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予算特別委員会の内容③【中国残留帰国者支援について】

厚労省の調査でも明らかにされているように、中国残留帰国者は、言葉・生活習慣の違いから、住居・就労・医療・日本語取得など、さまざまな課題を抱えながら生活をしています。ディサービス梅園や春の風スタッフからは、中国残留帰国者に特化したディケア施設が区内に設立されたことをまだまだほとんどの区内の中国残留帰国者の方々には知られていないのが現状であるといったお話がありました。

 

さらに共通する課題として、

・帰国者の皆さんは困っていながらも介護保険サービスを自体を知らない現状があること。

つまり、訪問介護やディケア施設を無料で受けられることをしならない方々がいる

・介護を担っている2世が仕事で忙しいため、言葉がうまく通じない等のコミュニケーション問題で通院を控えている帰国者が多い

・新型コロナ感染症で施設利用を控えている状況下で、ご高齢者である帰国者の方々の認知症の発症が心配

 

中国残留帰国者の皆様はすでにご高齢となり、残された時間はそんなに長くありません。ご高齢で言葉の壁もあり、コミュニケーションに乏しい中国残留帰国者の皆様、自らアクションをかけること自体、ほとんどありません。

 

代表質問では、『現在の訪問回数などを見直し、月に数回の訪問と週に1回以上の電話での聞き取りを行うことを求める』ことを提言しました。そして、今回の予算特別委員会では、この政策提案をさらに具現化し『新型コロナ感染症対策や災害時における避難行動などについて、中国帰国者だより「故郷ふるさと」に情報を掲載し、支援相談員からの説明とセットにして、より丁寧な周知・啓発を行う』ことを求め、区がアクションをかけて一人一人のご自宅にご訪問やお電話でのやり取りを行うよう、強く求めました。

 

 

*****以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。*****

 

  【中国残留帰国者問題について】

【長谷川たかこ委員】

中国残留帰国者問題について伺います。 足立区に暮らす全ての人にとって優しいまちづ くりを目指す中で、外国籍や中国残留帰国者の皆さんを、どう受入れ、また、支援や保護の対象として捉えるだけでなく、その能力をどのように生 かしていくか、足立区として考えていかなければ ならないと思います。 足立区は全国的に見ても多くの中国残留帰国者の方々が生活されております。帰国者の皆さん は大変悲惨の体験をし、雑な環境の中で育ってきました。中国残留帰国者の皆さんを足立区がどのように支援し、自立の道を開けるか、更に私から提案をしていきたいと思います。

 

先の定例会で申し上げましたとおり、足立区内の中国残留帰国者数は、現在、110世帯、1 56名です。昨年、中国語ができる通所のデイサービスが区内に2か所設立されました。昨年1月に開設されたデイサービス梅園と昨年7月に 開設された春の風支援センターです。現在、24 名の方々が通所されております。ますます御高齢になられた帰国者の方々から、 日本語が十分話せないことによる医療・介護での意思疎通や老人ホームでの孤独といった不安が 増しているといった話が出ています。

 

通常の介護 事業所に通っていても、言葉の壁により孤立をし、精神的な面も含め、心身ともに体調がすこぶる悪く、歩行困難だったのが帰国者向けの介護施設に通うようになってからは歩けるようにもなりすこぶる元気になったとの話もあります。中国帰国者の方々の歴史的な背景を理解し寄り添える、特化した介護施設の重要性が問われています。

 

中国残留帰国者の2世・3世の介護の現場での就労については、さきの本会議でも取り上げました。そこで、福祉部長より、「日本語が不得手な帰 国者2世・3世であっても、中国語で介護職員初 任者研修が受講できる体制の構築については、帰 国者2世・3世が中国語で研修を受講できるためには、民間の研修機関において介護に関する豊富な知識を持ち、中国語が堪能な人材を確保する必要があるなど、課題が多いことから、今後の研究 課題とさせていただきます」との御回答でした。

