子ども・子育て支援対策調査特別委員㉒【子どもを産み育てやすい新たな制度を求める請願】
○いいくら昭二 委員長 次に、請願の審査に移ります。
元受理番号7 子どもを産み育てやすい新たな制度を求める請願を単独議題といたします。前回は継続審査であります。
執行機関は、何か変化はありますか。
○いいくら昭二 委員長 それでは、質疑に入ります。
何か質疑はありませんか。
◆ぬかが和子 委員 この請願が出されたのは令和元年ですが、この間2年以上に及ぶコロナ禍の中で、より妊産婦の方々が孤立感を深めているんじゃないかという認識があるのですが、その辺、区はどう認識しているでしょうか。
◎保健予防課長 コロナ禍で御実家のお母さんが来られないですとか、そういった点からも、ぬかが委員おっしゃるとおり、以前と比べて孤立している感を感じております。
◆ぬかが和子 委員 実は私たちも、足立区ではないですけれども、他の区の助産師会の会長の話を聞く機会があって勉強してきました。そうしたところ、特にコロナ禍で、出産する病院もなるべく接触を避ける、会話も避ける、こうなっているから、今までだったらフォローやケアしてくれることも病院でも教えてもらえないと。そのまま帰ってくるということで、とりわけ出産後の1週間は、今、家族も、普通だったらおめでとうと家族みんながお祝いに行ける病院も、会うこともできない。家族とも隔離されて、ある方などはまるで監獄にいるような1週間だった、寂しい入院だったと言っていらっしゃいました。
そういう点から考えると、今まで以上に産前産後、とりわけ産後のケアが必要になってくるだろうと思っていますが、足立区では、この産後ヘルパー、この辺についてはどういう体制になっているでしょうか。また、実績もお伺いします。
◎こども家庭支援課長 産前産後に、家事支援事業を行っているところでございます。
現在は、産後3か月までの家事支援という形で今年度から対応しておりまして、事業者も今年度増やしたという関係もありまして、昨年に比べまして、現段階でも昨年度実績の1.2倍ぐらいになっております。最後までいくと、1.5倍ぐらいまで増やせるという状況でございます。
◆ぬかが和子 委員 足立区でやっている産前産後の家事支援事業、今、1.2倍とおっしゃっていたけれども、これは請願で述べられているドゥーラとはどう違うのでしょうか。
◎こども家庭支援課長 ドゥーラにつきましては、海外のどちらかの団体の手法でというところで、その研修を受けた方ということで、家事支援と育児支援、一定程度両方入っているとは聞いているところでございます。
こちらの今の対応につきましては、家事支援だけというところ、そこが一つの差かと考えております。
◆ぬかが和子 委員 実は、このドゥーラの協会の認定を受ける人というのはお金も高くつくとか、それこそドゥーラそのものがお金持ちの方が利用するドゥーラみたいな、そういう実態も一部にあるということもお伺いしました。
一方で、その助産師会の会長のお話によりますと、東京都のハローワークの方で認めたドゥーラの認定養成講座というのがモデルであるそうです。これでいきますと、8万円ぐらいでドゥーラの養成ができると。
先ほど若干答弁されましたけれども、ドゥーラ養成を受けているというのは、単なるヘルパーではなくて、産後の大事なこととか、心身の変化のケアとか、離乳食のこととか、通常の家事援助とはまた違うわけですね。是非こういうものを活用して養成をするというのを強めていただきたいのですが、どうでしょうか。
◎こども家庭支援課長 この間、聞いてきたところによりますと、ドゥーラはある意味人材が少ないというところで、足立区に来ていただける数といっても、ほんの少数だと聞いていたところでございます。今、ぬかが委員がお話しいただくような形での養成が今後されてくるという流れがあるならば、また一つの状況なのかなとは考えてございます。
今、ぬかが委員から心のケアというお話をいただきました。この間、区では、きかせて子育て訪問事業という形で心のケア的な部分を対応してきております。あと、例えば預かりとかについては、子ども預かり・送迎支援事業は生まれた直後から使うこともできるという形で、そういうのを分割でそれぞれ対応してきたというのが今までの流れでございます。
ドゥーラの状況につきましては、今後また注視していきたいと思っております。
◆ぬかが和子 委員 これは一つの部署だけの課題ではなくて、例えば雇用、人材育成対策としてどうなのか。ドゥーラの養成そのものは、女性の人材育成にもなる。ドゥーラを養成するのは東京都の仕事だったり、いろいろまたがるものではありますけれども、是非やっていっていただきたいと思います。
それから、前回の委員会の中で、乳房ケアの重要性を申し上げてきました。特に産前の乳房ケアの重要性、それをしっかり広げてほしいということを申し上げてきましたが、その辺はどうでしょうか。
◎保健予防課長 ぬかが委員おっしゃるとおり、産後もそうですけれども、産前について、妊娠中のケアが非常に重要だと認識しております。ファミリー学級等でも、機会を捉えて妊婦の方に周知啓発しておりますので、引き続き強めてまいりたいと考えております。
◆ぬかが和子 委員 子育てのガイドブックでは、母乳ケアをやっている施設というのは区内で4か所ですよと。そのうち、こども商品券を使えるところが1か所ということは事前にお伺いしたのですが、何とかもう少し他でもやっていただけないのかというのが1点。
基本的には、こども商品券をもらってからというのは産後の話になりますので、今もファミリー学級等々で助産師のお話もやっていただいているということですが、その辺の強調の仕方とか、カリキュラムの工夫とか、その辺を更に改善をしていっていただきたいのですが、どうでしょうか。
◎保健予防課長 現在のものをもう一度見直しまして、改善するように努めてまいります。
