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代表質問の内容①【長期休日における休日応急医療体制の見直しとさらなる構築について】

事故や病気、ケガなどはいつどこで起こるか分かりません。特に年末年始などの長期休暇中は、病院が閉まっている中で、救急要請をおこなう際の判断を間違えると、我慢しすぎて症状が重篤化してしまう可能性があり、注意が必要です。今回、年末年始等の長期休日における緊急時の医療体制について課題を発見しました。年末年始などの長期休日の近隣医療施設の診療体制の緊急対応が迅速に確実になされるよう、整備を強固なものにしておかなくてはなりません。

 

※※※※※※以下、委員会での発言要旨(抜粋)です。 ※※※※※

 

【長期休日における休日応急医療体制の見直しとさらなる構築について】 

 

《長谷川たかこ》

昨年末から、新型コロナ・インフルエンザの同時感染拡大により、医療にひっ迫が生じ、年末年始、発熱外来にかかりにくい状況が生じ、高齢者、基礎疾患を有する方や妊婦・小学生以下の子ども達などの重症化リスクの高い人たちの救急医療提供体制が十分でない状況が足立区内において発生しました。

今回、私が体験した事例を紹介いたします。時期は、大晦日から元旦にかけて。背景は40度近くの高熱を発した子ども達2人を抱えた状況です。休日診療を受けられる病院の紹介を受けるため、東京消防庁救急相談センター#7119に連絡をしましたが、何度連絡をしても、119の番号に連絡をするようにとの音声ガイダンスが流れ続けている状況でした。救急の受け入れ先でもある東部地域病院や青砥にある東京慈恵会医科大学葛飾医療センターに連絡をしましたが、東部地域病院では「緊急の患者でいっぱいで対応できません」。東京慈恵会医科大学葛飾医療センターでは、「緊急手術、予約以外は受け付けません。119に連絡をしてください。」と言われました。119に電話しても、電話が鳴りっぱなし状態で連絡が全くつかず、足立区ホームページに掲載されている休日診療紹介先の足立区医師会に電話をしても、早朝から夜までずっと話し中。直接行ってよいのか、そもそも診療して頂けるかもわからないため、電話を鳴らし続けてようやくつながったのが何と大晦日の夜20時40分過ぎでした。しかも、看護師さんより伝えられた内容が、「非常に混んでおり30人待ちなので診察まで長時間かかります」とのお話であり、併せて「21時までの受付なので、診察に来るならば、あと20分の間に来てください』という状況でもありました。

 

40度近く高熱を出している子ども達をタクシーで連れて行き、待機できる場所があるのか、逆に診察に行って今度は別の感染症に罹患したらどうしようか、大晦日であるため、帰りのタクシーもつかまるのかがわからない状況でもあり、足立区医師会に行く事を断念しました。

 

さらには、コロナ感染症で解禁になったオンライン診療については、大変混み合っており、全てのオンライン診察が受付ストップになっていて、機能停止状態が大晦日から1月3日まで続きました。しかも、オンライン診療で処方箋をもらえたとしても、薬局が1月4日までお休みで開いていない状況でもありました。

 

今回の一例では、家族がいるので何とか市販薬と自宅療養で乗り切る事が出来ましたが、家族と一緒に暮らしていない独居老人にとっては、ヘルプしてくれる人が身近にいなければ、どうなってしまうのでしょうか。

 

ママ友関係に聞き取り調査をしたところ、昨年ゴールデンウィークでは、119にもつながらず、病院もうまく受診できず、体調を悪化させて流産した方がいたそうです(葛飾区内での出来事)。

 

基礎疾患あるご高齢者(足立区民)からは、「長期休暇中は、調剤薬局がやっていないため、薬がもらえない状況となると早く死ねと言われているように思えてならない。」と仰っていました。

 

【問】 救急医療の限界が訪れています。今回のように119に電話してもつながらないとなると、大変な事態まで想定しないといけません。今回、この事案でもわかるように、既存の長期休日診療体制は充分ではありません。

区長は年末年始におけるひっ迫した医療体制についてどのような認識をお持ちなのか。また今後、区内における休日応急医療体制をどのように改善していくおつもりなのか、区長の見解を伺います。

【区長答弁】

長谷川たかこ議員からの代表質問のうち、私からは長期休日における休日応急診療体制の見直しとさらなる構築についてお答えを致します。

まず、年末年始におけるひっ迫した医療体制への認識についてでございますが、今年度の年末年始は、長期間となったことや12月中旬からのインフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症の流行状況から、休日応急診療所が混雑することは事前に予測しておりました。その為、予め委託先である医師会に、医師及び薬剤師などの診療体制の増員に向けて柔軟に対応していただけるよう依頼を行って参りました。

 

その為、当区では区内4か所で休日応急診療所の開設に日中と準夜間を合わせ、通常は1日当たり4か所8人体制の医師の体制の所、今回は、最大13人の医師の体制で従事して頂きました。

