶えず学力テストや様々な塾産業を入れての事業があると思うのですけれども、これらも検証していくという必要があると思いますが、どうでしょうか。
◎学力定着推進課長:
今、ご指摘ありました、まず習っていない漢字があったということに関してなのですけれども、確かに、今回、学習指導要領の移行期という中で、一部、漢字が本来出してはならないところで出してしまったというのは事実としてありました。これについては、経緯も含めて、原因を究明して、事業者のほうに確認しているというところでございます。また、様々な学業不振ということもありましたけれども、教員の授業力を高めることで、やっぱり学習集団と合わせて、個々の児童・生徒を見取っていく力を高めていくということと、また補習講座等々、事業者委託してやっておりますけれども、ここへの対応も含めて、きちんと学力を保障していくことで、不登校対策にもつなげていきたいというふうに考えているところでございます。
◆ぬかが和子 委員:
その学力テストそのものはそうなのですけれども、その他の講座等々も含めて、在り方というのは見直す必要があるのではないかということも質問させていただいているんですが、どうでしょうか。
◎学力定着推進課長:
それにつきましては、当然効果、費用、その他やり方も含めて、適宜、見直しながら、毎年毎年これありきではなくて、必ず検証しながら、今後についても検討していきたいというふうに思っております。
◆ぬかが和子 委員:
昔、足立区、非常に不登校が少なかったわけです。それで学力は決して高くはなかった。だけれども、学校は楽しい場で、友達と会えて、学校は楽しい場で、他の区に比べても不登校が決して多くはなかったわけです。それが今のような体制で、いろいろな事業をやり出す頃から急増してきているというのは事実なわけです。だとしたら、その事業との関連も含めて、本当に学校を楽しい場として、子どもたちが生き生きと学べる場にする、こういう観点から、是非、全体を見直していっていただきたいというふうに思っています。これ要望で終わります。
◆佐々木まさひこ 委員:
報告事項を合わせてということなので、不登校児童・生徒数なのですが、平成28年度に、1,000名を超えたということで、かなり教育委員会としても本腰を入れて、不登校児童対策に取り組んだ中で、平成29年度で959人、ただ、この平成30年度が936人ということで、初動、そういった本格的な取り組みを始めて、初期対応にかなり注力されましたよね。それで登校渋りとかそういう段階で、初期対応して、水際でせき止めた子たちが、およそ100人以上いらっしゃったんだろうと。今度この長期の不登校120日以上、いらっしゃいますけれども、こういうふうに固定化した児童・生徒、ここら辺の取り組みというのは、なかなかきついのだろうなというふうに思うのですけれども、ここら辺に関してはどうなのですか。
◎教育相談課長:
120日以上の長期不登校、固定化した児童・生徒なのですけれども、なかなか学校復帰というのは難しいところもありますので、別室登校、教室以外の場を活用するとか、学校に行けなければ、チャレンジ学級に行って、いったんクッションを置いて、また学校復帰を目指すと、あと居場所を兼ねた学習支援とか、いろいろなところを活用して、教育機会をつくっていきたいと考えております。
◆佐々木まさひこ 委員:
チャレンジも教室を増やして、様々、区も努力していただいています。当然そういうお答えになるのだろうというふうに思いますけれども。
あと51ページで、増えた学校と減った学校と、結構、差が出てきているというところもある、ケース会議で、欠席が続く児童の個別支援計画を共有し、共通理解のもと学校全体で取り組んだという、こういうようなことが書かれているんですけれども、こういったことというのは、各学校、全部やっているのではないのですか、やってないのですか。どうなのでしょう。
◎教育相談課長:
各学校でもやっておりますが、個別支援計画、より詳しく深くやって、具体的に行動に移したというふうには聞いておりますので、つくっただけでは当然終わってはいけないものですから、それを運用する力が必要なのかと考えております。
◆佐々木まさひこ 委員:
結局、様々な書類を出せと言われて、個別支援計画とか、多分、各学校、つくるのだろうと思うのですけれども、結局、その子どもに対して、アプローチかけて具体的に家庭訪問してという、そういう具体的なアプローチをしたところは減っている、計画つくって魂を入れてないところは減らないというようなことだろうというふうに思いますので、これは学校間の格差がないようにしっかりと様々な形で取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、いかがですか。
◎教育相談課長:
個別の学校の数について、我々、把握しておりますので、必要に応じて指導してまいりたいと考えております。
◆杉本ゆう 委員:
少しだけ質問させてください。
請願説明資料の1番の(2)に、発達障がい傾向の児童生徒に対する接し方の向上というところで、今回から、管理職向けにも3回研修をするようになりました、教員向けにも16回
思うんです。まずというか、それをお尋ねしたいんですが。
◎支援管理課長:
講師につきましては、本センターの心理士等、また大学の教授等で講師をお願いしてやっております。
◆杉本ゆう 委員:
恐らくそういうことなのだろうなというふうに思って聞いておりましたけれども、この対象になっている教職員というのは、全員ですか。
◎支援管理課長:
管理職につきましては、全員でございます。そして、教員につきましては、まず半分程度に来てもらいまして、段階を追って、広げていこうというふうに今、考えております。
◆杉本ゆう 委員:
この問題に関しては、私自身は、私立学校の教員だったので、この公立学校の現場というところが、若干、感覚が公立学校の教員の方々とはちょっとずれている部分があるかもしれないのですけれども、私自身の肌感覚としては、やっぱり発達障がいで、先ほど、ぬかが委員も長谷川委員もおっしゃってくださっていたグレーゾーンの生徒というのは、6.何%とおっしゃっていましたが、40人のクラスがいれば、必ず二、三人はいます。これはもう例外なくいます。その子たちが、昔で言えば、ちょっと変わった子だなというふうに思われていた子たち、問題児と思われていたような子たちというのはいるのですけれども、その中で、比較的若い先生たちの中には、大学時代、教職課程等を通じて、一生懸命取り組もうという人がいる一方で、どうしても教育の現場というのは、学校の教師というのは一匹オオカミになりがちな部分があるので、どうしても、これ、こう決め付けたら良くないかもしれないのですけれども、ちょっとベテランの先生方を中心に理解が薄いのかなという人がいるのを、公立の学校で教えている友人もいますので、そういった印象を受けるところがあるのですが、ただ、特に公立の学校の先生たち、研修がめちゃくちゃ多いというのもよく聞いています。私は私立だったので、自分で比較的取捨選択していけたので、比較的自由にできた部分はあるんですけれども、実際に公立、東京都ではないんですが、都外の公立の小学校の先生をやっている友人の話を聞けば、研修が余りにも多い。それで、言ってしまえば、今、言ったように、専門家の方の話を聞く会というのは、大学の教職課程の頃からずっとやって、またこういった話を聞くのかというような感じで、半ば嫌々話を聞かされているという人もいると思うんです。
ただ、実際に、これから足立区として、この研修をするというのはいいのですけれども、区としてこういった余り理解の薄いよって言ったような先生方がいるのは、残念ながら事実なのです。そういった方々をどうやって意識を変えていくのか、ただ単に専門家にお任せして、話して、研修やっていますというのだと、どうしても、これもごめんなさい、皆さん一生懸命やってらっしゃるのは重々理解しているんですけれども、あくまでもこういう研修をやっていますよという、どうしてもちょっとアリバイづくりなのではないかというふうに見られてしまう。どうしてもうがった見方をしたら、そういうふうに意地悪な見方をする人からしたら、そういうふうに見えてしまうところがあると思うんです。
