代表質問の内容⑥【ペアレント・メンター事業の見直しについて】
私が足立区のペアレント・メンター事業を創設して5年が経ちました。
鳥取大学教授井上先生にも何度も足立区に足を運んで頂き、調査に参画をしていただきました。そして一昨年末から、役所の担当執行機関の皆様とは協議を幾度となく重ねています。
今年度、私の提案でプロポーザルとなり、心機一転、4月からは費用対効果の高い事業となる取り組みが行われます。ここまで来るのに、執行機関や専門家等のご助言、超党派の議員の皆様からの意見の集約や議員達による執行機関への働きかけなども含めて、一連のやり取り等に大変な時間がかかりました。
今回の代表質問を書くにあたって、プロポーザルの資料請求をしても執行機関が資料を出さなかったことや一昨年から続く一連のやり取りの中での執行機関の言動にも決定的なミスがありました。
資料請求については、私が情報公開開示請求をかけプロポーザル選定委員会の議事録を出させたところ、黒塗り部分が多いだけでなく、議事録自体が要旨をまとめているだけでした。ちなみに、副区長が休日返上して議事録の反訳作業を行って下さり、当初、私に開示された4ページだった議事録が19ページの内容だったことも判明しました。
これらのことついては、後日、教育長はじめこども支援センター所長からの謝罪を受けました。
区民の皆様、この代表質問だけで執行機関とのやり取りは終わっておりません。予算特別委員会で最終的に中身を詰めましたので、そちらも併せてお読みください。近日中にアップ致します。
4月からペアレントメンター事業は新たな事業展開を迎えます。
4月から始まる事業に期待をしたいと思います。
☆【ペアレント・メンター事業の見直しについて】
昨年から何度も議会で質疑をし、適正な事業となるよう何度となく協議を重ねています。
ペアレント・メンター事業の費用対効果・効率性が著しく悪い状況をペアレント・メンターの生みの親でもある鳥取大学の教授からも指摘され、一昨年末、関係している所管の管理職の皆様を集め、教授を交えて何度も話をさせて頂いております。
現教育長からは「この事業は即打ち切りです。」と何度も言われました。そして、前所管の所長からは「事業丸投げでした。申し訳ありません。」といった言葉がありました。ところが、現所管子ども支援センターげんきの所長からは「前例踏襲でいきます。」と言われました。また今月には、同じく子ども支援センターげんきの所長から、再度「ペアレント・メンター事業の中身については、長谷川議員の見解であって、私ども職員は一定の評価をしています。」との言葉を私に投げかけられました。
この度、私の議会提案によりプロポーザルとなりました。そして、この一連の流れを関係する執行機関が選定委員のメンバーになることは、選定の公平性に欠けるため、メンバーには入れないと昨年、今年にかけて執行機関の管理職から何度も言われておりました。選定終了後、選定委員会のメンバーを子ども支援センターげんきの上遠野所長にお聞きした所、議員には事業者との契約が済む3月末まで選定委員会のメンバーを公表することはできないと言われました。そこで、総務部契約課、政策経営部など複数の管理職の皆様にお聞きした所、選定が終了していれば、選定委員を議員に公開することは何の問題もない、公平に選定されたならば出さないのはおかしな話ですね等のご回答を頂き、情報公開請求を行い、先日開示されました。
<長谷川たかこ>
【問】今年度、この事業者の実績は昨年度までとほぼ変わらない状況であり、大学教授や私が議会提案した是正すべき内容は一蹴され、改善は全くされていませんでした。教授と私が是正すべき点を幾度となく申し上げてもすべてが一蹴され続け、本来あるべき事業の方向性が見えていません。全くと言ってもよいほど事業に何の改善もされていない状況であり、議会軽視も甚だしい状況です。そして今回のプロポーザルでは、同じ事業者が選定をされています。ということは来年度以降も、事業丸投げ、前例踏襲を継続させ、この新型コロナ対策の対応で限られた財源を削り、高齢者事業である「生きがい奨励金」を打ち切りにしてまで事業の見直しを区がやっている中で、相談件数1件6~7万円もするような高額なコストとなってしまっているこの事業を「事業丸投げ」「前例踏襲」のまま継続し、事業の見直しも再構築もせずに560万円余の多額の税金を投入し、区としてこの事業を強行されるのか、区の見解を求めます。