 

【問】この御回答をもとに、現在開設されているデイ サービスのスタッフにお伝えしたところ、これらの施設で中国語通訳のボランティアのみならず、中国語介護研修の実技の受入れもできるとの話でした。そこで、職安にも情報提供をし、求職のマッチングを行う介護のしごと相談・面接会で、既に区内で帰国者向けに中国語でデイサービスを行っている事業所を紹介していただきたいと思います。いかがでしょうか。

 

【高齢者施策推進室長】

 中国語の対応が可能な区内の介護事業所につきましては、厚労省の社会援護局で情報を保有しております。しかしながら、厚労省の組織が大きいということで、ハローワーク足立に情報が行き届いていない可能性もございますので、区から直接、ハローワーク足立に情報をお伝えいたしまして、介護のしごと相談・面接会において紹介できるよう、関係者でしっかりと情報を共有いたします。

 

【長谷川たかこ委員】

是非お願いいたします。 中国残留帰国者の多くは子どもを連れて帰国している方々が多いため、この2世・3世の方が介 護の現場で就労されることは、1世の中国残留帰 国者の方を支える重要な施策であると考えております。2009年、私からの代表質問に対し、当 時の福祉部長の答弁でも、長年、習慣の違う社会 で生活をされてきた中国残留帰国者の方の介護 サービス等の申請支援や、中国の習慣などを十分に理解した介護者の育成などが必要と認識しており、可能な限り取り組んでまいりますとおっしゃっていただきました。ようやく、昨年には区 内に中国残留帰国者向けの事業所が設立されたわけですから、そちらの事業所と密にコンタクトを 今後取りながら、帰国者の介護の支援の仕組みを しっかりと行政主導で構築していただきたいと思います。厚労省の調査でも明らかにされているように中国残留帰国者は、言葉、生活習慣の違いから住居、就労、医療、日本語取得など、様々な課題を抱えながら生活をしています。デイサービス梅園や、春の風スタッフからは、中国残留帰国者に 特化したデイケア施設が区内に設立されたことを、まだまだほとんどの区内の中国残留帰国者の方々には知られていないのが現状であるといったお話がありました。

 

更に共通する課題として、帰国者の皆さんは 困っていながらも、介護保険サービス自体を知らない現状があること。つまり、訪問介護やデイケ ア施設を無料で受けられることを知らない方々が いる。介護を担っている2世が仕事で忙しいため、 言葉がうまく通じないなどのコミュニケーション 問題で通院を控えている帰国者が多い。新型コロ ナ感染症で施設利用を控えている状況下で御高齢 者である帰国者の方々の認知症の発症が心配といったもろもろのお話がありました。 さきの定例会での代表質問で、私から、現在の 訪問回数などを見直し、月に数回の訪問と週1回 以上の電話での聞き取りを行うことを求めること を提言したところ、区の回答は、支援相談員による中国残留帰国者へのケアは、国の配置基準による現行の人員体制で実施してまいりますとの御回答で、要は、年に1回以上の国で定められている訪問調査と、帰国者からの電話窓口相談を引き続き行っていきますとの御回答でした。

 

この課題を提言するに当たって、執行機関である部長とお話をあらかじめさせていただきましたら、国がやるべきことという発言をされており、 国の財源を活用していかに自治体が創意工夫し、中国残留帰国者支援の手厚いケアを行っていくかといった創意工夫の姿勢が、申し訳ありませんが、あまり感じられませんでした。中国残留帰国者の皆様は既に御高齢となり、残された時間はそんなに長くありません。御高齢で言葉の壁もあり、コミュニケーションに乏しい中国残留帰国者の皆様は、自らアクションをかけること自体、ほとんどありません。

 