◆ぬかが和子 委員 助産師会の会長のお話を聞いていますと、本当に大変で、孤立していて、乳房ケアできなくて、うみが出ちゃっていて、お乳があるのに出せない、あげられないとか、こういう状況がコロナ禍で更に進行しているというお話でしたので、本当にこれは不要不急じゃなくて、正に今必要な課題ということで、是非やっていただきたいと要望して終わりにします。
◆さの智恵子 委員 私からは、今現在行っておりますデイサービス型の産後ケアでございますが、新年に、今、担当してくださっております「子育てパレット」の三浦さんのお話を聞く機会がございました。
1月初旬から、今、予約が入っている状況でございまして、その後LINEの交換をするそうですけれども、本当に孤立と、今、ぬかが委員からもございましたが、いろいろなことに不安を抱えていて、24時間いろいろな問合せが来るということでございまして、本当につながっていくということが大事なんだなと感じています。
一つ、やはり足立区の相談体制について、お母様が気軽に聞ける場所がないということでございますが、今、足立区のそういうお母様たちの相談体制についてはどのような状況でございますでしょうか。
◎保健予防課長 地区担当の保健師も、妊娠届出のときから、ここが担当ですということで妊婦の方にお知らせしておりますし、産後につきましても、こんにちは赤ちゃん訪問等でその後の相談等について御案内しております。引き続き対応してまいりたいと考えております。
◆さの智恵子 委員 そういう保健師の体制はありますけれども、やはりお母様がちょっと聞きたいことだと、LINEだとかチャットとか、そういうところもすごく重要かなと思っておりますので、今後、そういうものの導入の検討も是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
◆さの智恵子 委員 また、デイサービス型の産後ケアにつきましても、昨年拡充をしてくださいまして、週2回ということになっております。
ただ、地域の偏在がございまして、全区から梅島に来るということでございますので、その拡充のお願いと、また、いよいよ来年度から宿泊型のデイサービスも始まっていくかと思いますが、その辺の準備状況についてはいかがでしょうか。
◎保健予防課長 宿泊型につきましては、来年度、令和4年度から実施する予定で検討しておりまして、今は、実施していただける医療機関の方と、どういった形でやれるのかというあたりを複数箇所聞いているところです。
デイケアの拡充につきましては、宿泊型を開始して、既存でやっておりますデイサービス型と状況を見ながら検討してまいりたいと考えております。
◆さの智恵子 委員 分かりました。是非デイサービスの拡充も、また宿泊型の準備も含めて、お母様たちが安心して使えるようなものを要望したいと思います。
◆市川おさと 委員 これは請願の審査ということですけれども、請願項目の最後の方に、生育環境に大きな影響を及ぼす家族関係の状況といったデリケートな側面をサポートする支援体制を全妊婦に提供してくださいということであります。
これは言い方は難しいんだけれども、例えば手が掛かる子どもが生まれる、そうすると様々な福祉的な支援を受けながら子育てをしていくわけです。そうした中で、家族の関係、その子どものことだけじゃなくて、お父さん、お母さんの関係、あるいはお父さん、お母さんと子どもとの関係、そういった関係が非常に悪くなるというのかな、精神科の専門的な治療が必要になっているような状況もあるんですね。
そういうときに、私も相談したことがありますけれども、そういう親子、あるいはそういうお父さん、お母さんを専門の精神科医につなげていくというところですごく力が弱いなと、区の取組の中で。そういうことを感じるのですが、このあたり衛生部長いかがでしょう。
◎衛生部長 精神障がい者の早期発見、そして医療につなげていくところは、精神保健の中で保健所の仕事とされています。
ただ、やはり今おっしゃるように、全ての方を十分に訪問してつなげるというところができておりませんので、そのあたりは職員を強化しながら、育成しながら、体制を整えてまいります。
◆市川おさと 委員 今、一般的な話をしてくれたのだと思いますけれども、例えばどうもおかしいよという話をしても、なかなか保健所から病院につなげるということが、どうも私の経験から言っても、なかったなという思いがあるんですよ。
そのあたり早期発見して、言い方難しいですけれども、本人が精神科へ行くと言うと嫌がるんですよ、すごく嫌がるんです。そこで話が終わっちゃうんです。
それについて、通り一遍の話じゃなくて突っ込んで、衛生部長いかがですか。
◎衛生部長 大概の方は病識がない、自分自身は精神科の領域には入っていないと感じ取っていらっしゃいますので、また精神科に行っているというレッテル貼りというところもありまして、なかなかそこにたどり着くというのは実際には難しいです。
やはり家族の方や地域の方や心配している人がここの受診を望んでいて、一度本当に試しに行ってみましょうというあたりで、かなり説得の時間も掛かります。
私たちもこの仕事をしてまいりましたが、最初に相談を受けて、本当に病院につながるまでには大体二、三か月掛かりますので、そういったところを丁寧にやっていくような私たちの余力ですとか、知識ですとか、スキルというのは、今、再び高めていく必要があるんだろうと反省しながら聞いておりました。
◆市川おさと 委員 子育てというのは、乳房ケアとかそういったものもありますけれども、精神面で相当やられちゃうことも家庭の中であるようであります。
そうした点で、相談があったときには医療とつなげるという努力、それは家庭でも地域でもやらなきゃいけないことですけれども、区としてもそうした努力は一層やってもらいたいなと、これは要望です。
○いいくら昭二 委員長 その他、質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
○いいくら昭二 委員長 質疑なしと認めます。
各会派の意見をお願いいたします。
○いいくら昭二 委員長 これより採決をいたします。
本件は、継続審査とすることに賛成の方の挙手を求めます。
[賛成者挙手]