<こども支援センターげんき所長>
私からは、ペアレント・メンター事業の見直しについてのご質問にお答えいたします。
先ず、事業の見直しも再構築もせずに多額の税金を投入し、区としてこの事業を強行させるのかというご質問についてですが、事業の見直しを含めて、新たな提案をしていただくために、公募型プロポーザルを実施いたしました。今後、特定された事業者とは、新たな提案を含めた業務内容について十分に協議し、3月までに正式契約を締結する予定です。また、令和3年度に事業評価委員会を設置し、業務内容の履行状況を検証し、しっかりと評価して参ります。
<長谷川たかこ>
【問】選定評価の内容を見ても、費用対効果に見合う事業者の専門性、企画運営能力、マネジメント能力があるか否かなど、一番大切な観点でしっかりと見極めができる選定評価方法にはなっていません。
しかも、同事業者は今年度の実績は前年度とほぼ同じような状況です。
素人の親の団体に560万円余の多額の予算を投入し、来年度実施する事業内容が本当にその金額に見合った取組み内容となるのか、甚だ疑問です。
今回のプロポーザルでは、事業の効果や効率に充分配慮した事業となるよう、今までとは違った組み立てとなるような業者を選定する評価項目となっているのか。
今回、採択された事業者の選定の売りは何だったのか。
次点となった業者と比較して、何が優れていたのか。
採択された事業者は、今までとは全く違う、費用対効果に見合った、発展した事業展開となる取組み内容となっているのか。
採択された事業者が示した新たな取り組み内容の詳細について。
以上、全ての詳細な回答を区に求めます。
<こども支援センターげんき所長>
今回のプロポーザルでは、事業の効果や効率に充分配慮した事業となるように、今までとは違った組み立てとなるような業者を選定する評価項目となっているのか、というご質問についてお答えいたします。
評価項目につきましては、足立区プロポーザル方式実施基準に従って設定いたしました。その上で、現在、契約している業務内容を更に充実させ、より効果的な改善内容が提案されているか。また、新たな取り組み事業が効果や効率に配慮した内容として提案されているかなどを評価項目としております。
採択された事業者の売りは何かというご質問については、一番の特徴として、保有するメンターの数が次点の事業者が5名であるのに対し、5倍以上の29人であることです。そのため活動場所を一か所に限定せずに、複数個所での相談事業と拡充していくことができることに加え、福祉サービス事業所等へ訪問し、潜在している困り感のある保護者を掘り起こすなど、活動件数を着実に増やしていく提案がなされました。
次点となった業者と比較して、何が優れていたのかというご質問については、次点の事業者が主に学齢期の発達障がいに焦点を合わせた内容だったのに対して、選定された事業者は、発達障がいのみならず知的障がい等を含めた知見もあり、ライフステージに沿った幅広い相談支援ができるノウハウを持っていました。その点を評価いたしました。
費用対効果に見合った、発展した事業展開となる取り組み内容となっているのかというご質問について、従来の対面式相談重視から、リモート相談や電話相談も含めた相談体制に変更し、相談件数を増やしていく提案がありました。また、メンターの出張相談を積極的に取り入れていく計画もあり、充分費用対効果に見合った活動になると考えております。
採択された事業者が示した新たな取り組み内容の詳細について、主なものをお答えいたします。
一つは、学校関係者とのつながりの強化です。要請があった教員ブロック研修会にまず参加し、次に他のブロック研修会へと輪を広げていく取り組みです。
二つ目は、かつての対面式相談重視の支援策からリモート相談や電話相談、そしてオンラインによるぴあサポートなどを導入する新たな提案です。
三つ目は、青年期以降の当事者の集いや、シングルマザー対象のぴあサロン、そして外国人の相談者が将来メンターの一員となれるようなサロンを導入していくなどの提案です。
