文教委員会視察3日目:滋賀県大津市いじめ対策について
文教委員会視察、最終日は、紫式部ゆかりの地、滋賀県大津市。いじめ対策についてお話をお聞きしてきました。
平成23年10月に大津市の男子中学生がいじめを苦に自殺したことをきっかけに、いじめの事実関係の調査及び自殺の原因、学校の対応等についての考察などを行うため、いじめに関する第三者調査委員会が設置され「いじめ防止対策推進法」が平成25年4月1日から施行されました。この条例は、理念にとどまらず、市において取組む具体的な施策を定めるなど実効性を伴う内容になっています。
大津市のいじめ対策の具体的な取り組みは以下の通りです。
【いじめを生まないための未然防止対策】
①小・中学校への出前講座
・いじめ対策推進室の相談調査専門員による、いじめ防止に関する啓発活動。
②インターネットによるいじめ対策
・アンケート調査や教員との意見交換に基づき、各学校に応じた啓発の実施。
③いじめ防止市民会議
・行政、学校、地域が連携していじめ防止を推進するため、市民と共に事業を展開。
④いじめ防止啓発月間
・毎年6月10月にいじめ防止啓発月間と定め、市民フォーラムの開催など広報・啓発活動を実施。
【早期発見・子どものサインを見逃さないために】
①相談しやすい環境の整備
・いじめ対策推進室に弁護士や臨床心理士等の相談調査専門員を配置。
相談窓口について、相談電話「おおつっこ ほっとダイヤル」、子どもナイトダイヤル等の相談窓口を開設。また、小・中学校に無料の手紙相談「おおつっこ相談チーム 」を年に一回配布し、さらに「おおつっこ 相談チーム通信」を年に2〜3回発信。
②いじめ対策担当教員配置
・教員を増員して、子どもの変化を早期に把握するため、構内の見回りなどを通じていじめに関する情報を収集、集約。
③子ども達へのいじめに関するアンケート調査
・いじめに苦しみ、辛い思いをしている子どもを見過ごさないため、各学校でアンケート調査を実施。
【早期対応・子どもをいじめから守り抜くために】
①いじめ対策委員会
・いじめ早期対応のため、各小・中学校で定期的な情報共有及びいじめの疑い段階からの対応を協議。
②大津の子どもをいじめから守る委員会
・必要な調査、支援等を行うため、週一回開催される会議において、相談等を受けたいじめ事案について、審査などを行い、いじめを受けた子どもを支援し、いじめを解決へと導くため積極的に取組む。
大津市では、全国に先駆けた取り組みを進めています。
足立区においても、未だにいじめに関する相談が後を絶たず、教育委員会に対応をお願いしても、いじめを受けた当事者生徒や親御さんからは、学校対応が不十分だという見解で、解決の糸口がなかなか見いだせず、長引いている状況があります。
大津市のように、全国に先駆け、いじめ専門に対応する教員をすべての小中学校に配置することや授業中や休み時間中、教室などにくまなく入り、いじめの片りんがないか見て回りること。子どもの異変に速やかに気付き、対処するような仕組みを作っていくことは、とても重要です。大津市では、現場で、キャッチしたいじめは迅速に教育委員会に報告されます。
法律でのいじめの定義に加え、いじめの疑いがあるものも含めた定義でいじめ対策を進めていくことが必要です。また、教員が子どもの声を聞き、いじめに対し、しっかりとした対応がとれるスキルも求められる要素でもあります。
足立区においても、大津市を参考にしながら、今後も有効的ないじめ対策をしっかりと検討し、具体的な実践を交え、行なって行きたいと思います。
執行機関の皆様、本日は、ご丁寧なご説明ありがとうございました。
また、この3日間、お心遣いを下さいました足立区執行機関の皆様、本当にありがとうございました。足立区にしっかりと生かしていきます。
すべてのリアクション:
徳一森永、Hojo Tanukijii Hirokazu、他16人