この発達障がいに関しては、本当に心の底から理解をしていないと、やっぱり取り組めない問題だと思うのです。その学力指導とはまた別の問題で。そういったところで、区として、今後この研修やっていますよ、管理職にも聞いてもらっていますよというのではなくて、どうやったら、そういう本当に関心の薄いような人々をちゃんとそういう意識を変えていけるのかという、その方法、研修ではなくても、別の形でも構わないのですが、そういったものを考える。学識者だけではなくて、実際に現場の先生たちにも来てもらう、そういうヒアリングを実際、そういうのをやっていったりとか、そういうのも必要なのではないかというふうに思います。
すいません、最後は要望でした。失礼しました。
◆長谷川たかこ 委員:
杉本委員からあったように、私も学校現場の先生にお聞きしたら、教員は忙しくて直面しないと意識的に学んだり、対処するすべを身に付けることができない状況ですと言われています。まさに今、杉本委員、現場で学校の先生をされていて、そういうふうに感じられたと、重なるわけですよね。だからこういう問題を喫緊で取り組んで頂き、日野市の小・中学校で行われているユニバーサルデザインの取り組みをここにいらっしゃる管理職の皆さんがに日野市の小・中学校に出向いて頂いて、足立区では何が足りないのかをしっかり調査研究していただきたいと思います。足立区の足りないところを文教委員会で、是非ご報告ください。いかがでしょうか。
◎支援管理課長:
日野市の件につきましては、実は、長谷川委員よりいただいたものを見まして、調べさせてもらいました。早速もう視察の予定を組んでおります。
それから先ほどの研修につきましては、実はこの講師につきましては、センターで働いている者に多くやってもらっています。現場もわかった上での研修ということで、また、研修が終わった後に、実際にその講師たちを学校に派遣して、教員のほうに指導・助言等をさせていただいております。
○古性重則 委員長:
他に質疑ありますか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
○古性重則 委員長:
質疑なしと認めます。
先ほど、ぬかが委員から発言がありました、特定の学校の名前が出たのですが、そこで、その内容をお話しされましたが、実は私も相談を受けて、行って本人とも会っています。中身がちょっと違い過ぎるものですので、また法廷のほうに移すという話もあるぐらいですから、これについては議事録1回削除したほうがいいのかなと思っていますので、ちょっと精査させていただきたいと思っています。精査した上で、削除するべきだったら削除するようにします。
それでは、各会派からの意見をお願いいたします。
◆かねだ正 委員:
この問題については、区で取り組んでいることを進めていること、もちろん成果が出ていることもあると思うんです。また、でも一方で、やはり現場での思い、私もPTAの会長5年ぐらい、最近まで務めていましたので、そういう思いもあります。そういったところも、またこれからちょっと深く議論していきたいと思いますので、今回は継続でお願いします。
◆佐々木まさひこ 委員:
不登校の子ども、発達障がい特性のある子ども及び保護者への支援に関しては、我が党としても、従来から様々に取り組み、区へも様々な提言をしながら政策として実現した事柄もあるし、足立区としても、様々な今、取り組みをやっていただいているところでございますので、今後しっかり取り組んでいただかなければいけない事項ということで、継続審査を主張いたします。
◆ぬかが和子 委員:
不登校の問題は、本当に大切な課題だというふうに思っておりますし、去年も1年間、軽度発達障がい、いわゆる特別支援を要する子どもたちの課題については、文教委員会の中で議論してきたのですが、今、とりわけ今年、今年度は、中学生のほうがどうなっていくのかということや、またいろいろ課題があるという点では、これを継続して審議をしながら深めていくということが必要だと考えておりますので、継続審査でお願いします。
◆長谷川たかこ 委員:
知的障がいのない発達障がい支援というのは、本当に喫緊の課題であって、これをしっかりと構築することが、不登校やいじめの改善にもつながっていくと私は信じています。本当に一人ひとりの子どもたちが、伸び伸びと育っていける環境を足立区から是非とも構築していきたいという強い思いでおります。これからもしっかりと審議をしていきたいと思います。継続でお願いします。