しかしながら、この年末年始は、東京都の統計を振り返ってみれば、過去20年間で2番目となるインフルエンザの大流行の年となりましたので、このような体制をとったにも拘らず、診療が深夜まで及び、中でも12月31日の大晦日は最後の患者さんがお帰りになったのは、日付が新年に変わった午前2時を回っていたという事も伺っております。

医師会によれば、4か所も開設した区は他になく、都内最大規模の開設であったと伺っておりますが、今年の年末、来年にかけて年始もお休みが長くなりますので、こうした状況も踏まえて、医師会とはご相談をさせて頂き、意見交換をしていきたいと思います。

次に、区内における休日応急医療体制をどのように改善していくのかについてですけれども、東京消防庁からは、今後、東京都全体で、現在、289隊ある救急隊を令和7年度は8隊増やし、計297隊とし、緊急時の体制をより強固なものにしていくとの力強い回答を頂きました。

江北保健センターと共に「すこやかプラザ あだち」へ移転する江北休日応急診療所は、医師会と協議しながら感染症が疑われる方についての導線を別途確保できる施設とした他、従来の医師1名体制から2名体制に増員するなど、体制の強化を図って参ります。

今後も、東京消防庁や足立区医師会、足立区薬剤師会など関係機関のご意見を賜りながら、強力に支援体制を構築しつつ、休日応急診療体制の充実について協議を続けて参ります。

他のご質問につきましては、参与より答弁させて頂きます。

 

《長谷川たかこ》

【問】ご高齢者や基礎疾患のある方々、妊婦、そして子ども達の為にも、現在、区内4か所ある休日応急診療所をさらに拡充させ、旧こども家庭支援センター等跡地などの駅近の場所に更なる休日応急診療所の開設を強く要望致します。区の見解を伺います。

【衛生部長答弁】

私からは長期休日における休日応急医療体制についてのご質問のうち、まず、現在、区内4か所ある休日応急診療所をさらに拡充させることについてですが、江北保健センターの移転に合わせ、江北休日応急診療所についても「すこやかプラザあだち」に移転します。それに伴い、従来の医師1名体制から2名体制へと増員する予定です。

 

次に、旧子ども家庭支援センター等跡地などの駅近くの場所にさらなる休日応急診療所を開設することについてですが、今後、綾瀬・北綾瀬エリアデザインの中で、旧子ども家庭支援センター跡地へ東部保健センター及び東部休日応急診療所の移転を進めて参ります。

 

《長谷川たかこ》

【問】休日応急診療をしている民間病院の情報の提供とその情報の見える化、東京版救急受診ガイドの周知を求めます。

【衛生部長答弁】

次に休日に診療している民間病院の情報の提供とその情報の見える化についてですが、議員からのご提案を受け、夜間や休日に診療している東京都内外の病院や薬局等を調べることのできる「医療情報ネット(ナビイ)」を区ホームページの休日応急診療所のご案内と同じページに区民の目にとまるよう工夫して掲載致しました。

 

次に東京版救急受信ガイドの周知につきましては、インターネット上で症状など選択肢を選んでいくことによって、救急車の要請判断や医療機関の受診科目等が案内される本ガイドについても、休日応急診療所と同じページに掲載致しました。今後、あだち広報やSNS等を通じて区民に周知して参ります。

 

《長谷川たかこ》

【問】また、区内のオンライン診療に携わる医師を増やすためにも、足立区医師会より東京都の補助金を利用したオンライン診療の促進を求めます。区の見解を伺います。

【衛生部長答弁】

次に区内のオンライン診療に携わる医師を増やすために、医師会に都の補助金を利用しオンライン診療を促進するよう働きかけることにつきましては、今後、足立区医師会に都の助成事業について情報提供し働きかけて参ります。

 

《長谷川たかこ》

【問】さらには、足立区が委託して休日応急診療所の中にオンライン診療を含めることはできないか、区の見解を伺います。

【衛生部長答弁】

次に休日応急診療所の中にオンライン診療を含める事が出来ないかにつきましては、委託先である足立区医師会等関係機関と導入の可否を含めて協議して参ります。

 

《長谷川たかこ》

【問】薬剤師会とも協議をして、調剤薬局の営業期間を増やすことも含めた環境整備を足立区医師会と薬剤師会で連携して、拡充することができないか。区の見解を求めます。休日応急医療体制の抜本的な見直しとさらなる拡充を足立区医師会・薬剤師会と連携し行うことを強く要望し、迅速なご対応を願います。

【衛生部長答弁】

次に長期間の休日の場合、調剤が出来る薬局の営業期間を増やすことも含めた環境整備を足立区医師会と薬剤師会で連携して拡充する事が出来ないかについてですが、区内28か所ある2次救急医療機関付近の薬局は、医療機関の診療日に合わせ、長期間の休日においても開業していることを薬剤師会に確認いたしました。また区内4か所の休日応急診療所においては、通常の休日では原則として1日分の薬の処方となりますが、年末年始のような連休や患者の状態によっては数日分の処方を行うなど現場で柔軟に対応しておりますので、引き続き、足立区医師会及び薬剤師会と区民の利便性が高められるよう協議を続けて参ります。