特別委員会の災害オウム対策調査特別委員会での質疑やさきの第1回足立区議会定例会の私からの代表質問で、新型コロナ感染症対策や災害時 における避難行動などについて、中国帰国者だよ り「故郷(ふるさと)」に情報を掲載し、支援相 談員からの説明とセットにして、より丁寧な周 知・啓発を行うよう求めました。区の見解では、 次回発行の中国帰国者だより「故郷(ふるさと)」以降、関連情報を連載していくことを予定 していただけるとのことでした。また、併せて支 援相談員による丁寧な相談、案内と併せて周知・ 啓発を行っていきますとの御回答もいただきまし た。 回答した部所管が違うため、最初の回答内容と 次の回答内容に矛盾が生じています。危機管理室 や衛生部では、丁寧な相談・案内をしていただけるとの御回答をいただきましたので、もちろん、しっかりと区がアクションをかけて、一人一人の 御自宅に御訪問やお電話でのやり取りをしていた だけると私は解釈しました。110世帯を支援員3人で分けると支援員1人 につき約36世帯と、決して多くない世帯数です。中国帰国者だより「故郷(ふるさと)」に記載されている内容の丁寧な御説明を、是非ともしっかりと帰国者の皆様一人一人に対して、直接御訪問 し、帰国者の方々とお会いしながらの御説明をお願いしたいと強く要望いたします。いかがでしょうか。

 

【高齢者施策推進室長】

 従来から、一般的な生活相 談を受けながら、介護保険サービス、あるいは医療情報、文化活動、そのほか、最近ではワクチン接種などにつきましても、支援相談員が訪問や電 話にて丁寧な対応を心掛けておりますが、御質問 にあった災害時における避難行動につきましては、御指摘のとおり、確かに説明が欠落しておりました。今後につきましては、災害対策関連の情報も含めまして、安心して生活するために必要な情報を中国帰国者だよりなどに掲載するとともに、より丁寧に分かりやすく説明するよう、努めてまいります。 コロナ禍におきましては、訪問を敬遠される方 も少なからず、いらっしゃいます。しかしながら、世帯の状況に合わせて、丁寧に対応してまいりたいと考えております。 また、帰国者によっては、説明しても内容を忘れてしまう方もいらっしゃるようですので、必要に応じて、繰り返し説明するなど、工夫をしてまいりたいと考えております。

 

【長谷川たかこ委員】

丁寧な対応を期待しております。当事者の皆様からのご意見などを聴取しますので、よろしくお願い致します。日本語が不自由な上、高齢になると困り事があっても自分で電話をしたり、窓口に足を運ぶこさえできなくなります。コロナ禍であればなおのこと、困り感を抱えていることは想像に難くない状況です。区内にある帰国者に特化したデイ ケア施設からは、介護の仕組みを知らない方々が 多いので、帰国者御本人、そして2世・3世の 家族にも、行政主導で支援から無料での訪問介護やデイケアを受けられる仕組みの御説明を是非ともしていただきたいという要望が入っております。いかがでしょうか。

 

【ただ太郎委員長 】

高齢者施策推進室長、残り50 秒です。

 

【高齢者施策推進室長】

先ほども御答弁いたしましたように、介護保険関連情報につきましても、従来から説明をしてまいりました。コロナ禍においては、訪問を敬遠される方もいらっしゃいますが、 今後、機関誌などへの情報掲載も含めまして、世帯の状況に合わせて丁寧に対応してまいります。

 

【長谷川たかこ委員】

乖離しているのは、 当事者の皆さんや関係するスタッフからお聞きする話は、ご本人たちは介護の支援の仕組みを知らないのに、区としては、周知してますとかきちんと説明しているとおっしゃいます。実際の現場では知らない方々が多いというお話が入っております。介護の仕組みについて、周知をして頂き、理解促進につながるよう、この部分を手厚くケアしていただきたいと思います。 是非とも、皆様の今の困り感が解決できるように、区が寄り添い支援を行い、手厚くケアをしていただきたいと思いますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

御清聴ありがとうございました。