令和6年足立区議会第3回定例会代表質問の内容①【ハラスメント対策について】
民間企業においては、パワハラを含めたハラスメントの防止について、多くの対策が議論されている中で、首長初め地方自治体議員においては、ハラスメントの防止の具体的なルールはほとんど策定されていません。
現在も兵庫県知事を巡るハラスメントが問題視されていますが、任命権や人事権を持つ首長に職員が声を上げるのは大変難しいという構図があります。
昨今、全国的に首長や地方自治体議員を対象としたハラスメント防止条例を制定する動きも進んでいます。ハラスメントの防止が社会における重要な課題である以上、首長や地方自治体議員に対するハラスメント防止ルールや罰則規定を設けること、コミュニケーション能力の向上に向けた研鑽を重ねる機会を設けること等、とても重要な策であると考えます。
私はこの課題を解決すべく、社会を創る議員として、誰もが安心して能力を発揮できる職場環境、社会を目指して、これからも全力で取り組んで参ります。
※※※※※※以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。 ※※※※※
☆【ハラスメント対策について】
《長谷川たかこ》
ハラスメント対策として全国の自治体間で、条例制定が進んでいます。狛江市においては、ハラスメント防止条例を策定し、一般職員のみならず市長や特別職の議員まで処分対象を拡大し、施行しています。
足立区では、令和3年職員労働組合と区長が共同で「職場におけるハラスメント防止等に関する宣言」を締結し、「足立区職員行動指針」を改定し、ハラスメント防止研修の実施、人事課での相談対応、コンプライアンス推進担当課での公益通報の対応など、様々なハラスメント防止対策を実施していますが、徹底したハラスメントの無い環境づくりを駆け足で構築させることが重要です。
【問】兵庫県でもハラスメントについて連日報道されておりますが、足立区においても行政からその模範となる環境づくりを示すことが急務です。組織全体でハラスメントの共通認識としての研修を通じて深めていくことが重要であり、首長としても、ご自身がハラスメント加害者にならないよう認識を深めることは最も重要です。
- 区の職員はハラスメントの研修を受けることができますが、日頃から、区長はどのようにハラスメントを学び、その認識を深め、実践されていらっしゃるのでしょうか。
- 区長は、ハラスメントが人権問題である事をどのように捉えられていらっしゃいますでしょうか。
- 首長として、日頃の執行機関とのやり取りや議員、他、区民に対する言動については一番意識を高くし、模範となる姿勢が必要です。区長の言動一つ一つが足立区民から注目されています。区長ご自身の言動で、ハラスメントの加害者にならないよう、常日頃から心がけていることは何でしょうか。
以上、区長にお伺いいたします。
《区長答弁》
長谷川たかこ議員の代表質問のうち、私からは私自身がどのようにハラスメントを学び、認識を深め実践しているのか、ハラスメントが人権問題であることをどのように捉えているのか、常日頃から心がけていることは何かとのご質問に一括してお答えを致します。
先ず、ハラスメントは職員個人の人格及び尊厳を不当に侵害する重大な人権であり、徹底して排除すべきものであることは言うまでもありません。
私も未熟な点が多々ございますので、時代と共にハラスメントの捉え方や種類などが刻々と変化する中、ご指摘がありましたとおり、私自身がいつハラスメントの加害者となる可能性があるかもしれないことを常に心に留めて、これまで以上に自分の言動等に注意を払って参ります。その一環といたしまして、10月29日に開催を予定しております、管理職員を対象とした「ハラスメント防止研修」にも出席をする予定でございますし、専門家のご意見なども拝聴して参ります。
引き続き、いかなる職員、如何なる形態であってもハラスメントを禁止し、黙認したり、見過ごしたりすることがないよう、全庁を挙げて取り組んで参ります。
《長谷川たかこ》
【問】組織一体となったハラスメント撲滅に向けた取組みを区長はどのように具現化されていらっしゃるのでしょうか。「足立区職員行動指針」の是正だけでは効果は低いようです。徹底的にハラスメントを撲滅させ、一定の成果を上げるためにも、狛江市のように首長や議員も含めたハラスメント処分をしっかりと明記した条例を策定することを強く要望致します。区長の見解を求めます。
《総務部長》
次に狛江市のようにハラスメント処分を明記した条例を策定すべきとの質問にお答えいたします。先に申し上げましたように、現在、様々な取組を進め、全庁的にハラスメントに対する職員の意識向上を図っております。今後、その効果を確認しながら、そのような条例制定の必要性に関しても検討して参ります。