<長谷川たかこ>
次に、選定委員の構成の問題です。
【問】私にプロポーザルにするよう働きかけた、障がい福祉推進室の室長が、何と今回の選定委員のメンバーでした。執行機関より「公平性に欠けるので、この一連の流れを知っている職員はメンバーに入れない」と再三、私に話をしていたにもかかわらず、情報公開開示請求をしてやっと開示された中身をみると、私にプロポーザルをするように働きかけた障がい福祉推進室の室長がその選定委員のメンバーだったのです。一連の執行機関の言動等を総合して客観的に判断すると、そもそもこのプロポーザルは出来レースだったのではないでしょうか。執行機関の言葉を借りていえば、正に公平性に欠けたプロポーザルだったのです。
この状況を区としてどのように認識し、解決するのか、区の見解を求めます。
<こども支援センターげんき所長>
このプロポーザルは出来レースで、公平性に欠けたプロポーザルだったのではないか。この状況を区としてどのように認識し、解決するのかというご質問にお答えいたします。
先ず、選定委員会のメンバーについては、足立区教育委員会プロポーザル選定委員会規則に則り、学識者1名、区民2名、小学校長1名、区職員1名の5名を選定いたしました。区職員につきましては、通常、関連所管の部長級を委員として選定しておりますので、障がい者施策に精通している福祉部から選定いたしました。また、こども支援センターげんきの職員につきましては、公平性を保つために事務局として携わり、選定委員会のメンバーには入っておりません。
事業者の特定につきましては、各委員の知見に基づき、評価基準に従い評価して頂いており、公平性に欠けたプロポーザルだったとは考えておりません。
<長谷川たかこ>
【問】選定委員のメンバーの項目ごとの得点結果とプロポーザル時の選定委員のメンバーの質疑等の詳細を早急に全て開示するよう求めます。
<こども支援センターげんき所長>
選定委員のメンバーの項目ごとの得点結果とプロポーザル時の選定委員のメンバーの質疑等の詳細の開示についてお答えいたします。
項目ごとの得点結果と第1回選定委員会から第3回選定委員会の会議録については、すでに開示しております。
<長谷川たかこ>
【問】本来あるべき姿にこの事業を正すべきです。560万円余もの多額の税金を投入し、事業丸投げを続行させるのが正しい選択なのでしょうか。梅田あけぼの学園理事長や鳥取大学教授などのスキルのある専門家を監督者として運営面に充てなければ、この事業は成功しないとの見解を専門家より強くご指摘いただいております。
ペアレント・メンター事業のこの5年間の検証を厳格に行い、事業の見直し、再構築を強く要望致します。
区の見解を求めます。
<こども支援センターげんき所長>
ペアレント・メンター事業のこの5年間の検証、事業の見直し、再構築の要望についてお答えいたします。
令和2年度に公募型のプロポーザルを実施したことで、委員よりご指摘のあった相談業務の拡充に関しての新たな提案なども出されました。令和3年度より、今回特定された事業者が、5年間で築き上げた相談業務のノウハウを活用しながら見直しを図った事業と新たな提案を含めた事業を着実に履行して頂けるものと考えております。
事業の実施状況については、事業評価委員会で検証し、翌年以降の事業に反映して参ります。
<長谷川たかこ>
私はこれからも制度の谷間に落ちている方々に対する当事者支援を全力で行いながら、悩み苦しむ人たちに手が差し伸べられ、高齢者や子ども達、身体の不自由な方、社会的弱者と言われる方々が安心して暮らせる優しい社会を全力で築いて参りたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
<長谷川たかこ:再質問>
※要旨のみ掲載。
足立区の今の回答では到底納得できるものではありません。
私が情報公開開示請求をかけプロポーザル選定委員会の議事録を出させたところ、黒塗り部分が多いだけでなく、議事録自体が要旨をまとめているだけでした。
100%全ての録音反訳とビデオがあるならば、それを全議員に開示をしてください。このことが明らかにならない限り、足立区の令和3年度の当初予算案を認めることはできません。